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・地下室調教編(Day7~)

三日目 5-3

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 どこまで歩かせるつもりだろうか。
 目隠しをされて、視界を失った状態で、歩くのは大変だった。足元が判らず、階段で、なんどもこけそうになったが、そのたびに、四方を囲む使用人に、立たされて、先を急がされた。
 むずがゆい後ろが、歩くために前へと足をふみだすたびに、苦しく収縮する。押し込められたプラグを抜いて、そのまま中をかきむしってしまいたい衝動に駆られる。
 だが、使用人が足をとめるようすはまだない。
「……は、あ……」
 ようやく階段を上り終えた。これからは平面だ。だからといって、責め苦から解放されるわけではない。
 ぞくぞくと駆けあがって来たものに、青年はよろめいた。そのまま、隣にいた使用人がそれを支える。
「だ、だめだ……もう……」
 歩けない。
 つらい。
 腕を振りきろうとしてそれができない。ひっしに手を振れば、金具に手首が打たれるだけだ。
「まだだ」
 使用人の冷徹な声をきいた。
 背中を押される。
 触れられただけで、その箇所から、ぞくぞくとした感覚がからだ中に走った。
 太腿が濡れる。
 だらだらと前から垂れ流されていく液体のせいだ。
 息があがる。
 対して動いているわけではないのに。
 これも薬のせいだろうか。
 ふと、青年の脳裏に自分の状態がおもいうかんだ。
 こんないっしまとまぬ状態で、前をたたせて、後ろには栓をされた状態で、歩かされている。
 恐らく階段を上がったということは、屋敷本体まで来ているのだろう。ひとの話声がする。すぐそばに誰かがいるのだ。
「~~ッ!!」
 自分のあさましさを想像しただけで、急に、スイッチが入ったみだいだ。
 がくがくと全身が震えて、青年はその場に倒れそうになる。使用人がざっとささえたため、床にうちつけられる衝撃はなくてすんだ。だが――。
「あ、ああ、ああ……」
 がくがくと全身がふるえたまま、青年は身悶えた。達せない苦しみ。何かの刺激さえ、あれば、楽になれるのに。
 そばにいた使用人に身体を寄せて刺激を得ようとする。
「だめだな、こいつは」
 誰かが言った。その声がきこえた。だが、そのことばの内容を理解することができなかった。それどころじゃない。
「ひぎっ!」
 腕が伸びてきて、青年の胸をつまんだ。とたん、内奥でうごめいていたものが、爆ぜるかのように、青年は達していた。
「あ、ああ……」
 くたりと、からだじゅうから力が抜けていく。青年は立っていられなくなって倒れ込んだまま、崩れおちた。
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