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・屋敷編
Tue-17
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「ただ入れただけで、これとはな……」
藤滝の声がどこからかした、気がした。
だが、青年の意識はそこへは向かわなかった。
頂点を極めたときの感覚にもまれて、張り詰めていた身体から力が抜けた。前からこぼれたものが、ガラスに付着している。とろりと粘性のある白濁は透明な板を重力に従って下へと垂れはじめた。
「……っ――ふ」
身体が崩れそうになり、鎖が首輪を吊った。その衝撃で、青年はガラスに身体をぶつける。立っていられなくて、寄りかかる。内側に穿たれたものが、肉壁をおしひろげ、無機物の温度を蕾の内に伝えていた。
唇の端から飲み切れなくなった唾液がどろりとあふれて顎を伝わる。じくじくと後ろがうずくその律動が、尾の先のディルドを締め付けた。
「どうだ? 見物は楽しいか?」
男の声がする。
「これでじゅうぶん良くなれるのなら、本物が欲しかろう。下へ落ちれば、ああして、いくらでも突っ込んでもらえるが?」
快楽にまわった頭では彼の言うことが、理解できずに、青年は首を何度も縦に振った。
「飛んでますね」
伊佐美が主人の横でにやりと口角をあげた。
「すぐに戻る」
短くこたえた男をふと伊佐美は見上げた。一瞬浮かんだけげんげな表情は次の瞬間、薔薇色に染まる。
「せっかくだから、たまにはお前も犬に戻るか?」
藤滝の誘いに、伊佐美の肉体は、かつて服従していた者の愉悦を思い出し、ぶるりと震えた。
✿
落とされた場所も闇。
まだ、これから、落とされる先も闇。
藤滝の声がどこからかした、気がした。
だが、青年の意識はそこへは向かわなかった。
頂点を極めたときの感覚にもまれて、張り詰めていた身体から力が抜けた。前からこぼれたものが、ガラスに付着している。とろりと粘性のある白濁は透明な板を重力に従って下へと垂れはじめた。
「……っ――ふ」
身体が崩れそうになり、鎖が首輪を吊った。その衝撃で、青年はガラスに身体をぶつける。立っていられなくて、寄りかかる。内側に穿たれたものが、肉壁をおしひろげ、無機物の温度を蕾の内に伝えていた。
唇の端から飲み切れなくなった唾液がどろりとあふれて顎を伝わる。じくじくと後ろがうずくその律動が、尾の先のディルドを締め付けた。
「どうだ? 見物は楽しいか?」
男の声がする。
「これでじゅうぶん良くなれるのなら、本物が欲しかろう。下へ落ちれば、ああして、いくらでも突っ込んでもらえるが?」
快楽にまわった頭では彼の言うことが、理解できずに、青年は首を何度も縦に振った。
「飛んでますね」
伊佐美が主人の横でにやりと口角をあげた。
「すぐに戻る」
短くこたえた男をふと伊佐美は見上げた。一瞬浮かんだけげんげな表情は次の瞬間、薔薇色に染まる。
「せっかくだから、たまにはお前も犬に戻るか?」
藤滝の誘いに、伊佐美の肉体は、かつて服従していた者の愉悦を思い出し、ぶるりと震えた。
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落とされた場所も闇。
まだ、これから、落とされる先も闇。
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