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125.「出口のない回廊XI」※

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 シュヴァルト様の体液は一種の媚薬だと思う。
 それを一気に流し込まれて、直ぐに体が熱くなる。
 正直、狡いと思わなくも無いのだが…。

「…っ、く…ぁ、は…ッ…ン」

「はっ…ん…」

 それ所では無かった。あっと思う間に巻き付いた影で体の自由を奪われ、両耳をシュヴァルト様の掌で塞がれた後はキスに集中されているのか咥内を遠慮なく愛撫されながら、影が体の至る所を這い回っている。
 胸元の影は器用に両方の先端を擦ったり摘まんだりし、脇腹や背中は優しく撫でるように地肌の上を滑って行く。
 何故と思うのだが、臍の窪みも弄られ、もっと止めて頂きまたいのは性器への直接的過ぎる刺激だ。
 細い紐が何本も行き来するように表も裏も関係なく刺激されて、恐ろしい程に気持ちが良い。

 断続的に擦られていれば直ぐに射精感に襲われたのだが、先端から明らかに先程より深く内部に潜って来た影のせいで出すに出せない。
 耳を塞がれているせいか頭に響く水音と射精したくとも出来ない状態に段々と分けが分からなくなって目の前が眩む。

「んっ、ンぁ…ゥ…ぐ…っ」

 衝動的に動き難い腕を半ば無理矢理に動かして、シュヴァルト様の背を軽く叩く。その間にも指先や指の間に絡み付いた影も動いて、小刻みに身悶えていたのだが、気づいて下さって唇が離れた。思いきり肩で息をすると目眩は少しましになったものの…。

「シュ…ヴァルト…さ…、うあっ…!」

 色々と待って欲しいのと、何なら寝室で普通に致しましょうと口走り掛けて出来なかった。
 後孔を撫でていた影がゆっくりと中へと入って来たからだ。驚き過ぎて固まっていると浅い位置で止まったのだが、腹部側の感じる場所を狙って何度も何度も突かれる。

「ンゥ…あっ、やっ…あア、ア…やだっ、シュヴァっ…、…ぃっ……」

 強制的に高まっていた体をあちこち刺激された上で、後ろまで弄られれば一溜まりもない。
 絶頂する瞬間に性器に栓をしていた影も引き抜かれたのだが、何故かゆっくりとしか射精出来ない。
 思考が真っ白になりながら、最早、寒気にも似た快楽に長く震えているのに中に入ったままの影が動き続け、左右の胸を強く摘ままれて余計にビクビクと震える。感じたまま体を支えられてソファーにゆっくりと横たえられ、視線を上げるとシュヴァルト様が此方を熱心に見つめていた。

 考えが外れていると非常に恥ずかしいのだが、今の姿を見て喜んでいるようにも思えて自然と喉が鳴る。
 満足して頂けるのは良いが、監視を気にせずに普通にして頂いた方が良かったかもしれないとぼんやり見つめたままでいるとベルトに手が伸びて来て外され、性急な動きで下着ごとズボンを脱がされた。

「コウセイ…。」

 何を言う間も無く脚を左右に開かれ、シュヴァルト様も下衣を寛げると立ち上がった性器を後ろに宛がわれてゆっくりと埋め込まれて行く。

「あっ…あ、く、…ぅ…ん…ン」

 質量は余り無い筈の影だが、彼のものと合わさって圧迫がいつもより強い気がする。だが、苦しさよりも揺るやに挿入されているせいか余計に感じてしまい、全部入って、奥に届いた瞬間にまたイってしまう…。

「んっ、う…あア!」

 ぎゅうぎゅうと締め付けながら余韻に溺れるのがとても気持ち良い。ふわふわとした思考のままゆっくりと抜かれて、また突かれるだけで気持ち良いのに乳首も性器も擦られて、おかしいぐらいだ。
 自分の喘ぎ声が上がるのも気にならなくなる程に彼に犯されるのが気持ち良くて仕方がない。
 完全に前後不覚になっていると右胸を強く吸われる感覚に意識が向き、何度も舌で転がされ吸われるとまた射精した感覚があった。

 一体、何回と頭を過るものの全身への愛撫と中を緩やかに長く、深く、抉られる快楽にどうでも良くなってくる。

「あ…ンっ、ん…もっと…」

 して。と、呟いたような気がして、そこから転げるように波に飲まれた。
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