夢の中で人狼ゲーム~負けたら存在消滅するし勝ってもなんかヤバそうなんですが~

世津路 章

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第7話 『とびこえてその先できみの声を聞く』

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 初めのうちはムカついたよ。なんで俺ばっかり怒られなきゃいけないんだ。父さんだって、母さんだって、学校の先生も、町内会のおじさんおばさんも、みんなウソをつくじゃないか。俺よりもっと本当らしい、そのくせ傷つけるばっかのウソを、俺たちにつくじゃないか。

 だから、止めなかった。絶対負けてやるもんかって、意地になってさ。
 そんな俺を、おもしろがってくれるヤツらがいた。


「フウキって頭いいとみせかけて、実はそーとーバカでしょ? ま、ミア的には楽しいからいいけど♪」

「次から次に、よくそんなウソ思いつくよね……僕にはとてもできないや。あっ、いい意味でだよ?」


 ミアとホマレ……小学一年生からずっと同じクラスの、《あいうトリオ》。クラスで浮いてた俺らは自然と仲良くなって、そんなふうに呼ばれるようになった。

 いつの間にか、オトナに負けないためのウソより、3人で遊ぶためのウソのほうが多くなった。っつっても、イタズラ系のばっかりで怒られるのは変わらなかったけど……もう、ひとりじゃなかった。

 俺がバカやって、
 ミアがケラケラ笑って、
 ホマレはうろたえるけど、でも楽しそうで――





「それはそうなるように、おまえがウソをついたからだろう?」



 
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