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・地下室調教編(Day7~)

三日目 6-4

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 男が来る。
 藤滝が、青年へと足を向けてきた。
 そっと伸ばされた手で、顎を掴まれて、嫌がおうでも、彼の顔と対面しなくてはならなくなった。
「……もう一度、乞え」
 藤滝がそう命じた。
 否、はない、と、彼の瞳が言っていた。
 冷たい目であった。視線も冷たいが、その瞳の奥までも、凍り付いてしまっているかのように、ぬくもりがない。ただ、異様なきらめきをたたえたまま、青年を見ていた。
「……っ、楽に……」
 渇いた音が鳴った。
 藤滝が、青年の頬を打った。彼の手の感触に、青年は、唖然とした。痛み以上に、触れられたという事実が脳裏を焼いていた。
「聞こえない」
 藤滝の声が鼓膜を揺らした。
「……ご、ご主人さま……俺を、楽にして……ください……」
 ここまで言ってようやく、次のステージへと移行することを許してもらえたらしい。男が使用人に目配せすると、使用人がさっと動いた。
 青年をつるしている、金具が外された。両手首をはんでいる手錠はいまだかまされたままだが、天井から吊り下げられた状態から、自由になって、体重をささえていた部位がなくなったため、彼はじべたにそのまま崩れおちた。
「は……ああ……」
 ぺたんと、崩れたまま、青年は肩で息をする。まだ、楽になれたわけではない。身体はさきほどよりは自由になれたが、まだ体の奥で熱がくすぶっている。
 ふと、後ろを見て、青年は、ぎょっとした。黒服の男たちが、こちらを見下ろしながら、ズボンのチャックを下ろしている。
「……っ!」
 藤滝が何をさせようとしているのか、まわりの悪くなった脳内でも、理解できた。
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