221 / 285
・屋敷編
Mon-7
しおりを挟む
「ともかく、こういう腐り切った場所にはうんざりだ!」
青年のことば、うなづいて滝田が言う。
「それは俺も同感だ。だから、それに関しては少し俺も何か協力しないとな。っていっても、成績の数字を誤魔化すとか、隠密的になにかを……っていうのは、俺も、今あぶりだされたら、いっかんのおわりだから、そういうのは出来ないけれど」
「つまり、俺に、稼げって言いたいのか」
「端的にいうと――そうだな」
悪魔め、と青年は小さく言った。
「まあ、一番の悪魔を倒すっていう共通の目的があるだろう。俺たちは仲間だ」
「どうだかな」
「言っただろう。俺も協力はする、と」
「期待していいんだか、悪いんだか」
滝田を一瞥すると、青年はさっと屋敷の中へ戻っていった。
✿
太陽が、水平線に沈み始めるころから、消えゆく陽光にうってかわって、妖しげに灯された光によって、屋敷の表情が変わる。
「急遽、メンバーが変わる」
使用人たちの間で共有された今日の演目に、追加変更されるものがあった。
「用意をはやくしろ。ご主人さまを失望させるな。お客さまを待たせるな」
使用人頭が、てきぱきと配下に指示をはじめる。廊下は走りまわる使用人たちの足音に満たされる。
青年のことば、うなづいて滝田が言う。
「それは俺も同感だ。だから、それに関しては少し俺も何か協力しないとな。っていっても、成績の数字を誤魔化すとか、隠密的になにかを……っていうのは、俺も、今あぶりだされたら、いっかんのおわりだから、そういうのは出来ないけれど」
「つまり、俺に、稼げって言いたいのか」
「端的にいうと――そうだな」
悪魔め、と青年は小さく言った。
「まあ、一番の悪魔を倒すっていう共通の目的があるだろう。俺たちは仲間だ」
「どうだかな」
「言っただろう。俺も協力はする、と」
「期待していいんだか、悪いんだか」
滝田を一瞥すると、青年はさっと屋敷の中へ戻っていった。
✿
太陽が、水平線に沈み始めるころから、消えゆく陽光にうってかわって、妖しげに灯された光によって、屋敷の表情が変わる。
「急遽、メンバーが変わる」
使用人たちの間で共有された今日の演目に、追加変更されるものがあった。
「用意をはやくしろ。ご主人さまを失望させるな。お客さまを待たせるな」
使用人頭が、てきぱきと配下に指示をはじめる。廊下は走りまわる使用人たちの足音に満たされる。
21
お気に入りに追加
668
あなたにおすすめの小説
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる