VS Heroes -Who is justice?-

淀野 愚

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1.5章 会合

No.2 ゲンブ

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「来たか、」
『あなたは…』
「自己紹介が、まだじゃったな。ワシの名はゲンブ。お前の戦闘強化を担当する。」
『俺、いや私の名はフェルゴールです。よろしくお願いします、ゲンブ。』
「そんなに固くならんでもええわい。名前をちゃんと呼ぶのは、感心するのう。地球人の記憶が戻った当初は、レブキーのことをレブキー 『さん』と、訳の分からん呼び方をしておったからな。」
『そうです…ね。あとで、レブキーに謝ろうと思います。』
「…そうか、地球人らしい行動じゃの。」

「さて、御託はこれくらいにして…」

ごうっと、ゲンブから気迫が溢れ出す。

「始めようか、の…!」
『はは…』
(これは…すげえ…!)

「なに笑っとる。言っとくが、能力は使うんじゃないぞ。」
『…はい!』
(来るっ!)

ひゅっ…


ドンッ!!!

(速すぎる…!一瞬で…!)
「よく、防いだ…!」
『ぎ…!ぐううううう!』
(なんて…力、だ…!)
「ま、防げて当然か…!」
『うお、おおおお!!!』
「ワシ相手に力で競り勝とうなんざ…ふん!!」

ぶっ
ぱぱぱぱぱぱっぱぱぱぱぱっっっっっ!!!!!

『が…!!』
「百年早いわあああああああああっ!!!!」
(競り負けた上に、何発も…!)

『ぐあっ!…くっ…!』

一瞬意識が飛んだ…
死ぬかも、本当に…

「はよう立て、休むな。」
『っ!』
「どんどん、行くぞい。」
(寝てちゃダメだ…!蹴りが、飛んでくる!!)

「せらあらあああああああ!!!」
『あああああああ!!!!』
「ふん!」
(ガードが…)
「はあ!」

ドン!!

『くそっ…!』
「どうしたあ!!」
(考えろ…冷静になれ!俺は何を学んだ、ラヴェイラと戦って!あの時、俺は…!)

『すぅー…ふうううう…』
「せりゃあ!」
『シッ…』
(無駄な叫びは…)

ぱシィっ!
ばギィっ!
(スキを生む、だけぇぇぇええ!)

「く…!」
『ぐぅ…!』

クルクル…とすっ
ドサッ…

「ふむ、相打ちに持ち込んだか。悪くない。」
『はあ、はあ…』
「まだまだ、行くぞい!」

がっ!
ギリギリ…!!

『すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ…』
(競りで息を整えるか…)
「…!」
(腹が、空いとる)

がきっ!

「ぬ…」
(膝で…!)
『そこまで、油断して…ないですよ!』

ひゅっ

その瞬間、フェルゴールの体が宙に浮いた。

ドサッ!!

『がはっ!』

(強すぎる…ラヴェイラの比じゃない…。ここまでの差があるのか…くそっ)

強いのはわかっていた。
だが、ここまでとは。圧倒的だった。
悔しい。
ギリギリと拳を強く握りしめる。

すん…

遠い間合いを一瞬で詰められた

そして

「フン!」

ドッ--!

『が…!』

「立てい…」

『ぐ…』

すん…

(また…)
 
ドゴッ…!

「…!」

ドサッ…!

「やめじゃ。このままでは、主が壊れる。」

『はぁ…はぁ…』

「弱すぎる。」

なにも、できなかった。

「パワーが、足りん。」

ゲンブが俺を見据えて言った。

『はぁ…はぁ…!』
「鍛えるぞい」
『はい…』
「スピードもじゃ」
『はい…』
「技術も、実戦経験も、気迫も…」
『要する、に…全部ってことですね…』
「そういうことじゃ。」
『はい、頑張ります…師匠!』
「師匠か…ふむ。」
『あっ…すいま、せん…』
「ふぁは!悪くない、響きじゃ。悪くない。」
『はあ、』
「休憩は終わりじゃ!ついて来い!弟子よ!」
『はい…!』
「特訓は…これからじゃ。」
(デベルクがどこまで耐えられるか分からんが、せいぜい鍛えてやるとするかの。)

ゲンブは不敵にニヤリと笑った。
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「VS Heroes-Who is justice?-」の7話を投稿しました。もう少しで1章が終わります。拙い文章ですが、よろしくお願いします。
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