呪われた騎士と関西人

ゆ吉

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2章

51.「路地裏Ⅱ」side.ヴィーダー。※

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 迂闊な奴だとは前々から何度も何度も思っていたが、まさか襲ってる奴の前…しかもオレの手を使ってするとは予想外で、自分から食ってくれと言わんばかりの行動に頭が痛くなった。
 同時にどうしてくれようかと…仮にも好意を示した男の前でお前それは…と、表現し難い感情に煽られて気が付けばダイチの体を強く抱き締めてた。

 温かい体。
 華奢ではないが腕におさめるには程よく、ずっと抱いていたいと思えて酷く落ち着く。
 大切って言うのはこんな感情だったか?随分前にもそんな気持ちがオレにもあったような気がして、だが、上手く思い出せない…。

「何を…捨てたんだ…?」

 ベツァオに言われた言葉も今更ながらに不思議だった。
 反射的に返したが、独りで生き、決まった仲間は持たず、唯一弟子にしたレオも結果的に見捨ててはいない。
 考えられるのは関係を持った女達だが…自分があれだけ必死に反論する意味が分からない…。
 今まで考えた事もなかったが、オレは何を得て、捨てたのか…。

「…ヴィーダーさん?」

 考えに没頭していてダイチが不審に思ったのか、声を掛けてくれ現実へと戻れた。
 一番不思議なのはこいつの存在だが、一緒にいれば…もしかしたら答えに辿り着けるかもしれない…。
 それ以上に一緒にいたいと思えるんだから、オレも焼きが回った。

「つくづく、予想外だな。」

「…はい?」

 見上げてくるダイチに視線を落としながら込み上げて来る可笑しさ、純粋な楽しさってやつなのかに顔が緩んだ。

「こっちの話だ…それより、オレは危機感を持てって言ったよな?」

「えっ、と…はい、でもヴィーダーさんやし油断してて…てか、なんで俺が責められる風なんですか?」

「なんだ、気づいたか。ダイチなら丸め込めると思ったんだが。」

「いや、流石に気づきますからね!?」

 軽口を言ってやれば驚きに目を見開きながらもさっき襲ってる時よりは幾分良い表情を見せてくれる。
 少なくとも信用はされてるみたいだし、今の所それで充分だ。
 気分が高揚するままダイチの頬の輪郭を右手で擽り撫で、唇の表面を親指の腹で擦れば体が小刻みに揺れた。

「口、吸われるの苦手なんだな…。」

「っ…な、あ…当たり前なんは悲しいですが…当たり前です!」

 自分の言葉で凹んでるようだが、こっちとしては嬉しい限りなんだが。
 寧ろ慣れてたら…一瞬、仄暗い感情が胸を過ぎって消える。
 未熟な事で助かる場合もあるんだなと妙に感心させられながら、手を移動させ手触りの良い体へ触れた。
 薄く筋肉の乗った腹から胸へと感触を確かめるように動かし、胸の飾りへ指が当たると驚いたのかダイチが身を引こうとするが後ろに退路は無く、片腕にも逃がさないよう力を更に加える。

「…っ、ヴィーダーさん…あの、終わりにしません?」

 珍しく真剣な顔つきで訴えられるが、毛頭、逃がす気なんかない。
 それにこっちの熱は全く以て発散してもいない。

「終わったのはダイチだけだろ?」

 そう言ってやれば自分がさっき何をしたのか冷静に思い出したのか、目を見開いた後、あからさまに視線が彷徨う。
 やはり何も考えてなかったか…時々、ダイチは短気な所があるが別にこれに関しては何度やってくれても構わない。
 但し、オレの前でだけだが。

「もう一度するか?それとも、次は尻の穴弄ってる所でも見せてくれるか。」

「しませんてっ!浅慮でした、俺がアホでした、反省してます!だから、許して!」

 半泣きってか顔も少し紅潮させながら必死で言い募る仕草に胸がザワつく。
 嫌な気分ではなく、こう…もっと弄ってやりたくなるような…落ち着かない感じでなんだ、この気持ちは。
 理解できないままだが、いずれこれも分かるかと止めていた手を動かして左乳首の先端を軽く引っ掻いてから摘まみ上げる。

「っ…!」

「前は邪魔されてここもしっかり弄れなかったしな…。」

 もし、トレラントが此処で現れたら全力でブチ殺しそうだと一瞬脳裏に過ぎったが今はそんな事より目の前の獲物だ。
 身を引いて姿勢を低くし、ダイチの背中を持ち上げるように抱え寄せるともう一方の突起を胸の周囲の肉ごと口に含む。

「ちょっ、うわっ!」

 体勢が崩れた事と予想外の行動だったせいか悲鳴が上がり、両肩を掴まれるが気にせず柔らかい芯を舌で転がしながら肉を遠慮無く吸い上げ、ついでに指で挟んだ方の乳首も転がすと体に力が入ったのが分かった。

「ヴィっ…」

 短く声を途切れさせた後は歯を食い縛ったのか、驚き過ぎて固まったのか、とにかく呼吸音だけが聞こえるがどんな反応をされても止める気はない。
 思うままに乳頭を弄り倒していれば固さを持ち始め、それが何故か愛しくて、更に止められなくなる。
 今まで感じた事のない感覚に溺れ、飽きずに何度も何度も舌を動かし、軽く歯で押し潰してと自分の唾液がやがて顎を伝うのが分かったがそれも無視して吸い続ければダイチが声を上げた。

