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・Day5/Chapter5 水揚げには違いない(2)
77.
しおりを挟む「あー……あ、あ……」
それが終わった瞬間、青年は脱力した。空いた口が閉じられなくて、唇の端から飲み込めない唾液をだらしなく垂らしている。
解放感、というより、強烈だった。
自分が何をしたのかさえ、定かではない。何が怒ったのかすら、快楽に浸食されたあたまで考えることすら――。
ただそれに浸っていることしか、彼にはできなかった。
「放心しちゃったねえ」
腕を彼のペニスから離しながら男が笑った。
「すごい、出たなあ」
「そうだねえ。ここらへんなんか、びしょびしょだ」
達したばかりのそこに刺激を与えつづけると、男でも潮を吹くことがある。
彼のそこから飛び出してきたものは、とろりとした男の吐物ではなく、透明な液体だった。
「ほーら、戻っといでえ」
パチパチと軽く頬を叩かれて、青年は瞬きをした。
あんなに激しい放出をしたのに、まだおさまらない熱が再びぶりかえしてきた。
「あーあ、泣いちゃった。こっちからもお水がだらだらだね」
「脱水しちゃったら、困っちゃうなあ」
一人が腰を上げて、水の入ったペットボトルを持って戻って来た。ふたを開けると、まず彼が水を口に含んだ。
「んっ」
そして、彼はそのまま青年の唇に自身の唇を合わせる。力なく開かれた青年の口は、拒絶すらできなく、そのまま、男の舌と、たっぷりと注がれる水を甘受した。
「ああ、可愛いねえ。キスしただけでビクビクしちゃってるよ」
口を離して、客が満足そうに笑った。
隣で見ていた二人が、ペットボトルを彼から奪うと同じことをした。青年は、拒むことが出来ずに唇を吸われていた。
舌が絡まり、自分の口腔を犯されている。喉奥にまで流れ込んできた水をごくりと通したが、あとになって、この男たちの体液が混じっていたのだと思うと胸が焼けるように気分が悪かった。
「は……あ、くそ……」
青年は、力が入らない四肢に無理矢理、力を入れて立ち上がろうとする。あんなにも強烈な愉悦を味わったというのに、まだ体内には熱がくすぶっている。立ち上がれなくて、バランスを崩し、その場に倒れた。
熱い。
まだ、足りない。
体力も底をつくそうな状態で、それでも、“足りない”のだ。
もしかしたら、死ぬのかもしれない。
青年は、たまらなくなって、腕を自身の下半身に伸ばした。
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