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・地下室調教編(Day7~)
三日目 4-5
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ぐいっと力を入れて差し込まれたそれは、内側がおおきく膨れあがっている形状のもので、多少力んだとしても、それが外れることができないようなつくりになっている。
「う……くそ……」
まだ、体内に注入された粘性のある液体が、じわじわと後ろでうごめいているかのような変な感覚がある。外へ洩れてしまいそうだが、その入り口にはめられた器具のせいで、それはせき止められて、ずっと腹のなかに残りつづけているかのような感覚だ。
「お前……、許さねえ……」
このあと、数時間後に襲ってくる感覚を想像して、青年は、男を睨みつけた。すでに、涙で、瞳は濡れていて、それだけでは、男を威圧することなどできないような視線ではあったが、はっきりと放つ殺気だけは、健在だった。
「よし、いいぞ、放て」
主人のひとこえで、使用人たちが、青年から、手を離した。とたん、自由になったはずなのに、力が抜けていて、スプリングをきしませて、ベッドにしずみこんだ。
「どうした? 何もしないのか?」
ニヤニヤと藤滝が聞いてくる。この男、わかっていて、こういう挑発をしてくる。それにおうじきれない自分が苦しくもある。青年は下唇を咬んだ。
「まだ時間はたっぷりあるな」
藤滝は、腕にはめている時計を確認して、そうつぶやいた。
「……く、お前から、腰を振るさまが、楽しみだ」
「……悪趣味め」
青年は、力の入りきらない腕で上体を起こした。
「ご主人さまっ!」
慌てて使用人が制止させようとしたが、それをすり抜けて、青年は、藤滝へと拳を振り上げた。
だが。
「そんなお粗末なものでどうする?」
ちからいっぱいに殴りつけたつもりだったが、青年の拳は、男の手のひらで受け止められて、逆に男につかまってしまう。
「……ッ!」
「なにふりかまわず、突進してくるのも、見もので楽しいが、それだけじゃ、つまらないだろ? ん?」
これも、挑発か。
ぐいっと、腰を掴まれて、ひきよせられる。すぐ目の前に、男の顔があった。
冷徹な瞳。その解けない絶対氷河のうちがわから、何かがゆらめいた、気がした。
「――ッ!!」
逃げるひまもなく、掴まれた顎を上にむかされて、その後、驚きに動けない青年をいいままに、男は顔を寄せて来た。
何が起きているのか、わからないまま、青年は固まった。
それは、そばでひかえていた使用人たちもそうだったらしい。
彼らは硬直したまま、藤滝が、満足げに顔をあげて、踵を返して部屋から出て行くのに、時間をおいてから反応した。
明らかに狼狽しながら、部屋を出て行く。そして、ひとり残された青年も、呆然としていた。
「う……くそ……」
まだ、体内に注入された粘性のある液体が、じわじわと後ろでうごめいているかのような変な感覚がある。外へ洩れてしまいそうだが、その入り口にはめられた器具のせいで、それはせき止められて、ずっと腹のなかに残りつづけているかのような感覚だ。
「お前……、許さねえ……」
このあと、数時間後に襲ってくる感覚を想像して、青年は、男を睨みつけた。すでに、涙で、瞳は濡れていて、それだけでは、男を威圧することなどできないような視線ではあったが、はっきりと放つ殺気だけは、健在だった。
「よし、いいぞ、放て」
主人のひとこえで、使用人たちが、青年から、手を離した。とたん、自由になったはずなのに、力が抜けていて、スプリングをきしませて、ベッドにしずみこんだ。
「どうした? 何もしないのか?」
ニヤニヤと藤滝が聞いてくる。この男、わかっていて、こういう挑発をしてくる。それにおうじきれない自分が苦しくもある。青年は下唇を咬んだ。
「まだ時間はたっぷりあるな」
藤滝は、腕にはめている時計を確認して、そうつぶやいた。
「……く、お前から、腰を振るさまが、楽しみだ」
「……悪趣味め」
青年は、力の入りきらない腕で上体を起こした。
「ご主人さまっ!」
慌てて使用人が制止させようとしたが、それをすり抜けて、青年は、藤滝へと拳を振り上げた。
だが。
「そんなお粗末なものでどうする?」
ちからいっぱいに殴りつけたつもりだったが、青年の拳は、男の手のひらで受け止められて、逆に男につかまってしまう。
「……ッ!」
「なにふりかまわず、突進してくるのも、見もので楽しいが、それだけじゃ、つまらないだろ? ん?」
これも、挑発か。
ぐいっと、腰を掴まれて、ひきよせられる。すぐ目の前に、男の顔があった。
冷徹な瞳。その解けない絶対氷河のうちがわから、何かがゆらめいた、気がした。
「――ッ!!」
逃げるひまもなく、掴まれた顎を上にむかされて、その後、驚きに動けない青年をいいままに、男は顔を寄せて来た。
何が起きているのか、わからないまま、青年は固まった。
それは、そばでひかえていた使用人たちもそうだったらしい。
彼らは硬直したまま、藤滝が、満足げに顔をあげて、踵を返して部屋から出て行くのに、時間をおいてから反応した。
明らかに狼狽しながら、部屋を出て行く。そして、ひとり残された青年も、呆然としていた。
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