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静止したままのタイヤ。動き続ける門倉の指。あふれるリズムに松宮は翻弄されていた。
「は、あ、か、門倉さ……」
がくがくと震える松宮の太腿。次から次へと押し寄せてくる快感をなんとかのがそうと身をよじるが、身体に食い込んだシートベルトがそれを抑え込み、彼に逃げ場はない。
「なんだよ。俺は何もしてねぇぞ」
門倉の声が彼の背中越しに届いて松宮の鼓膜を揺らす。うそつき。ハンドルの上でコンコンと鳴らす音に松宮は身悶える。
「あ、やだ。もうそれやめてぇ」
必死に耳をふさごうとする松宮だったが今更音を遮断しようが関係ない。一度入ってしまったスイッチを切るにはどうしたらいいのか、一番よく知っているのは、その身体を何年も使い続けてきた松宮自身なのだ。つまり、思いっきりやるまで終わらない。
「ひ、ア、ア、む、むり、ねぇ、門倉さ」
救いを求める目で彼を見てもその視線は届かない。運転席に座っている彼がこちらを振り返ることはないのだ。バックミラーを間挟んで、そこに映る自分の痴態を松宮は想像した途端にぶるっと身体が震えた。
「おい、またイったのか?」
くすくすと唇で笑うような門倉の声にカッと身体が熱くなる。終わりがない。射精を伴う絶頂の場合ゴールが定められている。しかし、物質的快楽より精神的なそれで達してしまうこの状態に明確なゴールはないのだ。冷めることなくただどこまでも登っていくような果てしない感覚。恐怖を覚えながらも、車の中でひとり達し狂っている自分の浅ましさに門倉はたまらなく興奮した。こんな状態の自分を前席で門倉に見られているというのがたまらない。狂っていく自分を全てさらしてしまいたいという欲望がうずうずと湧き上がってきて羞恥心を焼いていく。けれど、同時にこんな曖昧で味気ないのはいやだと思う。本当にほしいものはすぐ近くにあるというのに。
「門倉さ、あ……」
松宮が懇願しようとしたとき、前の自動車が動き出した。門倉がわずかに前進させる。そのときのエンジンの震え、移動したときの振動が松宮を襲った。
声にならない声を上げて身悶える。小刻みに前進が痙攣する。座席の上で身体をのけぞらせた松宮が、ぞくぞくする感覚が全身を襲い、がちがちとかみ合わない歯を鳴らした。
「ある意味、お前、すげぇよな」
門倉の言葉が聞こえる。彼の手癖の悪い指はリズムを止めなかった。それどころかどんどん音の感覚を上げていく。
「松宮、聞こえるか?」
「あい……」
「とまんねぇよ。ほら。俺もいく。お前の中に出す」
「ひ、や、もう、そんなこと、言わないでぇああ、ああっ……!」
門倉の言葉に松宮は果てた。
静止したままのタイヤ。動き続ける門倉の指。あふれるリズムに松宮は翻弄されていた。
「は、あ、か、門倉さ……」
がくがくと震える松宮の太腿。次から次へと押し寄せてくる快感をなんとかのがそうと身をよじるが、身体に食い込んだシートベルトがそれを抑え込み、彼に逃げ場はない。
「なんだよ。俺は何もしてねぇぞ」
門倉の声が彼の背中越しに届いて松宮の鼓膜を揺らす。うそつき。ハンドルの上でコンコンと鳴らす音に松宮は身悶える。
「あ、やだ。もうそれやめてぇ」
必死に耳をふさごうとする松宮だったが今更音を遮断しようが関係ない。一度入ってしまったスイッチを切るにはどうしたらいいのか、一番よく知っているのは、その身体を何年も使い続けてきた松宮自身なのだ。つまり、思いっきりやるまで終わらない。
「ひ、ア、ア、む、むり、ねぇ、門倉さ」
救いを求める目で彼を見てもその視線は届かない。運転席に座っている彼がこちらを振り返ることはないのだ。バックミラーを間挟んで、そこに映る自分の痴態を松宮は想像した途端にぶるっと身体が震えた。
「おい、またイったのか?」
くすくすと唇で笑うような門倉の声にカッと身体が熱くなる。終わりがない。射精を伴う絶頂の場合ゴールが定められている。しかし、物質的快楽より精神的なそれで達してしまうこの状態に明確なゴールはないのだ。冷めることなくただどこまでも登っていくような果てしない感覚。恐怖を覚えながらも、車の中でひとり達し狂っている自分の浅ましさに門倉はたまらなく興奮した。こんな状態の自分を前席で門倉に見られているというのがたまらない。狂っていく自分を全てさらしてしまいたいという欲望がうずうずと湧き上がってきて羞恥心を焼いていく。けれど、同時にこんな曖昧で味気ないのはいやだと思う。本当にほしいものはすぐ近くにあるというのに。
「門倉さ、あ……」
松宮が懇願しようとしたとき、前の自動車が動き出した。門倉がわずかに前進させる。そのときのエンジンの震え、移動したときの振動が松宮を襲った。
声にならない声を上げて身悶える。小刻みに前進が痙攣する。座席の上で身体をのけぞらせた松宮が、ぞくぞくする感覚が全身を襲い、がちがちとかみ合わない歯を鳴らした。
「ある意味、お前、すげぇよな」
門倉の言葉が聞こえる。彼の手癖の悪い指はリズムを止めなかった。それどころかどんどん音の感覚を上げていく。
「松宮、聞こえるか?」
「あい……」
「とまんねぇよ。ほら。俺もいく。お前の中に出す」
「ひ、や、もう、そんなこと、言わないでぇああ、ああっ……!」
門倉の言葉に松宮は果てた。
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