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・屋敷編
Wed-13
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視線の先、目があったと思った。だが男は顔を下に向けた。すると彼の腰が持ち上がった。まるでその光景がやけにゆっくりとスローモーションのように見えじれったくなった。男は立ち上がると近くの黒服に耳打ちした。予感のようなものが青年の胸によぎった。
耳打ちされた黒服の姿を目で追えずに、ぼーっとしていると、いつの間にか、あの客が背後に来ていた。
男が手を伸ばして来る。腰を掴まれて、触れられた箇所からその感覚が小さな快楽として、青年の脳髄に響いた。刹那、自分のひりついたあの場所に、硬いものが押し当てられた。
「――あ……」
怒張の気配を感じて、青年は息を飲んだ。客はじれったくも、青年の尻に当てたものを何度も上下に擦り付けるだけでなかなか、内側へはいれてこない。我慢に我慢されていたぶん、こちらは待ってなどいられない。焦らされて腰が揺れる。青年が突きあげた双丘をそっと撫でられて、そこからまたしびれが身体全体に広がる。
浅く喘ぎながら、男の次のターンを待つ。このとき、自分の全てが、この男の行動に握られていているのだと思うと、下腹が熱くなった。完全に支配下に置かれている。なのに、それすらが――。と、いや、違う。盛られているからだ。必死に頭は、言い訳を探し出す。
藤滝。あの男。彼の顔が浮かぶ。
今日この知らない男に犯される様をあいつに見せつけてやりたい。
そんなことを思ったその思考すら、突き立てられた雄に、散らされて、潜り込んできた欲望に前がはじけ、青年は悲鳴を上げた。
耳打ちされた黒服の姿を目で追えずに、ぼーっとしていると、いつの間にか、あの客が背後に来ていた。
男が手を伸ばして来る。腰を掴まれて、触れられた箇所からその感覚が小さな快楽として、青年の脳髄に響いた。刹那、自分のひりついたあの場所に、硬いものが押し当てられた。
「――あ……」
怒張の気配を感じて、青年は息を飲んだ。客はじれったくも、青年の尻に当てたものを何度も上下に擦り付けるだけでなかなか、内側へはいれてこない。我慢に我慢されていたぶん、こちらは待ってなどいられない。焦らされて腰が揺れる。青年が突きあげた双丘をそっと撫でられて、そこからまたしびれが身体全体に広がる。
浅く喘ぎながら、男の次のターンを待つ。このとき、自分の全てが、この男の行動に握られていているのだと思うと、下腹が熱くなった。完全に支配下に置かれている。なのに、それすらが――。と、いや、違う。盛られているからだ。必死に頭は、言い訳を探し出す。
藤滝。あの男。彼の顔が浮かぶ。
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