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126.「出口のない回廊XII」side.シュヴァルト。※

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 途中までは我慢しようという気もあったのですが、受け入れてくれる言葉や姿を見ているとどうにも抑制が効かずにと、最早、この状態では言い訳も出来ないかと深く突き入れた自身をゆっくりと引き抜きながら、せめて、彼の好きなようにと緩やかに動いていた。
 それなのに、求められる声で容易に制御が効かなくなってしまって動きを早めてしまい、既に溺れているように見えるコウセイから可愛らしい声が何度も上がれば、それがまた呼び水になる。
 いけないと思いながらも煩わしい監視の目は随分前に外れ、ヘルマも大人しく感覚を共有している。
 オニキスが私の邪魔をする筈も無く、レイもドラシルを回収した後は影に潜ってくれていた。

 唯一、私を止められるコウセイは逆に求めてくれていてと、その状況に漸く降り重なっていた苛立ちが落ち着く。
 我ながら酷いなと口角を歪めながらも、誰に邪魔される事なく彼を抱けるのが心底嬉しい。
 まるで、逃さないようにと中で締め付け、力の上手く入っていない腕で私に必死に抱き縋る姿に言いようも無く心が満たされる。
 もっとと、コウセイは求めてくれるけれども、それは此方の台詞だった。

 必死で浅く荒い呼吸を繰り返す唇を塞ぎ、コウセイが感じる浅い部分を何度も、それから影にそこを刺激させたまま奥を突き上げると彼の体が跳ね上がる。本能的に逃れようとする体を影で縛り付けた状態で、奥を刺激し続けると内部の収縮が強まって私も限界を感じる。リリーに頼んでいた避妊具がまだ、手に入っていない状態なので必然的に彼を更に追い詰める形になるが止められない。

「くっ…ン…ッ…ん」

 射精感よりもコウセイに種付けをするような行為に頭が熱くなり、思考が溶けそうだ。
 この時程、男になれて良かったと思える。女であれば、そもそも彼と情を交わせたかも分からない上に抱かれたとして果たして本当に心底満足出来ただろうかと彼を抱いている今は疑問が過る。
 唇に軽く口付けてから、一度性器を完全に引き抜くとそれだけでも感じてくれたのかコウセイが短く甘い声を溢す。可愛らしいと、何処まで彼は私を煽るのだろうと愉快な気持ちになりながら何度も絶頂して力の抜けている体を抱き起こす。
 影も使いながらソファーに座り、彼に膝を跨がせる形で腰は私が、開かせた脚と上体をそれぞれ影で支え、もう一度挿入していると少し意識が戻ったのか、コウセイが驚いたように此方を見る。

「…シュ…ヴぁっ、あ、ンぅ…んっ…く…」

「コウセイ…っ」

 力の抜け切った体を自重の掛かる体勢で抱かれるのはきっと負担でしょう。分かってしている自分に悪役かとも思う反面、無理に犯されながらも必死に堪えているコウセイの表情や姿は情欲的で自然と喉が鳴ってしまう。
 思わず上着やシャツの前を性急に開いて半ば無理矢理に剥ぎ取り、露になった肌、特に弄られて尖っている乳首の尖端を指で弾くとぎゅっと彼の体が強張った。

「や…あっ、あ、ああ、だ、め、なか、も…っ…ぉ、あ…ア…っ…!」

 体全体を影で支え、抵抗できない抜き差しを規則的に繰り返しながら指先で左の突起を摘まみ、右側を口内で転がす。歯で挟むと顕著な反応を示したので、何度もしていると中が何度も収縮する。
 感じて、力んでしまうのを止められないのだと思うと笑みが溢れ、そして、彼が限界を迎えるのを何処か俯瞰しながら見つめた。

 可愛い、愛しい、ぐちゃぐちゃにしてしまいたいー…。

 思ってはいけない危ない思考に取り憑かれているようで、脱力した彼をもう一度解放して、今度はソファーにうつ伏せにして腰を後ろから持ち上げる。
 普段は顔が見ていたくてしない体勢。けれど、深く突き挿れたい衝動のまま後ろから性器を突き入れると短い悲鳴が上がった。

 それなのに、ぐちゅぐちゅと音が立つ程に腰を激しく抜き差しし、コウセイの性器も包んで愛撫すると彼の体が大きく、そして、小刻みに震え出す。
 漸く、少しは罪悪感が芽生えたものの、獣のように犯したい衝動が収まる事は無くて、結局、自分が射精するまで腰を動かし続け、精液を彼の奥に塗りつける頃には自分の呼吸が酷く乱れ、狂ったように彼の背中に口付け、首に噛みついた。
 一度だけ、けれども歯形が残るように噛んでいる最中にコウセイがまた絶頂したようで、くたりと力が抜けた気配に口を離すと首の後ろに痕が残っていて、無意識にそれに口付けてから漸く、性器を引き抜けた。

 やり過ぎたとも言えるし、足りないとも言える。

 落ちてきていた髪を後ろに流し、普段とは違う熱い体と全力疾走したように上がる息を繰り返しながらコウセイを後ろから抱き締めるように起こして抱え、生理的な涙で濡れた頬に口付ける。
 謝りたい気持ちが無い訳では無いが、それよりも身勝手な気持ちが上回る。

「もっと、したい…コウセイが、欲しい。」

 その言葉に溶けて零れそうな瞳が見開かれ、優しく笑って、頷いてくれた…。
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