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・Day2/chapter1 再会は毒のごとく
17.
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「は?」
青年は唖然とした。いま、何と言った? 少年の発言に脳みそがストップする。そんな青年の様子を見て、少年が繰り返した。
「嫌でも状況は変わらないんだ。何人も見回りがいて、すぐ捕まるだろ? それに、にいさんはここが何処だかわかってるの? ここに連れてこられたとき、目隠しされていただろう。ぼくにはここが何処だかわからにい。どこに逃げていいのかすら、わからない」
「おい、だからって……」
「だから、変な気を起こすより、身を委ねちゃったほうがいいんだよ」
少年は青年に唇を寄せてきた。青年はとっさのことで避けることができなかった。少年は青年の唇を啄むと、彼の口元の隙間から青年のなかに舌を侵入させた。
「は、んんっ!?」
強引にねじ込まれるように侵入してきた少年の舌は熱く、青年はびくりと肩を震わせた。
彼の舌は縦横無尽に動き回る。歯列をなぞられるたびに青年は背筋に甘いものが走るのを感じた。じゅるると吸い上げられるとくらくらと酩酊するような心地になる。
おかしい。
昨日、さんざん弄ばれて疲れ切っていたはずの身体に熱が溜まっていく。
少年が青年の上顎を舐め上げた。途端にびりりと全身に電流が走った。
びくびくと身体を震わせる青年に満足した様子の少年は唇を離した。
「な、ぜ……?」
荒い呼吸を繰り返しながら青年が問う。
そうだ、おかしいと思っていた。なぜ、彼がここにいるのだろうか。
ここでの絶対的ルールはあの男だ。ここに売られてきたやつらが自由に行きたい場所にいけるわけがない。すべて彼の許諾が必要だ。それにあの男が慰めで彼を寄越すはずがない。
「どうしたの、睨まないでよ。それより、よかった? ご主人さまにも褒められるんだよ、ぼく、キスがうまいって」
「どういうことだよ、芹那」
「なにが?」
「お前、どうしちまったんだ?」
青年の問いなど構わず、少年は青年の兆しを見つけて満足そうにほほえんだ。
「あ、ここ硬くなってきてる。えへへ、やっぱり気持ち良かったんじゃないの?」
「芹那!」
青年は少年の肩を捕まえた。必死な形相に少年の顔から笑みが消える。
「マジになるからだめなんだよ、にいさん。さっきも言ったけど、流されたほうが人生楽になるんだって」
「ば、お前、本当にどうしちまったんだよ」
「知ってる? ここの奥をゴツゴツされる感触。内側からえぐられて、むりやり高められて、翻弄されて……最初は痛いけど、本当に気持ちいいんだよ……」
何かを思い出して、うっとりとする少年に青年は寒気が走った。
「お前、どうしてここにいるんだ?」
「それ、聞くの? にいさんが仕置を受けるって聞いて、ぼくも手助けしてあげようかなぁって思って立候補したんだよね」
「お、おい……」
「聞いたよ。百回しないとここから出してもらえないんだって。困っちゃうねぇ。ね、にいさん、中だけでイける?」
「何を言ってんだ?」
「オスイキだけじゃ身体が持たないと思うの。でも中でいくメスイキなら何度だって絶頂できるから……もし、できないなら、ぼくと練習しよ? ね?」
「ふ、ふざけんな!!」
青年は少年を叩いた。
そうか、彼はもう、あっち側の人間になってしまったのか。そう思うと裏切られたような苦みと悔しさがこみ上げてきた。
「いた……ちょっと、なにするの。せっかくぼくが手伝ってあげようとしたのに……」
「俺はふざけるな、と言ったんだ」
「ふざけてないよ、本気。でもガチでにいさんに抵抗されたら、ぼく相手じゃすぐ逃げられちゃうからなぁ……仕方ない」
少年は、ぱんぱんと手を叩いて叫んだ。
「みなさん、お手伝い、お願いしまーす!」
青年は唖然とした。いま、何と言った? 少年の発言に脳みそがストップする。そんな青年の様子を見て、少年が繰り返した。
「嫌でも状況は変わらないんだ。何人も見回りがいて、すぐ捕まるだろ? それに、にいさんはここが何処だかわかってるの? ここに連れてこられたとき、目隠しされていただろう。ぼくにはここが何処だかわからにい。どこに逃げていいのかすら、わからない」
「おい、だからって……」
「だから、変な気を起こすより、身を委ねちゃったほうがいいんだよ」
少年は青年に唇を寄せてきた。青年はとっさのことで避けることができなかった。少年は青年の唇を啄むと、彼の口元の隙間から青年のなかに舌を侵入させた。
「は、んんっ!?」
強引にねじ込まれるように侵入してきた少年の舌は熱く、青年はびくりと肩を震わせた。
彼の舌は縦横無尽に動き回る。歯列をなぞられるたびに青年は背筋に甘いものが走るのを感じた。じゅるると吸い上げられるとくらくらと酩酊するような心地になる。
おかしい。
昨日、さんざん弄ばれて疲れ切っていたはずの身体に熱が溜まっていく。
少年が青年の上顎を舐め上げた。途端にびりりと全身に電流が走った。
びくびくと身体を震わせる青年に満足した様子の少年は唇を離した。
「な、ぜ……?」
荒い呼吸を繰り返しながら青年が問う。
そうだ、おかしいと思っていた。なぜ、彼がここにいるのだろうか。
ここでの絶対的ルールはあの男だ。ここに売られてきたやつらが自由に行きたい場所にいけるわけがない。すべて彼の許諾が必要だ。それにあの男が慰めで彼を寄越すはずがない。
「どうしたの、睨まないでよ。それより、よかった? ご主人さまにも褒められるんだよ、ぼく、キスがうまいって」
「どういうことだよ、芹那」
「なにが?」
「お前、どうしちまったんだ?」
青年の問いなど構わず、少年は青年の兆しを見つけて満足そうにほほえんだ。
「あ、ここ硬くなってきてる。えへへ、やっぱり気持ち良かったんじゃないの?」
「芹那!」
青年は少年の肩を捕まえた。必死な形相に少年の顔から笑みが消える。
「マジになるからだめなんだよ、にいさん。さっきも言ったけど、流されたほうが人生楽になるんだって」
「ば、お前、本当にどうしちまったんだよ」
「知ってる? ここの奥をゴツゴツされる感触。内側からえぐられて、むりやり高められて、翻弄されて……最初は痛いけど、本当に気持ちいいんだよ……」
何かを思い出して、うっとりとする少年に青年は寒気が走った。
「お前、どうしてここにいるんだ?」
「それ、聞くの? にいさんが仕置を受けるって聞いて、ぼくも手助けしてあげようかなぁって思って立候補したんだよね」
「お、おい……」
「聞いたよ。百回しないとここから出してもらえないんだって。困っちゃうねぇ。ね、にいさん、中だけでイける?」
「何を言ってんだ?」
「オスイキだけじゃ身体が持たないと思うの。でも中でいくメスイキなら何度だって絶頂できるから……もし、できないなら、ぼくと練習しよ? ね?」
「ふ、ふざけんな!!」
青年は少年を叩いた。
そうか、彼はもう、あっち側の人間になってしまったのか。そう思うと裏切られたような苦みと悔しさがこみ上げてきた。
「いた……ちょっと、なにするの。せっかくぼくが手伝ってあげようとしたのに……」
「俺はふざけるな、と言ったんだ」
「ふざけてないよ、本気。でもガチでにいさんに抵抗されたら、ぼく相手じゃすぐ逃げられちゃうからなぁ……仕方ない」
少年は、ぱんぱんと手を叩いて叫んだ。
「みなさん、お手伝い、お願いしまーす!」
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