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・地下室調教編(Day7~)
三日目 6-2
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「まったく、藤滝どのときたら……とことん趣味が悪い」
げすの効いた笑い声がきこえてきた。彼らは、興奮しきった様子で、そばへと流れてきた青年たちに次々と手を伸ばし始めた。
宴が始まってしまえば、部屋じゅうの空気がかわる。吐息、甘く鳴きだす声。欲望の匂いで充満していく空間に、青年はひとりおいていかれる存在のように、ひとり身もだえていた。
「……っ、う、あ……っ」
ジンジンと後ろのうずきがどんどん強くなっていく。よじって逃そうとしても、それが逆効果だ。
先ほど前で、達したばかりなのに、解放されるどころか、どんどんひどくなっていくばかりだ。
「これ……っ、もぉ……っ」
思わず藤滝を見た。
けれど、藤滝はこちらのことなど、もう気にもならないらしい。使用人に向かって、次々と手配の指示をくだしていた。使用人たちは、彼のいうことを聞き終えると、深くおじぎをしてから、それぞれの仕事遂行へと小走りに去っていく。
「……っ、う……」
ガシャガシャと、金具が音を立てる。乱暴に動いても、拘束が解かれることはない。けれど、もう、じっとしていられるレベルではなくなっている。
くいしばった歯と歯の間から、悲鳴があがりそうになる。
助けてくれ。
もう、限界だ……っ!
じっと藤滝をみていたら、こちらの視線に気が付いたのか、彼がこちらを見返してきた。それだけで、青年は、どきりと心臓を跳ねさせた。
「ふ……っ」
名前を呼ぼうとして、それはかなわず、口をついて出ようとしたことばはまた体内に逆戻りしてしまう。
「手配人、すこしいいか?」
客のひとりが、藤滝に話しかけた。
彼は、むろん、そちらのほうへと、行ってしまう。
「あ……っ、ああ……っ」
ぞくぞくと、青年の全身を何かが走り出す。
こんなにみっともない恰好をして、後ろはうずいて仕方がないというのに、自分は彼らに誰も相手にされずに――。そう思った瞬間、からだが奥から発火したかのように、昂奮の度合いを増した。
だが、それが逆に苦しみを増す。
どんなに青年が興奮しても、与えられる刺激はなにもない。このまま、天井からつるされているだけで、彼が楽になることは出来ない。
「も……っ、むりだ……」
全身ががくがくと震える。
体重を支えている、手錠にかかる手首が、はげしく痛むが、そんな痛み以上に「うずき」が苦しくて、早く楽になりたい。
涙ががぼろぼろとこぼれてきて、視界がうるむ。
男が帰って来た。手配のために、身近な使用人になにかを話していたがそれも終わった。
こちらを見る――。
藤滝!
青年は叫んでいた。
げすの効いた笑い声がきこえてきた。彼らは、興奮しきった様子で、そばへと流れてきた青年たちに次々と手を伸ばし始めた。
宴が始まってしまえば、部屋じゅうの空気がかわる。吐息、甘く鳴きだす声。欲望の匂いで充満していく空間に、青年はひとりおいていかれる存在のように、ひとり身もだえていた。
「……っ、う、あ……っ」
ジンジンと後ろのうずきがどんどん強くなっていく。よじって逃そうとしても、それが逆効果だ。
先ほど前で、達したばかりなのに、解放されるどころか、どんどんひどくなっていくばかりだ。
「これ……っ、もぉ……っ」
思わず藤滝を見た。
けれど、藤滝はこちらのことなど、もう気にもならないらしい。使用人に向かって、次々と手配の指示をくだしていた。使用人たちは、彼のいうことを聞き終えると、深くおじぎをしてから、それぞれの仕事遂行へと小走りに去っていく。
「……っ、う……」
ガシャガシャと、金具が音を立てる。乱暴に動いても、拘束が解かれることはない。けれど、もう、じっとしていられるレベルではなくなっている。
くいしばった歯と歯の間から、悲鳴があがりそうになる。
助けてくれ。
もう、限界だ……っ!
じっと藤滝をみていたら、こちらの視線に気が付いたのか、彼がこちらを見返してきた。それだけで、青年は、どきりと心臓を跳ねさせた。
「ふ……っ」
名前を呼ぼうとして、それはかなわず、口をついて出ようとしたことばはまた体内に逆戻りしてしまう。
「手配人、すこしいいか?」
客のひとりが、藤滝に話しかけた。
彼は、むろん、そちらのほうへと、行ってしまう。
「あ……っ、ああ……っ」
ぞくぞくと、青年の全身を何かが走り出す。
こんなにみっともない恰好をして、後ろはうずいて仕方がないというのに、自分は彼らに誰も相手にされずに――。そう思った瞬間、からだが奥から発火したかのように、昂奮の度合いを増した。
だが、それが逆に苦しみを増す。
どんなに青年が興奮しても、与えられる刺激はなにもない。このまま、天井からつるされているだけで、彼が楽になることは出来ない。
「も……っ、むりだ……」
全身ががくがくと震える。
体重を支えている、手錠にかかる手首が、はげしく痛むが、そんな痛み以上に「うずき」が苦しくて、早く楽になりたい。
涙ががぼろぼろとこぼれてきて、視界がうるむ。
男が帰って来た。手配のために、身近な使用人になにかを話していたがそれも終わった。
こちらを見る――。
藤滝!
青年は叫んでいた。
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