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・Day6/Chapter2 隠れる

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 使用人はもともとここで春を売っていた青年たちで、年季があけても行く場所がなく屋敷に戻ってきた人がなる場合が多いらしい。
 すると、この男も、もともとはそういう人間なのかもしれない。藤滝に選ばれて屋敷につれてこられたうちのひとり――。
 青年は急に胸がむかつきだして、苦しくなった。
 理由はわからない。
 ただ、彼が使用人に手をだす理由ならあったではないか。もともと、彼を選んで連れてきたのが藤滝だったのではないか、という憶測ではあるが。
 だからか、男に敷かれているあの使用人も雑用や下働きのような仕事をさせられているわけではあるが、決して見目が悪いわけではない。
 青年は身をよじろうとして、ここで動いてはならなかったことを思い出して、じっとこらえた。
 耳から入ってくる嬌声や音の数々、同じ空間にいて、同じ空気を吸っているこの状況。逃げ場がなく、ここに居続けなければならない。
 もう聞きたくないし、観たくもない。
 なのに、隙間からこぼれてくる彼らの行為の影響は青年の肉体をむしばむ。
 一体、いつから、自分はこんなものになってしまったのか。
 他者の行為を覗き見して、それで、こんなあわれ・・・に閉じ込められている己のなんという――。
 あわてて青年はその思考もふりはらった。そんなことを考えていても何にもならない。とにかく今は息をころして気配をなくして、自分はここにいないものと思う、それが第一だ、と何度も自分に言い聞かせた。
 彼らにあてられて高ぶるのはしかたがないことだ。だからといって、それでバレてしまってはならない。
 こらえるために、青年は自分の前に持ってきた手で、そっとその場所を押さえた。布の上からふれた手が湿気を掴む。どくどくと脈動しているのさえ、上からわかってしまう。
「――っ」
 苦しい。このまま、服をはいで、中に隠れていたものをしごいて楽になってしまいたい。固くおしあげてくるものを必死でこらえて、青年は身を固くした。
 部屋の中心では、使用人が後ろに指を入れられてよがっていた。
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