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・屋敷編

11.

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「この屋敷は苦痛か?」
 藤滝が聞いてくる。
「だが、ここよりも、もっとひどい場所だってある。お前の今の売り上げでは、そこへ落とされても何も言えまい」
 何が、いいたい――? じわじわと押し寄せてくる快楽の中で、必死に青年は彼の言葉をおしはかろうとした。
「まあ、いい。ん? どうした?」
「も、う、動いて……」
 尻たぶを打たれて、青年は、悲鳴をあげる。熱をもった尻が重たい。
「言わなかったか? お前が動いて、俺をいかせろと」
「む、むり……、も、だめ、だってば……アッ!」
 ぎりっと、真っ赤になった尻をつねられて、青年は、身をよじった。とたんに、男のものが外へとほうりだされる。
「おい、早くしろ」
 尻をあげろ。
 藤滝に言われても、びくびくと震える四肢では熱にやられた身体を持ち上げるのにも必死にならないといけない。
 じっとだまったまま動かない藤滝に、彼の意は伝わって来た。そちらが動かなければ、こちらも動かない。
 いつだってそうだ。
 すべての権利は彼にある。
 のろのろと、腰をあげた青年のうたれて敏感になっている双丘を主人は褒めるようになであげた。それに耐えきれずに、くずれそうになると、するどく平手をくらわさ、青年はなきさけぶ。
「も、ゆるして……!」
「お前のごとき、下級が」
「あ、も、だ、だめだ……っ」
 乾いた音が響き渡る。
「下等の分際で、何をほざくか」
「ご、ごめんな……売る、うるからぁ」
 もう動いてくれ。
 泣きながら懇願すれど、彼の平手はとまらなかった。ぐずぐずになって崩れた腿を逆手で撫でられて、甘い声で啼いてしまう。
「この一週間で、今までの二倍にまでしてみろ」
 耳元でささやくように、藤滝が言った。
「二倍だ、できるか?」
 もう、はやく開放してほしい。じりじりとひりつく尻が熱をもって、いっこうにさめようとはしない。
 うん、うん、と、青年が二回、首を縦に振れば、男の腕が伸びてきて、彼の下腹部を掴んで引き上げた。
 あ、と思った瞬間、後ろに彼の欲望が突き立てられていた。
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