「ぁ…、も…どんだけ…吸うっ…ンぅ!」

 声音に僅かな甘さが感じられ、その反応が嬉しくて皮膚に歯を強く立てればビクリと体が痙攣する。
 しかも、息を詰めたもののさっきとは痛みに対して違う反応を見せたように感じた。

「…なんだ、痛いのも場所によってはイイのか?」

「う…っ、そんなん…わか…りま、せん…」

 一旦、口を離して見上げれば肩で息をしながらダイチ自身も混乱しているのか首を小刻みに振り、その動作によって乱れた黒髪が汗で濡れた頬や首筋に張り付いているのに意識が向いた。
 故意ではないのに、いや、故意ではないからこそ誘われると言うのが正しいのか…妙に艶っぽく見えて堪らない。
 気の向くまま顔を寄せ、舌で髪の一束を掬い上げてと暫く遊んで離してから首筋に吸い付く。
 やはり強く吸っても痛がるだけで痕は残らず、頑丈な体質に驚かされるが…何となくイラつきもする。
 もしもだが…ダイチを創造した意思が存在するならば、そいつはクソみたいに独占的で過保護なくせに何処か嗜虐的なんじゃねぇかとも思う。
 もし、そんなモノがいたとしたら…間違いなくこいつは…。

「あんまり、変な奴に好かれんなよ。」

「それ今…言います…?」

「バカ、オレはまだマシな方だろ。」

 笑みが溢れた。
 人の事は言えないのかもしれないが、少なくともダイチを苦しめる気はない。
 まあ、溺れさせはしたいから多少の無茶はするかもしれんが…。
 そう思うとまた、可笑しさが込み上げて来て妙な気分になる。
 さっきから何だろうな、そんなに笑ったり楽しいなんて思う方じゃなかったんだが、これもこいつのせいか。

 気分の良さに甘えるように鼻先を肌に擦り寄せれば擽ったげにダイチが身を捩る。
 犬っころなんかが主人に甘えてるのを見た事があるが、こういう気分なんだろうか?
 もっと、もっと、欲しいって…意識せず肌に歯を立てて、首から鎖骨、胸板に腹と力加減をしながらも降りて行き、臍に来た辺りで髪を掴まれた。

「あ?」

 邪魔された事で幾分睨みように屈んだ態勢から見上げると恥ずかしいって全力で書いてるような、何とも他の奴には見せたくないって言葉が合うような表情で口許を戦慄かせたダイチがオレを睨んでる。
 そういう顔も良いなと、また煽ってんのかそうかって思考が脳裏を掠めながら原因を探れば簡単だ。

「ここも噛んで…舐めても良いか?」

「っ、あ…かんに決まってるやろっ!」

 刺激した事で再び復活しつつある陰部を視線で示しながら問えば拒絶の言葉が耳をつんざくが…まあ聞く気は更々、微塵もない。

「諦めろ。」

「あほー!もうっ…ぁ…ほんま、なんで…こんな…こと…にっ…」

 ベツァオが元凶だろう。とは言わず、腰をがっちり掴まえて竿の裏に舌を這わせ舐め上げればあからさまに動揺して頭を離そうと押し返されるが、力負けするような鍛え方はしてない。
 根元を片手で持ち、遠慮なく先端からしゃぶりついてと…思えば男のを咥えたのは初めてだったが何処が感じるなんて事は分かる。
 頭を動かして舌や歯で執拗に裏筋や亀頭、時折玉袋を指で刺激し続けてやれば落ちない奴がいるだろうか。
 しかも、人から与えられる性技に慣れてない奴なんか一溜りもない。
 そう踏みながらも感じるだけ感じれば良いと自分にしては熱心に奉仕していれば、小刻みな震えが徐々に大きくなり、態勢も前屈みにダイチが被さって来る。

「あぅく、もっ…やめ……ぁ、あ、ンッ……っ…ぅ」

 気持ち良すぎて辛いって感じなのか声も甘く、喘ぐような音も混じって来て堪らない。
 ここで止めたら男じゃねぇだろうがと更に喉奥に追い込んで圧迫も加えつつ、吸い上げてやる。

「あっ…くぅ、で…る…っん、離し…ヴィ…っ‥ゃ…め、ぁあ…!」

 良い子だからさっさと出せよって口に出来ない代わりに軽く歯を立ててジュルッて音が出るぐらいに強く吸えば呆気なく口の中に精液が広がった。
 苦いって聞いてたがそれ程苦さは感じず、寧ろ何となく甘いような…気のせいかもしれないがもう一度確かめたくなる味だった。
 不思議に思いながらも飲み下すと上から脱力したように体を預けられたんで先に支え、ついでなんでそのまま地面に横たわらせると自分の手で顔を覆ったダイチを屈んだまま見下ろす態勢になる。

「…大丈夫か?」

「信じ…られへん…っ」

 体力の限界かと思い心配になって覗き込んだがどちらかと言うと放心に近いらしい、思考停止してる間にブーツを脱がせ中途半端に脱がせた状態だった下衣を剥ぎ取ると流石に不審に思ったのかダイチがこちらを見上げて来る。

「ちょ、…ヴィーダーさん?」

「だから、オレはまだだって。」

「いや、まさか…無理、無理ですよ!」

「心配すんな…。」

 散々痛がらせたんで流石に最後まではしないで置いてやろうかと考えたのが分かったのか何処かホッとされて苛立ちもするが、最後までしなくても色々と楽しみ方ってのはある。
 オレは上機嫌でダイチの脚裏を持って広げさせた。
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