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・Day4/chapter2 若花との戯れ
43.
しおりを挟む「あ、ああ……っ」
思わず、青年は甘い声を漏らしてしまう。
入ってきた。
質量のある物体が内側から自身の下腹部を圧迫していく。途端にぞくぞくと背筋にそれが走っていく。
「は、ああ……っ、いいっ」
眉根をひそめてこらえていた壱岐が、そのことばを聞いた途端にぐっと腰を進める。
「ひぁあ、あ、ああっ」
彼の茂みが密着するくらい、ぎゅっと奥に差し込まれて、青年の背がのけぞりそうに飛び跳ね、ガチガチと手錠と足枷の金属が鳴る。
けれど、どんなに激しく音を鳴らしてわなないても、がっちりと青年の肉体を固定しているそれが外れることはない。
青年は、自由にならない肉体で男の侵入を受け止め、ばくばくと心臓を鳴らしている。だが、これくらいで、達することはまだ、できない。ここからが、勝負だというのに、挿入の衝撃で、頭がとろんと悦に浸りそうだ。
「あの……」
おずおずと芳と佐波が尋ねてきた。
「俺たちは何をしたら……?」
「あ、あ、そ、それはっ……」
急に羞恥が襲ってきたが、そんなものに屈してはいられない。青年はぎゅっと瞼をつむったあと、また目を開けた。
「えっと、ここ、とか、あ、えっと、胸の……」
青年が何を言おうとしたのかを察知して、芳が、青年の胸に手をかざした。そのまま、ゆっくりと胸部を撫で始める。
「はあ、いいよ……いいけど……」
もっと、激しく、してほしい。
もじもじと腰を揺らすとそれだけで、なかに咥えた壱岐の怒張を感じる。
「じゃあ、こっちも……」
佐波が、慣れない手つきで青年の幹を握った。
「そ、そう。いいよ。そのままっ、や、じ、自分でやるみたいに俺の、をっ!」
壱岐は動かない。
青年は自ら腰を動かし始めた。とはいえ、自由にならない肉体では、微々たるもの。
今までさんざん嬲られてきたとこが、裏目に出ている。
足りない。
涙さえ出てきそうだ。
激しく内奥を打ち付けられ、しこりをいたぶられ、泣いても許してくもらえずに激しい快楽の中にたたきつけられてきたのだ。
そのせいで、慣れない男たちを相手にしたゆるい交わり合いは逆に、こんなにも、苦しいのか、と――。
「う、動いて、壱岐く……」
青年は必死に彼の名前を呼んだ。
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