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3章
93.「合流」
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闇の中で何かが蠢いたように見えた。
良く見てみると、目の前に大きな鱗みたいなんがあってびっくりする。
昔から海洋生物系の夢は、ど偉い大きさとリアルさで怖くて怖くて苦手やった。
早く目が覚めたらええのにって、いつも思ってた筈やのに…。
でも、これは何でか怖くなくて、寧ろほっとさえする。
せやから、思い切って手を伸ばして触れて見たら温かくて、力強く脈打った気がしたー…。
「ふぁ?」
間抜けな声と共に目を覚ますともう朝なんか、部屋の中が明るくなって来てた。ちょっとボーとしてたら一緒に寝てたクライも起き出したんで、一緒に抱えてベッドから起きると皆も身支度を始めてた。
フォルクと目があって笑い掛けられたんで、なんかドキッとしてまう。普通に朝の挨拶やったんで俺も笑い返して挨拶したら他の皆も順番に声を掛けてくれたんで、和やかな空気でその日は始まった。
軽めの朝食を済ませってか、余り触れずにいたんやけどクライが食事してる姿にシュリヒトさんの目の奥が無茶苦茶感動してるんよね。あれもこれもって勧めそうになるのを理性で我慢してるようってか、自分の食事もそこそこにガン見しながら口許が終始引き結ばれてた。
そんなこんななほっこり朝食を済ませて、通信の魔道具の確認に行ったシュリヒトさんを見送り、まったりしてると少し作戦会議に入った。と、言っても事が動かん限りはにっちもさっちもなんで情報の整理をした後は雑談みたいな感じになったんやけど。
「クライノ体調ハドウダ?」
「今のとこは問題ないで。熱も無いし、苦しそうにもしてへん。」
「何だかこのまま元気にりそうにも見えるわよねぇ。」
「ほんまに。そうなったらええのになぁ。それか、単純に治療できたらええのに。」
「そうだな…。」
未だに答えのない問題なんでクライを囲んで唯唯、心配する図になってもうたけど、本人は不思議そうに周囲を見渡して俺を見て笑う。
うん、今日もスーパーキュートですとかアホな事を考えてたらシュリヒトさんが戻って来た。
話を聞くと、もう直ぐ護衛の人達が到着するみたいで出迎えるそうな。
特にする事が無かったんで俺らも出迎えに施設の入り口に揃って向かい、少し待ってたらマールシュトロームの街の上空に点が見えて、猛スピードでこっちに向かって飛んで来る人影が見えた。
「あ…。」
「少し、下がっていた方が良いやも知れぬ。」
「はい。分かりました。」
シュリヒトさんの言葉にクライを抱っこ紐で抱えたまま、すすすと後ろに下がると何故か前にフォルク、左にヴィーダーさん、右にリベラが並んだ。
大丈夫やと思うが守備態勢ですねと有り難く思ってたら、スピードをあんまり落とすことなくもシュリヒトさんの前で止まるように計算したんか、護衛の人ら数人が綺麗に空から滑り込んで来て膝をついた。
「到着が遅くなり、誠に申し訳ございませんでした…っ。」
魚鱗の陣の先頭に位置した厳つい感じの竜人、多分隊長さんなんかなって雰囲気の方がいきなり全力謝罪を始めた。
うん、なんか普段どんな感じに接してたか分かる態度に思わずシュリヒトさんの背中をジト目でフォルク越しに見ると若干、焦ってるようにも思える。
「いや、今回は非常事態であった。よくぞ、機転を利かせて追ってきた…と、思っている。長旅、ご苦労だった。ストリクト、以下全員、現状の説明を聞いた後に速やかに休息を取るように。」
「はっ…!承知致しました!」
寛大っぽい処置に部隊の人らも何処か張り詰めてた空気が緩和されたようにも思える。
シュリヒトさんの先導で、事前に押さえてたっぽい会議室みたいな部屋に案内されてクライを抱えてる都合上、後にちゃんと紹介されたストリクト・ロヤリテート隊長と部下の人ら五名の前に座らされ説明の間、視線を集めさせられた。
