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・地下室調教編(Day7~)

一日目 3-1

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 青年は意識を取り戻した。
 口元に当てられたハンカチから、気化した気付け薬のせいだ。
 小さく金具の音が鳴った。
 両手両足首にはまされた金具から伸びた鎖。地下室の天井。床はまき散らされた自分の体液で、ぬめっている。
 身体はしんまで、とろりと溶けてしまいそうなくらいに疲労していて、指一本動かすのにさえ、躊躇してしまうくらいだ。
 あれから、どのくらい経った――?
 ぼーっとしてしまう頭で、時をはかろうとする。
 ここには窓がない。
 射してくる日の光で、時を測ることができないし、ましてや時計もない。
 この部屋に連れてこられたのが、まるで遠い昔の日のようにすらおもえてくる。永遠にここに閉じ込められているような気さえしてくる。
 目の前にひとがいた。
 ああ、この使用人か。
 彼は、青年の頬を軽くたたいた。意識が戻っていることを確認すると、ハンカチを引っ込めて、代わりにあのガーゼをとりだした。
 青年を起こしている間に乾いてしまったらしい。念入りに、ローションで湿らせると、彼の下半身に再びそれをあてがった。
「――っ!」
 声もなく青年は仰けぞった。
 それが襲ってくる。ぴったりと先端に合わせられただけで、全身に鳥肌が立った。
 じわりと、ガーゼが動き出す。
「もう、やめてくれっ!」
 懇願が意味をなさないことは、とうに知っているはずだ。けれど、この苦しい責めをどうにかして、終わらせたかった。金具がこきざみに音を立てる。
 液体を何度も吐き出しているため、青年に体力はのこされていない。たちあがりの勢いすら、弱まっているというのに、使用人はあいもあかわらず、力ない幹の先端にそれをあてがっているのだ。
 擦られるたびに、幹が削られてしまうような、激しい痛みを感じる。だが、それだけじゃない。その痛みの正体は、感じすぎてしまう、限度を超えた快楽だ。
「ひ――」
 びくんと、大きく青年の身体が震え上がった。ぷっくりと、先端から水気が走ったが、ガーゼにじんわりと吸われていく。
 何度目かの到達に、青年は涙でぐしゃぐしゃの顔をゆがませた。
 苦しいはずなのに、後ろがくぱくぱと蠢く。
 頭がまっしろになって、しばらく放心。それでも、使用人は行為を続ける。
 このままでは、本当に死んでしまうぞ。
 到達の悦がゆっくりと静まってきた。尽きるまでむさぼられて、最後には昇天だ。まずい、という危機感が、ふたたび上りつめようとする官能と同時にわきあがってきて、青年の疲れ切った脳味噌を働かせた。
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