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阿沙🌷

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橋を渡って 2019.08.03「旅」(298字)

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 僕の足では一人で電車に乗れない。鉄道の職員さんが急ぎ足で乗降版を持ってきてホームと乗車口に橋を架けた。
「いつもすみません」
「いいえ」
 普段通りの会話。毎回僕を元気にしてくれる職員さんの笑顔。小さな朝の出来事が僕の背中を押してくれる。
「ねえ、今度どこか旅行でもしてみない?」
 帰宅した僕に、電車を通して知り合った同居中の友人が僕に話しかけてきた。
「えー、いいけど、運転するのは君だよ」
「違う違う。電車で行くの」
いつも人の少ない時間を選んで電車には乗っている。今回のこれはケースが違い過ぎる。
「大丈夫、君を電車に乗せるのは僕だからね」
 そう言って同居人――いや、職員さんの優しい笑顔がまた僕の背中を押した。
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