171 / 285
・地下室調教編(Day7~)
三日目 2-2
しおりを挟む
「う、うしろ……っ」
小さな声で、青年が答えた。
「うしろ……というか、なかが……」
もぞもぞと身体を小さく揺らしながら、青年は答えた。
「何か、覚えていることはあるか?」
「……?」
覚えていること。
青年は、自分の記憶をたどった。
「そういえば、先日、午後、あいつが……きて、手袋を……」
「手袋?」
「ああ。普段ならそんなことはしないのに、ビニールのを、はめてから、俺の……を……」
「……ほお?」
滝田の表情が何かにピンときたかのように、晴れた。
「そのまま、何か塗られたな」
「え。ああ」
でもそれは、盛られていた薬の解除薬だったはずだ。そう滝田に伝えた青年だったが、滝田が静かに顔を横に振った。
「確かにそうかもしれないが……多分、やっぱりそりゃ、遅行性の薬を再び盛られなおされたんだろうな」
青年は息をのんだ。まだ、後ろがかゆくて、苦しい。だんだんとそれは強くなってきている。
「俺の知っている限りでは――、おっと、どんな感じだ? 敏感になっている? それとも、ぴりぴりする感じか。それとも、触りたくてしかたがない? かゆみがある?」
「か、かゆみが……」
「ああ、それなら、簡単だ」
滝田はこともなげにつたえてきた。
「それは、精液でなおる」
青年は、そのことばに、ぎょっとして、身をすくませた。
「この屋敷特製のお薬にはいくつか種類があるが、盛られた場所に対して、数時間たってから、作用しだすやつがある。で、かゆくてかゆくてたまらねえ、というやつ。だんだん効いて来て、効き目がマックスになると、我を忘れて、どこでもかきむしってしまうやつらしい」
「……な」
「で、これまた、媚薬としては、かなり計算されて作られたもんだ。男のコレで、静まるってシロモノらしいからな」
青年は、絶句した。
「まあ、そういうわけだ。……どうした?」
青年は、肩を震わせている。
「苦しいか? っていっても、他に何がきくってきいたことがないな、こればっかりは……」
じりじりと熱が、強くなり、青年は、つい、滝田がいるまえなのに、自身のそこに手を伸ばしてしまった。だが、そこの入口に指をそえた瞬間、滝田がいることを思い出して、さっと手を引く。
「……す、すまん、今のは」
自分以外の人間が目のまえにいるのに、いま、自分は、自分を慰めようとしていたのだ。それも、後ろで。急に羞恥が襲ってきて、青年は、大きく震えた。
小さな声で、青年が答えた。
「うしろ……というか、なかが……」
もぞもぞと身体を小さく揺らしながら、青年は答えた。
「何か、覚えていることはあるか?」
「……?」
覚えていること。
青年は、自分の記憶をたどった。
「そういえば、先日、午後、あいつが……きて、手袋を……」
「手袋?」
「ああ。普段ならそんなことはしないのに、ビニールのを、はめてから、俺の……を……」
「……ほお?」
滝田の表情が何かにピンときたかのように、晴れた。
「そのまま、何か塗られたな」
「え。ああ」
でもそれは、盛られていた薬の解除薬だったはずだ。そう滝田に伝えた青年だったが、滝田が静かに顔を横に振った。
「確かにそうかもしれないが……多分、やっぱりそりゃ、遅行性の薬を再び盛られなおされたんだろうな」
青年は息をのんだ。まだ、後ろがかゆくて、苦しい。だんだんとそれは強くなってきている。
「俺の知っている限りでは――、おっと、どんな感じだ? 敏感になっている? それとも、ぴりぴりする感じか。それとも、触りたくてしかたがない? かゆみがある?」
「か、かゆみが……」
「ああ、それなら、簡単だ」
滝田はこともなげにつたえてきた。
「それは、精液でなおる」
青年は、そのことばに、ぎょっとして、身をすくませた。
「この屋敷特製のお薬にはいくつか種類があるが、盛られた場所に対して、数時間たってから、作用しだすやつがある。で、かゆくてかゆくてたまらねえ、というやつ。だんだん効いて来て、効き目がマックスになると、我を忘れて、どこでもかきむしってしまうやつらしい」
「……な」
「で、これまた、媚薬としては、かなり計算されて作られたもんだ。男のコレで、静まるってシロモノらしいからな」
青年は、絶句した。
「まあ、そういうわけだ。……どうした?」
青年は、肩を震わせている。
「苦しいか? っていっても、他に何がきくってきいたことがないな、こればっかりは……」
じりじりと熱が、強くなり、青年は、つい、滝田がいるまえなのに、自身のそこに手を伸ばしてしまった。だが、そこの入口に指をそえた瞬間、滝田がいることを思い出して、さっと手を引く。
「……す、すまん、今のは」
自分以外の人間が目のまえにいるのに、いま、自分は、自分を慰めようとしていたのだ。それも、後ろで。急に羞恥が襲ってきて、青年は、大きく震えた。
21
お気に入りに追加
679
あなたにおすすめの小説




【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる