47 / 87
第6話 『入り口の向こう側――水鏡にうつるもの』
⑥
しおりを挟むフッと、竹内の姿が消えた。代わりに俺を、多くの人が取り囲む。
「負けたら許さないんだから!」ミア……?
「全力でフウキをサポートするよ」ホマレ……!
「私、協力する……!」ルリア……、
「あははっ、楽しみだなぁ……!」マコトッ!
「私は、君を信じる」せん、せい……。
ひとりひとりが、俺にくれた大切な言葉を口にする。
でもその表情は、すぐさま豹変した。
「まだ勝ち筋見えてないってやる気あるのぉ?」
「調子のいいこと言ってたのは、結局ダマすためか……」
「ウソつき! 私たちのことは利用してただけなのね!」
「信じて損した……捨て駒にするつもりだったんだ」
「君に託したのは――失敗だった」
みんなは、俺のまわりをぐるぐる取り囲んで口々に呪いの言葉を浴びせた。
それらの言葉には、おぼえがあった。
ずっと……ずっと、俺の頭のなかに響いてた。
もしかしたらみんな、こんなことを思ってるんじゃないかって。
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる