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・地下室調教編(Day7~)

一日目 2-4

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「くっ……ううっ……」
 青年の唇が切れて、うっすらと赤いものが流れた。彼の白い前歯が、下唇のもりあがった部分に突き刺さり、血が細く流れた。
 それでも、抑えきれなくなって、歯は食い込んでいた唇の肉と離れた。半ば開いた口元からは、ひっきりなしに声が洩れる。
 それは、悦に浮かされた官能の印でもなんでもなく、ひきつったようなむせび声に近いものだった。
 ひどい仕打ちだった。
 弱い部分をひっきりなしに集中的に責められるのは、つらい。ようやく達したばかりだった先端は非常に敏感で、与えられる快楽は苦痛をもともなうものだった。
 けれど、逃げたくても、逃げられない。動かそうとするたびに身体の四方から、金具の音が立てられる。それだけで、彼の肉体は、すこしも動くことができないのだ。
「あ……、う、うう……」
 充血して、固くなったそこが悲鳴をあげはじめた。
 全身がふわっと浮かび上がったような変な感覚が襲ってくる。
 瞳の奥から、涙がぼろぼろとこぼれおちてきて、青年は低くうめいた。
 来る。
 そう直感したとたんに、激しい波にさらわれて、青年の花茎から勢いよく水が噴き出した。
 先端から放出されたそれは、使用人が持つガーゼによって勢いを封鎖されて、ぼたぼたと幹を伝い下へと落ちていく。
 男の欲望ではなかった。
 その液体は、透明に近い色をしていて、粘度も低く、水に近いものだった。
 使用人は、うっと肩をすくめた。ガーゼが先端からすこし浮く。
 丸出しになっている青年の後ろの穴が、くぱくぱと開閉を繰り返している。
 何があったのか、青年は瞬時に理解できなかった。とても強い疲労と甘い感覚におそわれて、身体から力を抜いた。首が、肩の上に乗る。
 水ものを吐きだしたあとの青年の花茎は、びくんびくんと震えていた。
「な……なに、これ……」
 ひゅうひゅうと呼吸を繰り返しながら、快感の中をただよっている青年がうわごとのように、使用人に尋ねた。
 彼は、すこし面食らったようで、一瞬の間のあと、答えた。
「潮じゃんか」
「……」
 そのことばの意味を理解しようと頭を回している間に、再びガーゼは青年の先端にあてがう位置にセットしなおされた。
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