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・屋敷編

Tue-15

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 視界のなかで、男が果てた。
 びくっと大きく身震いした哀れな囚人の姿が目に入ってしまった。その後、後ろでまっていた客にふたたび挿入され、彼の身体が蠢いた。
 こんなものを見ているうちに、何かが崩れてしまう。
 青年は、目線を逸らそうとして、そのとき、とろっと、口の中にたまっていた唾液が、ボールギャクの穴から零れ落ちて、首筋に垂れて来た。その感覚に、ぞくりと、青年は震えた。満足させられていない、肉体に、火がともっていた。たちあがりかけていた自身に、青年は必死でふとももを閉じ合わせるように、もじもじと、動かす。だが、動けば、来ている着物の布に先端がこすれて、じりじりと甘くうずく。首輪から伸びた鎖が小さく震えた。
「う……ふう……」
 息があがる。くぐもった声となって、それは、口枷の穴からこぼれおちていく。
 ――熱い。
 この熱をさまそうとして、青年は、冷たいガラスに自身の身体を押し付けた。体重をかけてひっつくと、彼の前が挟まれるかたちになって、ぞくぞくと太ももがしびれてくる。
 気をぬいて、右足が崩れそうになった。とたん、金具の音がなって、首をひっぱれた。
 もし、立っていられなくなったら、首輪が自身の首をしめることになる。ひやりとしながらも、ガラスに押し付けた肉体はほてるのをやめない。
 次第に押し付けるだけでは足りなくなって、彼はガラスに自らの肉体を擦りつけるように、体を動かしていた。
 気持ちがいい。
 そう思いたくないのに、もはや、考えての行動ではなく、腰が自ら律動する。ひんやりと冷たい感触だったはずのガラスが、青年の熱に触れて、次第にその体温がうつっていく。冷たい違和感は消え、それでも、平坦で硬い感触だけは、残る。
 前の先端が、ぐりっと壁面にえぐられるように擦れた。彼は「うっ」とうなり声を上げたが、かまされている球体にその音は遮られた。かわりに、とろりと飲み込むことのできない唾液が、胸に滴り落ちる。
「ひっ……」
 自分の口元から垂れてくる液体に濡れた胸が光る。そのまま、ガラスと胸の間で、ぐちゅぐちゅと水音を立てた。尖り切った胸の飾りを押し付けるように動くと、濡れる感触と、それが押しつぶされるような感触で、たまらなく前がより大きく膨らんでいく。
「……う、あ……っ」
 だめだ……このままでは。
 絶頂の予感を感じて、青年は肩を震わせた。その瞬間だった。
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