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・地下室調教編(Day7~)
三日目 5-2
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一歩一歩、それが近づいて来る。心臓がぎゅっとつままれたかのような心地だ。
来る、来る。
ばらばらと聞こえてくるのは、複数の男たちの足音。だが、そのなかに確実に彼がいる――いや、違う。聞こえない。
扉が開いた。
ざっと黒い服の男たちが現れる。そのなかに彼はいない。全員が、黒服の使用人たちだった。
やつはいないのか?
頭のなかに浮かんだのは、そんなことだった。
いや、それどころではない。
相手方がどう出てくるのか、そこが、問題だ。
青年は頭のなかのスイッチを入れ替えようとした。既にぐずぐずになって熟れはじめている肉体のなかで、彼の理性は必死に働き始めた。だが、それを追い上げるペースで肉体の「うずき」が強くなっていく。
「……かかれ」
使用人頭であるだろう一人の声に、男たちがわらわらと青年をとりかこんだ。
「訪ねてきて随分な客じゃねえか。シテとワキをわきまえているのか?」
腕は自由にならない。それに、身体もじくじくと熱にむしばまれていて、そんな状態で動かすのは大変だ。
すぐに取り囲まれてしまったことに、いらだちながらも、まだ戦えると、青年は軽口をたたいた。
だが、彼らにはそんなもの、ないに等しいに違いない。藤滝はまだ遊ぶ余裕があるが。彼らはただ屋敷の主に忠実なしもべ。彼らの頭のなかにあるのは、命じられたことをそのまま忠実に遂行するというだけだったらしい。
「うっ! おい、なにするんだ!」
急に体を抑え込まれたかと思えば、目に布をあてられた。黒い布で、目隠しのために、頭のうしろがわへまわされると、背後の使用人がそれをくつくしばった。
もう光が見えない。
視界を奪われたとたん、急に肉体の感じ方が変わった。何をされるのかわからないという状況に、急に皮膚にふれられただけで、発情した身体が跳ね上がる。
「っ! う、……」
足首を掴まれて、そのままひきずり立たされた。
「立て」
低い声が身も元で聞こえる。使用人の単調な声とともに、その吐息まで耳にかかって、ぞくぞくと背筋が走った。
「な、なんだよ……くそが……」
じくじくとまだ後蕾が熱をもとめて、収縮を勝手に繰り返している。力が入らない。それなのに、無理矢理、身体をひきあげられて、立たされる。
「歩け」
「普段、命令されている側だからって、俺に命令ばっかりするな! ……ひあっ!!」
反抗したとたん、尻たぶを、下から上へと撫でられた。
ぞくぞくと感じてしまい、傍にいた横の使用人によりかかってしまう。
「いいから、歩け。ご主人さまがお待ちだ」
来る、来る。
ばらばらと聞こえてくるのは、複数の男たちの足音。だが、そのなかに確実に彼がいる――いや、違う。聞こえない。
扉が開いた。
ざっと黒い服の男たちが現れる。そのなかに彼はいない。全員が、黒服の使用人たちだった。
やつはいないのか?
頭のなかに浮かんだのは、そんなことだった。
いや、それどころではない。
相手方がどう出てくるのか、そこが、問題だ。
青年は頭のなかのスイッチを入れ替えようとした。既にぐずぐずになって熟れはじめている肉体のなかで、彼の理性は必死に働き始めた。だが、それを追い上げるペースで肉体の「うずき」が強くなっていく。
「……かかれ」
使用人頭であるだろう一人の声に、男たちがわらわらと青年をとりかこんだ。
「訪ねてきて随分な客じゃねえか。シテとワキをわきまえているのか?」
腕は自由にならない。それに、身体もじくじくと熱にむしばまれていて、そんな状態で動かすのは大変だ。
すぐに取り囲まれてしまったことに、いらだちながらも、まだ戦えると、青年は軽口をたたいた。
だが、彼らにはそんなもの、ないに等しいに違いない。藤滝はまだ遊ぶ余裕があるが。彼らはただ屋敷の主に忠実なしもべ。彼らの頭のなかにあるのは、命じられたことをそのまま忠実に遂行するというだけだったらしい。
「うっ! おい、なにするんだ!」
急に体を抑え込まれたかと思えば、目に布をあてられた。黒い布で、目隠しのために、頭のうしろがわへまわされると、背後の使用人がそれをくつくしばった。
もう光が見えない。
視界を奪われたとたん、急に肉体の感じ方が変わった。何をされるのかわからないという状況に、急に皮膚にふれられただけで、発情した身体が跳ね上がる。
「っ! う、……」
足首を掴まれて、そのままひきずり立たされた。
「立て」
低い声が身も元で聞こえる。使用人の単調な声とともに、その吐息まで耳にかかって、ぞくぞくと背筋が走った。
「な、なんだよ……くそが……」
じくじくとまだ後蕾が熱をもとめて、収縮を勝手に繰り返している。力が入らない。それなのに、無理矢理、身体をひきあげられて、立たされる。
「歩け」
「普段、命令されている側だからって、俺に命令ばっかりするな! ……ひあっ!!」
反抗したとたん、尻たぶを、下から上へと撫でられた。
ぞくぞくと感じてしまい、傍にいた横の使用人によりかかってしまう。
「いいから、歩け。ご主人さまがお待ちだ」
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