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第7話 『とびこえてその先できみの声を聞く』
②
しおりを挟む初めのうちはムカついたよ。なんで俺ばっかり怒られなきゃいけないんだ。父さんだって、母さんだって、学校の先生も、町内会のおじさんおばさんも、みんなウソをつくじゃないか。俺よりもっと本当らしい、そのくせ傷つけるばっかのウソを、俺たちにつくじゃないか。
だから、止めなかった。絶対負けてやるもんかって、意地になってさ。
そんな俺を、おもしろがってくれるヤツらがいた。
「フウキって頭いいとみせかけて、実はそーとーバカでしょ? ま、ミア的には楽しいからいいけど♪」
「次から次に、よくそんなウソ思いつくよね……僕にはとてもできないや。あっ、いい意味でだよ?」
ミアとホマレ……小学一年生からずっと同じクラスの、《あいうトリオ》。クラスで浮いてた俺らは自然と仲良くなって、そんなふうに呼ばれるようになった。
いつの間にか、オトナに負けないためのウソより、3人で遊ぶためのウソのほうが多くなった。っつっても、イタズラ系のばっかりで怒られるのは変わらなかったけど……もう、ひとりじゃなかった。
俺がバカやって、
ミアがケラケラ笑って、
ホマレはうろたえるけど、でも楽しそうで――
「それはそうなるように、おまえがウソをついたからだろう?」
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