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第9話 『そしてラッパの音が響く――オオカミたちの大逆襲!』

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 空中を大きく旋回しながら、先生は一緒に突入してきた仲間に指示を飛ばす。翼の生えた戦闘服――CCCのエージェントたちが、次々に、オオカミ・キッズたちを保護していった。

 だけど、それにただ手をこまねくジュースじゃない。


「このおおおおおおおおおお排除者がああああああああああ!!」


 すでに元のピエロ姿を留めてないくらい変形していたけれど、さらに上をいった。破壊されたバクストマックの瓦礫をどんどん取りこんで、ぐんぐん巨大化していく。できそこないのソフトクリームみたいにねじくりまわったその巨体で、CCC側のリーダーである本間先生に突進をしかけた!

 俺たちは思わず叫んだけど、先生は――いつものように、冷静に、



「鎮め給え、その御心を――もうこれ以上、哀しむこと無く」



 一瞬だった。

 腰に下げていた日本刀を、目にも留まらぬ速さで抜いて、一振り。

 その太刀の軌跡が、光となって怪獣となったジュースの全身に刻まれている……何重にも!



 そしてすぐ、その光が膨らんで、


「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!」


 と、みにくい断末魔の叫びとともに――ジュースは爆散した。

 残った俺たちも、CCCのエージェントたちも、歓喜の声を上げる。
 すげぇ……すげぇっ! たった一撃で、あの化物を倒しちまった!

 だけど、先生はあんまり嬉しそうじゃなくて……俺は、なんでだろう、その気持ちがわかる気がした。

 そんなことを考えていたからか、先生と目があった。先生は翼を使って素早く滑空し、俺たちのもとに駆けつけてくれた。


「蒲帆! 印路、東間も……無事だな!」

「先生……」


 本当に、助けに来てくれた。


 その安心感が全身に満ちると、ぷつっと集中の糸が切れた。ああ、なんだよ、クソっ! ウソだろ、こんなときに眠たくなるのかよ……ここ、夢のなかだっつーのに!

 だけど眠気にはあらがえず、意識は次第に薄らいでいく。

 身体すら支えられなくて俺が倒れそうになったのを、先生が抱き留めてくれたのまでは、なんとなくわかった。


「……よくがんばったな、フウキ」


 うん、先生――俺、がんばった――
 ぜんぶに、勝ったよ――


「ああ――あとは私たちに任せて、今は……」


 ――うん、でも、なんでかな――





 あいつ、ちょっと、さみしそうだった――――









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