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・地下室調教編(Day7~)

二日目 5-1

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「な、何を……っ!」
 青年が身構え叫ぶ前に、男のそれはそこに到達した。
 いじりたおされて、敏感になりすぎているその突起に、己の欲望の先端をこすりつけてきたのだった。
「んっ……っ、う、あ……っ!!」
 思わず甘ったるい声が洩れる。
 つんと、上を向いて、尖りたった小さな粒が、男の凶暴な熱に押しつぶされて、青年は喉をさらした。
「これが……、欲しかったんだろう……?」
 違う、と言いたくても、ひっきりなしに続く快楽に、頭がまわらない。ついていけなくて、必死に、嫌だと、懇願しようにも、喘ぎ声の継ぎ目にすら、ことばを吐くことができない。
「も……っう、あ……アっ……ああっ……っ!!」
 嫌だ。
 涙がぼろぼろと流れ落ちる。
 決定的な刺激ではないもので到達しても、さらに降りてこれなくなるだけだ。
 何度も、首を横にふって、耐えるが、それでも容赦なく男が迫ってくる。「こら」
 藤滝が、青年の顎を開いている手で捕まえて、彼自身を向かせた。
「もうとばせないぞ」
 それでも、胸に這わせた性器はそのままだ。
「いっ……う、ああ……」
 ざりざりと皮膚の上を這ったそれが、胸の尖りを突いた。
「ひっ……っあ、や……っ!!」
 びくびくと、体中が跳ね上がる。
「何が嫌だ?」
 藤滝が問うてきた。彼の腰が動きを止める。
「こ、これ……っ」
 青年が必死に答えると、藤滝の腰がまた動き始めた。
「ひやあああ……っ、う、ああ……っ」
「これ、ではわからないだろう?」
 しばらくしてから、青年の答えを促すようにして、また男の動きが止まった。
 呼吸を整えようとするも、じくじくと襲い掛かる余韻という熱にうなされて、青年は、すすりあげるように答えた。
「そ、れで……、胸を……」
「それ? こういうとき、どういうふうに答えたらいいのか、しつけられているだろう、お前は」
 藤滝のいう通り、どういえば、彼が満足してくれるのか、青年は、知っている。ぐずぐずに崩れ落ちそうな状態だが、それでもまだ「彼」自身が残っている。
 藤滝は、そっと手を広げて彼の左胸の前にふっと触れた。五本の指が乳首の周辺に散らばる。それを、そっとゆっくりと中心に寄せていった。
「あ……ああ……っ」
 ゆっくりと弱い部分へと向かってくる指の感覚を皮膚が拾い上げていく。そのまま、くる、来てしまう。
「~~!!」
 尖りをつままれて、青年は、大きく弾けるように身体を揺らした。そのまま、きゅっと強く押しつぶされて、ひきつるように悲鳴を上げる。それから、すっと何事もなかったかのように、男の手は離れていった。
「……さて、どうする?」
 藤滝の声が問いかけてきた。
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