てかもう、シュリヒトさんが白と言えば黒も白の教育方針やったみたいで、異論なんか出る事も無く、休息後の護衛配置だけすっちゃかちゃかちゃか決まって、はい解散休憩!で、ちょっぴり引いた目をシュリヒトさんに向けたのは俺も悪かったし、彼の今までの行いも悪かったと本人も反省したんか遠くを見てた。
「ええと、彼らは非常に真面目で優秀なので何も心配しなくて良い…。」
「はい、それはもう、はい…。」
「頼む、そんな目で見ないでくれないか?何故か心が抉れてくる。」
「善処します。」
「頼む…っ!」
なんか、頓痴気なやり取りを繰り広げてたらクライが胸元で楽しそうにしてた。うん、シュリヒトさんの抉れた心も無駄やなかったな。
優しい気持ちで見てたら、それはそれでいたたまれへんかったみたいやった。
んで、和んだの束の間、無事に合流出来たんでいよいよ協力を取り付ける為にも横道に逸れまくってた首都を目指す為に本格的に準備を開始した。
良く見てみると、目の前に大きな鱗みたいなんがあってびっくりする。
昔から海洋生物系の夢は、ど偉い大きさとリアルさで怖くて怖くて苦手やった。
早く目が覚めたらええのにって、いつも思ってた筈やのに…。
でも、これは何でか怖くなくて、寧ろほっとさえする。
せやから、思い切って手を伸ばして触れて見たら温かくて、力強く脈打った気がしたー…。
「ふぁ?」
間抜けな声と共に目を覚ますともう朝なんか、部屋の中が明るくなって来てた。ちょっとボーとしてたら一緒に寝てたクライも起き出したんで、一緒に抱えてベッドから起きると皆も身支度を始めてた。
フォルクと目があって笑い掛けられたんで、なんかドキッとしてまう。普通に朝の挨拶やったんで俺も笑い返して挨拶したら他の皆も順番に声を掛けてくれたんで、和やかな空気でその日は始まった。
軽めの朝食を済ませってか、余り触れずにいたんやけどクライが食事してる姿にシュリヒトさんの目の奥が無茶苦茶感動してるんよね。あれもこれもって勧めそうになるのを理性で我慢してるようってか、自分の食事もそこそこにガン見しながら口許が終始引き結ばれてた。
そんなこんななほっこり朝食を済ませて、通信の魔道具の確認に行ったシュリヒトさんを見送り、まったりしてると少し作戦会議に入った。と、言っても事が動かん限りはにっちもさっちもなんで情報の整理をした後は雑談みたいな感じになったんやけど。
「クライノ体調ハドウダ?」
「今のとこは問題ないで。熱も無いし、苦しそうにもしてへん。」
「何だかこのまま元気にりそうにも見えるわよねぇ。」
「ほんまに。そうなったらええのになぁ。それか、単純に治療できたらええのに。」
「そうだな…。」
未だに答えのない問題なんでクライを囲んで唯唯、心配する図になってもうたけど、本人は不思議そうに周囲を見渡して俺を見て笑う。
うん、今日もスーパーキュートですとかアホな事を考えてたらシュリヒトさんが戻って来た。
話を聞くと、もう直ぐ護衛の人達が到着するみたいで出迎えるそうな。
特にする事が無かったんで俺らも出迎えに施設の入り口に揃って向かい、少し待ってたらマールシュトロームの街の上空に点が見えて、猛スピードでこっちに向かって飛んで来る人影が見えた。
「あ…。」
「少し、下がっていた方が良いやも知れぬ。」
「はい。分かりました。」
シュリヒトさんの言葉にクライを抱っこ紐で抱えたまま、すすすと後ろに下がると何故か前にフォルク、左にヴィーダーさん、右にリベラが並んだ。
大丈夫やと思うが守備態勢ですねと有り難く思ってたら、スピードをあんまり落とすことなくもシュリヒトさんの前で止まるように計算したんか、護衛の人ら数人が綺麗に空から滑り込んで来て膝をついた。
「到着が遅くなり、誠に申し訳ございませんでした…っ。」
魚鱗の陣の先頭に位置した厳つい感じの竜人、多分隊長さんなんかなって雰囲気の方がいきなり全力謝罪を始めた。
うん、なんか普段どんな感じに接してたか分かる態度に思わずシュリヒトさんの背中をジト目でフォルク越しに見ると若干、焦ってるようにも思える。
「いや、今回は非常事態であった。よくぞ、機転を利かせて追ってきた…と、思っている。長旅、ご苦労だった。ストリクト、以下全員、現状の説明を聞いた後に速やかに休息を取るように。」
