244 / 285
・屋敷編
Tue-13
しおりを挟む
「ふざけるな!!」
青年の声が、室内にこだました。
藤滝と伊佐美が、こちらへと視線を向けるのを感じて、青年はどなった。
「なんで、こんなもんを! ちくしょう! この悪魔どもめ!」
怒りの限りに声を荒立てながら、青年は固く握りしめられた拳で、ガラスを叩いた。それでも、透明な板はびくともしない。
藤滝が、ため息をついた。
「まったく、困ったやつだ」
青年の暴れる気配に、近くに控えていた使用人たちが、彼を取り押さえるために、手を伸ばした。背後から、羽交い絞めされた青年はジタバタと足を暴れさせる。
「どうして、そう、お前は、感情的になるんだ?」
藤滝が、冷ややかな目で青年を見ている。その視線が、じろじろと、身体をなめつくした。この男の視線はいつもこれだ。肉体の表からじわじわと内側に沁み込んできそうなくらいの、変な感覚。
「さっきまで、あんなに興奮していたのが、今は、これだ。……せっかくだから、お前も、今日はこちら側で楽しんでいけ」
――こちら側?
どういう意味だ? 藤滝のことばを反芻する。警戒に体を硬くした。この男が、細く冷たい笑みを浮かべているときに、いいことがあったためしがまったくない。
そんな藤滝に、伊佐美が、話しかけてきた。
「黙らせますか?」
別の使用人が、さっと、ボールギャグを手にもってあらわれた。
「さすが、準備がいいな」
にやつく藤滝の前で、青年は暴れた。何をされるのか、目に見えている。だが、使用人たちが取り囲んで、四肢を掴まれてしまった。最後まで反抗したが、伊佐美の用意してきたそれを口にはまされたあと、後頭部にまわされた留め金で、がっちりと固定された。
口にはませるものをはませると、きつく身体を掴んで来ていた使用人たちが離れる。両唇の間にある丸い球体に空いた穴から、青年の「うー」とうめく音が洩れた。
「まあ、そうせっぱつくな、来い」
伊佐美が手にしていた鎖が、いつの間にか、藤滝の手の中にあった。ぎゅっとひっぱられて、青年は、藤滝に引き寄せられる。
彼は、窓ガラスに青年の身体を押し付けるようにして、ガラスと自身の肉体の間に、青年を閉じ込めた。
「お楽しみは、これからだぞ」
耳元で、男の声がした。
青年の声が、室内にこだました。
藤滝と伊佐美が、こちらへと視線を向けるのを感じて、青年はどなった。
「なんで、こんなもんを! ちくしょう! この悪魔どもめ!」
怒りの限りに声を荒立てながら、青年は固く握りしめられた拳で、ガラスを叩いた。それでも、透明な板はびくともしない。
藤滝が、ため息をついた。
「まったく、困ったやつだ」
青年の暴れる気配に、近くに控えていた使用人たちが、彼を取り押さえるために、手を伸ばした。背後から、羽交い絞めされた青年はジタバタと足を暴れさせる。
「どうして、そう、お前は、感情的になるんだ?」
藤滝が、冷ややかな目で青年を見ている。その視線が、じろじろと、身体をなめつくした。この男の視線はいつもこれだ。肉体の表からじわじわと内側に沁み込んできそうなくらいの、変な感覚。
「さっきまで、あんなに興奮していたのが、今は、これだ。……せっかくだから、お前も、今日はこちら側で楽しんでいけ」
――こちら側?
どういう意味だ? 藤滝のことばを反芻する。警戒に体を硬くした。この男が、細く冷たい笑みを浮かべているときに、いいことがあったためしがまったくない。
そんな藤滝に、伊佐美が、話しかけてきた。
「黙らせますか?」
別の使用人が、さっと、ボールギャグを手にもってあらわれた。
「さすが、準備がいいな」
にやつく藤滝の前で、青年は暴れた。何をされるのか、目に見えている。だが、使用人たちが取り囲んで、四肢を掴まれてしまった。最後まで反抗したが、伊佐美の用意してきたそれを口にはまされたあと、後頭部にまわされた留め金で、がっちりと固定された。
口にはませるものをはませると、きつく身体を掴んで来ていた使用人たちが離れる。両唇の間にある丸い球体に空いた穴から、青年の「うー」とうめく音が洩れた。
「まあ、そうせっぱつくな、来い」
伊佐美が手にしていた鎖が、いつの間にか、藤滝の手の中にあった。ぎゅっとひっぱられて、青年は、藤滝に引き寄せられる。
彼は、窓ガラスに青年の身体を押し付けるようにして、ガラスと自身の肉体の間に、青年を閉じ込めた。
「お楽しみは、これからだぞ」
耳元で、男の声がした。
20
お気に入りに追加
667
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる