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・Day1/chapter3 主の味

11.

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 じゅぶじゅぶと水音が部屋中に響き渡る。大きい、まだ大きくなる。無理矢理に口内に迎え入れた男の怒張は、ゆっくりと凶暴さを増していく。
 息苦しい。ボロボロとな涙がこぼれていく。ただのこれは生理的な涙だ。顎が外れそうで痛いし、呼吸がしづらい。息を吸い込んだだけで濃厚な雄の香りで頭がいっぱいになる。
 もう、無理だ。そう思って男根に食いつくように上下に動かしていた青年は、頭を休ませた。途端に男の手が伸びてきて後頭部を掴まれる。
「休むな」
 ぱちんと男に腰を打ち付けられて、青年は、目を白黒させた。苦しさよりもその熱と質量の衝撃に耐える。
 男の腰が引いた。けれど安堵などする暇なく再び奥に打ち付けられる。
「んんーっ!」
 びくびくと身体を震わせる青年を見下ろしながら男は挿送をやめない。
 何度も喉を突かれて、えずきそうになりながらも、青年は耐える。
「歯を立てるなよ」
 ぱちんと男の玉が顎とぶつかる。動きは一層激しくなっていく。
「んっ、んっ」
 犯されている。喉を。
 口をふさがれて、許しを乞うことすらできない。完全に男の性欲処理に徹している自分という存在の浅ましさ。いいようにされている屈辱が快感に変わる。
 途端にカッと身体中に電気が走るような感覚に青年は襲われた。
 まるでそこが自分の性器になったような――。
 ひときわ激しく奥に打ち付けられたかと思うと、中でびくびくと男のペニスが弾けた。ねっとりとした液体を叩きつけられたかと思うとズルリとそれが引き抜かれる。唇を擦ってでていったその感触だけがいつまでも残った。
「飲め」
 男の命令に吐きそうになりながらも青年は嚥下する。しかし、粘性のあるそれは、いつまでもべったりと口の中に張り付いていて気分が悪い。さらに、ごくりと嚥下したとき、体の内部までこの男に犯されるような不快感がこみ上げてくる。
 たが青年に休む暇はなかった。
「ひっぎゃっ!」
 男が青年を押し倒した。冷たい床を背中で感じて青年が叫ぶ。
「何を……あっ!」
 青年が問う前に男がすっかりたちあがり、涙をぽろぽろとこぼしている青年のペニスを握りしめていた。
「俺のをしゃぶって感じたな?」
 自分の痴態を確認されているかのような感覚に青年のペニスはイエスを答える。ぷくりと液体が鈴口から飛び出し流れていく。
「ち、ちが……」
「ここ素直なようだがな」
 くっと男は微かに笑って青年の雄をしごいた。青年は必死に嫌だと抵抗しようとしたが、数秒で果てた。
 精はほとんど出ず、もう青年の限界を表している。
「これだけか」
 そうつぶやきながらも男は、イッたばかりと青年のそれを離さなかった。
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