「はっ…!承知致しました!」
寛大っぽい処置に部隊の人らも何処か張り詰めてた空気が緩和されたようにも思える。
シュリヒトさんの先導で、事前に押さえてたっぽい会議室みたいな部屋に案内されてクライを抱えてる都合上、後にちゃんと紹介されたストリクト・ロヤリテート隊長と部下の人ら五名の前に座らされ説明の間、視線を集めさせられた。
てかもう、シュリヒトさんが白と言えば黒も白の教育方針やったみたいで、異論なんか出る事も無く、休息後の護衛配置だけすっちゃかちゃかちゃか決まって、はい解散休憩!で、ちょっぴり引いた目をシュリヒトさんに向けたのは俺も悪かったし、彼の今までの行いも悪かったと本人も反省したんか遠くを見てた。
「ええと、彼らは非常に真面目で優秀なので何も心配しなくて良い…。」
「はい、それはもう、はい…。」
「頼む、そんな目で見ないでくれないか?何故か心が抉れてくる。」
「善処します。」
「頼む…っ!」
なんか、頓痴気なやり取りを繰り広げてたらクライが胸元で楽しそうにしてた。うん、シュリヒトさんの抉れた心も無駄やなかったな。
優しい気持ちで見てたら、それはそれでいたたまれへんかったみたいやった。
んで、和んだの束の間、無事に合流出来たんでいよいよ協力を取り付ける為にも横道に逸れまくってた首都を目指す為に本格的に準備を開始した。
応援ありがとうございます!
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嬉しい更新ありがとうございま~すヾ(*´∇`)ノ
それも両方とも!
ザーザージメジメの憂うつな気分ぶっ飛びました( ノ^ω^)ノ
雨やめば暑くなるので体調気を付けて下さいね~(*゚∀゚)ゞ
>黒モジャ様!
こちらこそ、感想ありがとうございま~す(*o´∪`)o
いい加減、両方進めたかったので頑張ったのですが、最近、時間が経つのが早いです!←
憂鬱な気分が飛んでいたとは嬉しい限りです(-^□^-)ノシ
雨凄かったですよね、最近は蝉が鳴いてて夏だな~となっております(笑)
黒モジャ様も熱中症やら諸々含めて、体調にお気をつけてお過ごし下さいね(*´∀)ノ。+:°ゲンキニナ~レ
ありがとうございました(*≧□≦)ノシ
ダイチくん、ご馳走さまでした(///ω///)♪
いやはや皆に愛されておりますなぁ、頑張れ!
きっと神様も覗いてる!ツッコミ炸裂案件ですぞ(°o°C=(_ _;
もうファンタジーとしてのストーリーもだけどたまのご褒美(エロ)も最高です✨好き(人´ з`*)♪
>黒モジャ様!
ご馳走さまをご馳走さまです(*^^*)うまー!!!
呪われたは総愛され寄りですので、今後も頑張って頂きたいと思います(*゚▽゚*)!
最早、神様はツッコミ待ちなのかもしれませんが(笑)<癖になっちゃう!
嬉しい感想、いつもありがとうございます!また、エロも入れれる時はぶち込んで行きますので!
私も好きです!(語弊)
2度目?3度目?の感想失礼します!
更新ありがとうございます(´﹀`)
とても楽しませてもらっております!
部屋一面のモフモフを想像して悶えましたw
個人的にヴィーダーさん良いキャラしてて好きです(●︎´▽︎`●︎)
あと、前に書いた感想の事なのですが…感想機能がよく分からず送れてないのかな?と思い同じ文章2回も送ってしまいました!混乱させてしまい申し訳ないですm(_ _)m
>雨天様
再びの感想ありがとうございます!
楽しんで頂けてるようで何よりです(*^^*)
部屋一面のモフモフ…最高か!モフモフは正義!(笑)
あ、ヴィーダーさん好きですか?作者も好きです(笑)
土の国はヴィーダーさんがテーマの一つなので、目立ってると思います(予告)←
そうだったんですね!私も引っ越して来たばかりで感想機能が良く分かっておらずw承認出来てないのかな?と、同じような感じでしたのでお気になさらず(笑)
感想含めてありがとうございました!心のヴィーダーさんも喜んでおります(*^ヮ^*)ノシ