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第4話 『本気モード! ロード・トゥ・〝ぜんぶに勝つ〟』
③
しおりを挟むホマレは、ためらわず自分のロールカードを見せてくれた。
「僕は、《霊媒師》――前の日に追放されたプレイヤーが、村人だったか狼だったか判定することができる」
そして涙を拭って、決意に満ちた笑顔を浮かべる。
「ごめん、僕、弱気になってた……そうだよね、ミアのこと、諦めなくていいんだ……! 僕になにができるかわからないけど、全力でフウキをサポートするよ!」
「ホマレ……! へへっ、そうこなくっちゃな!」
そう言ってくれるのは、わかってた……わかってたんだ。
ごめんな、ホマレ。俺、おまえにもウソついてる。だけど……これはミアを取り戻すのに、必要なウソだから。いつか、絶対おまえにも話すから!
心のなかでそう言い訳していると、ジュースの陽気な声が辺りに響き渡った。
「さぁさ、プレイヤー諸君! こちらに集合してくれたまえ!」
ふたり並んで歩きながら、俺はホマレにだけわかる小声で言った。
「まずはセオリーどおり、ホマレが霊媒師だってことはかくしていこう。判定の結果は、俺にだけこっそり教えてくれ」
「わかった……!」
ホマレも、小さく頷く。
そして、プレイヤーがジュースのもとに全員集合した。その数は――7名。
ああ、そうか――俺はこれが、人狼ゲームだったと改めて思い出す。
「さぁ、うるわしきバクストマックの朝がきた! さっそく狼投票……のまえに、自由時間……のさらにそのまえに、連絡事項がある」
なにが楽しいのか、ジュースは指揮でもするように指を振りながら言った。
「さる晩に、果たして狼が人を喰った! あわれなる犠牲者――その名は炉辺アイカちゃんだ! いやぁ、惜しい人を亡くしたねぇ」
知らない名前だ……そういえば昨日、竹内らが別の学校のヤツがいるって言ってたっけ。
プレイヤーの顔ぶれをこっそり見渡す。俺とホマレの他には、竹内ツインズとそのツレ、あと名前を知らないけど学校で見たことある男子がいた。そして残りは、まったく見たことのない女子。きっとこいつが、違う学校の生徒だけど……それ以前に、どうも気になる。
その女子はフランス人形みたいなふわふわした服にくるまれているのに、氷漬けの風呂にでも入れられたみたいにまっさおな顔だった。
……きっと友達だったんだ、喰われた炉辺ってヤツの。
そして、炉辺もきっとミアと同じく、現実では――。
だがジュースはフォローのひとつもなく、
「さて続いては、占い師&霊媒師による判定発表のお時間だ!」
GMの仕事をまっとうするのだと言わんばかりに話を進める。
「とはいえ、まだ誰か占い師で誰が霊媒師か判明していない。このまま名乗りでないのであれば、判定は伏せておくことも可能だ。さぁて、まずは占い師からどうぞ――名乗り出るかい?」
シン、とその場の空気が静まり返る。
「ふうむ、それもよかろう……もっとも、ここにいないプレイヤーがそうだった可能性もあるがね。では続いて、霊媒師は――」
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