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第7話 『とびこえてその先できみの声を聞く』
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――朝が来た。
学校に行って、席に座る。
なんのへんてつもない5年1組の教室。俺たちの、クラスだ。
やがて本間先生が入ってきた。
日直が言う――起立、礼、着席。
先生は――苦々しい声で、言った。
「出欠を取る。……蒲帆、フウキ」
はい――そう応えようとして、俺は前を見た。
そこには椅子も、机もない。だって俺が、最前列だから。
5年1組の出席番号1番は――今日から、俺に、なったから。
「う、ぁっ、ああああああああああああああああああああああああ!!!」
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