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阿沙🌷

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濁り水 2019.06.01  「水」(298字)

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「あ、終わり?」
 ポーズを崩した君に、僕はうなずきながら筆洗いの中に絵筆を突き立てた。液体は、すぐに不透明な色をにじませて染まっていく。
「遅くまでごめんね」
 君は大きな欠伸を一つしていた。
「いいって。こんなに割のいいバイトはないからな」
 そう言って手を差し出してくる。財布から紙幣を取り出して渡せば終わりだ。満足したミューズは去っていく。
 僕は筆洗いを流し場に傾けた。濁った水が流れていく。赤、青、緑、茶。憧憬、愛憎、嫉妬。混ざり合って何と形容したらいいのか分からない色。もう一度、透明な存在に戻ることが出来るのだろうか。流れゆき辿り着く場所はどこなんだろうか。ない、ないのだとキャンパスの中の君が言う。
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