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阿沙🌷

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面会 2019.11.02「窓」(291字)

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 僕たちを隔てるものは、一枚のガラスだ。それを透かして届く光が網膜が捉え、僕の心に彼の姿を投射する。
「最近、体調は?」
「まあまあかな」
「ちゃんと眠れてるの」
「大丈夫だって」
 たわいもないやり取りしか許されていないように上辺だけの会話が虚しく弾む。自分でもこの対面に意味があるのか、分からない。
 時間です。合図に従い席を立つ。彼を連れて帰りたい衝動を腹の底に抱えて。
「元気でな」
 その度に彼は微笑をたたえて永遠の別れのような挨拶をつぶやく。
 馬鹿な男だ。僕だけは絶対に彼を手放さないのに。冷たいガラスに隔てられたその先でまた彼は凍りつく。
 いつかはその窓を開け。僕を迎え入れてくれよと願いながら。
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