12 / 17
1.5章 会合
No.2 ゲンブ
しおりを挟む「来たか、」
『あなたは…』
「自己紹介が、まだじゃったな。ワシの名はゲンブ。お前の戦闘強化を担当する。」
『俺、いや私の名はフェルゴールです。よろしくお願いします、ゲンブ。』
「そんなに固くならんでもええわい。名前をちゃんと呼ぶのは、感心するのう。地球人の記憶が戻った当初は、レブキーのことをレブキー 『さん』と、訳の分からん呼び方をしておったからな。」
『そうです…ね。あとで、レブキーに謝ろうと思います。』
「…そうか、地球人らしい行動じゃの。」
「さて、御託はこれくらいにして…」
ごうっと、ゲンブから気迫が溢れ出す。
「始めようか、の…!」
『はは…』
(これは…すげえ…!)
「なに笑っとる。言っとくが、能力は使うんじゃないぞ。」
『…はい!』
(来るっ!)
ひゅっ…
ドンッ!!!
(速すぎる…!一瞬で…!)
「よく、防いだ…!」
『ぎ…!ぐううううう!』
(なんて…力、だ…!)
「ま、防げて当然か…!」
『うお、おおおお!!!』
「ワシ相手に力で競り勝とうなんざ…ふん!!」
ぶっ
ぱぱぱぱぱぱっぱぱぱぱぱっっっっっ!!!!!
『が…!!』
「百年早いわあああああああああっ!!!!」
(競り負けた上に、何発も…!)
『ぐあっ!…くっ…!』
一瞬意識が飛んだ…
死ぬかも、本当に…
「はよう立て、休むな。」
『っ!』
「どんどん、行くぞい。」
(寝てちゃダメだ…!蹴りが、飛んでくる!!)
「せらあらあああああああ!!!」
『あああああああ!!!!』
「ふん!」
(ガードが…)
「はあ!」
ドン!!
『くそっ…!』
「どうしたあ!!」
(考えろ…冷静になれ!俺は何を学んだ、ラヴェイラと戦って!あの時、俺は…!)
『すぅー…ふうううう…』
「せりゃあ!」
『シッ…』
(無駄な叫びは…)
ぱシィっ!
ばギィっ!
(スキを生む、だけぇぇぇええ!)
「く…!」
『ぐぅ…!』
クルクル…とすっ
ドサッ…
「ふむ、相打ちに持ち込んだか。悪くない。」
『はあ、はあ…』
「まだまだ、行くぞい!」
がっ!
ギリギリ…!!
『すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ…』
(競りで息を整えるか…)
「…!」
(腹が、空いとる)
がきっ!
「ぬ…」
(膝で…!)
『そこまで、油断して…ないですよ!』
ひゅっ
その瞬間、フェルゴールの体が宙に浮いた。
ドサッ!!
『がはっ!』
(強すぎる…ラヴェイラの比じゃない…。ここまでの差があるのか…くそっ)
強いのはわかっていた。
だが、ここまでとは。圧倒的だった。
悔しい。
ギリギリと拳を強く握りしめる。
すん…
遠い間合いを一瞬で詰められた
そして
「フン!」
ドッ--!
『が…!』
「立てい…」
『ぐ…』
すん…
(また…)
ドゴッ…!
「…!」
ドサッ…!
「やめじゃ。このままでは、主が壊れる。」
『はぁ…はぁ…』
「弱すぎる。」
なにも、できなかった。
「パワーが、足りん。」
ゲンブが俺を見据えて言った。
『はぁ…はぁ…!』
「鍛えるぞい」
『はい…』
「スピードもじゃ」
『はい…』
「技術も、実戦経験も、気迫も…」
『要する、に…全部ってことですね…』
「そういうことじゃ。」
『はい、頑張ります…師匠!』
「師匠か…ふむ。」
『あっ…すいま、せん…』
「ふぁは!悪くない、響きじゃ。悪くない。」
『はあ、』
「休憩は終わりじゃ!ついて来い!弟子よ!」
『はい…!』
「特訓は…これからじゃ。」
(デベルクがどこまで耐えられるか分からんが、せいぜい鍛えてやるとするかの。)
ゲンブは不敵にニヤリと笑った。
0
「VS Heroes-Who is justice?-」の7話を投稿しました。もう少しで1章が終わります。拙い文章ですが、よろしくお願いします。
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

黄金の檻 〜高慢な貴族連中を裏から支配するんでよろしく〜
とんでもニャー太
ファンタジー
上層と下層に別れる世界、腐敗と欲望が渦巻く帝都。
その暗闇から這い上がってきた男がいた。
下層街の情報屋カインは、その鋭い頭脳と狡猾な手腕で、帝国の権力構造に楔を打ち込んでいく。ローレン家令嬢セリアとの出会いを足がかりに貴族社会に潜入。やがて三大貴族家の対立を巧みに操り、自らの地位を高めていく。陰謀と裏切り、駆け引きが渦巻く帝都で、カインの野望は次第に大きくなっていく。
彼の最終目標は何なのか?
そして、彼の手によって帝国はどのような運命を辿るのか?
陰謀と権力争いに満ちた帝都を舞台に、一人の男の壮大な野望が幕を開ける――。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる