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本編 めぐり逢い
第5話 550年後、今へ(前半)④
しおりを挟む御代鯉「おい…勘太郎…
恥ずかしがらず早くでてこいよ」
御代鯉さんは呆れ顔で
ぐいぐいと勘太郎様の手をひっぱっている
手をひっぱられてる勘太郎様は
勘太郎「出たくないっ!!
こんな格好似合ってない!」
必死に拒否し続け井戸にへばりついていた
勘太郎様…そんなに洋服が
気に入らなかったのかな?
少しショックだな…
それとも…‥…
くるっと
おじいさんの方に目を向けた
けど…
神様「いや、たしかに勘太郎君は
女装は似合うがわしは
女の子の服装にはさせておらんぞ」
目を見ただけなのに
あっさりと言われた
そんなにズバッといわなくても
いくらみんなが
いっても勘太郎様は
井戸から離れないので
御代鯉「あ~~も~~!!」
とうとう痺れをきらしたのか
御代鯉さんは…
御代鯉「さっさっと出てこいよ!
勘太郎!みんな待ってるぞ」
ぐいっ!
無理やり勘太郎様の
腕をひっぱり…
勘太郎「あ…おっ…おい!
そんなひっぱるな!」
ひっぱりだされた
勘太郎様はようやく
姿をみせた
勘太郎「…‥だから
あまり見せたくなかったのに
こんな髪型も服装も
初めてだから…」
「…‥……っ!」
洋服姿の勘太郎様がいつもと違う感じで、
私は場を忘れて見惚れてしまった
空羅「勘太郎さんすげー似合ってんじゃん!」
勘太郎「そ…そーか?なら安心した」
勘太郎様と空羅君の会話で
我に返った
ハッ…!!
私…みとれてた…?!
その後急に自分の頬が熱くなり
…私、おかしいのかな…
ドキドキする胸を自分の手でおさえた
あの時…
上司に叩かれそうな所
勘太郎様に庇ってくれた時から
勘太郎様を見ると
やけに胸が熱くなるし…
へんな動悸もするし…
今だって顔が熱い…
えまつ「お姉ちゃん大丈夫?」
私の様子に気づいたか
隣でえまつが心配そうに見ている
えまつの不安な顔を
見てたら…
「だっ大丈夫だよ
ほーら元気!元気!」
…いつまでも気にしてちゃ
だめだ!えまつが心配している
きっとこんなおかしいな症状は
いつかは治るよ!
神様「みんな
着替えたことだし…おーい
もう出発するぞーい!」
自分でおかしな症状を
勝手に判断したあと
おじいさんがみんなを呼んだ
えっ…まだ一人…
御代鯉さんの方を見ると
御代鯉「変化っ!!」
いつの間にか忍術で
洋服に変えていた
すっすごい…
忍術ってこんなことにも
役に立つんだね…
全員着替えたことを
確認するとおじいさんは
術を唱え時空間を作り上げ
神様「わしがつくった時空間に
入って出口まで歩けば
550年後の世界につくからの~」
簡単に時空間について説明した後、
私とえまつの方を向いた
神様「それからお嬢さん、
えまつちゃんは未来だと
有名人になってるから…」
ポケットからゴソゴソと
アメを取りだし
神様「550年後に着いたら
このアメを食べるんじゃぞ
そしたら行方不明人物だと
バレないから」
ぽんっと私の手のひらに
二つのあめをのせた
「ありがとうございます!助かります」
……そう言えば未来だと
行方不明者になってるんだっけ
ここでの生活がいっぱい
いっぱいだったから
スッカリ忘れてたな
神様「じゃあ!みんな
1日楽しんで来るんじゃぞ
夕方ぐらいには迎えにいくから
はぐれたりしないようにな」
「はーい!行ってきます!おじいさん」
いってきますの挨拶を
してから
こうして私たち六人と一羽は
時空間の中に入っていった
…………………………………………
…………………………………
…………………………
……時空間の中……
時空間に入って
15分ぐらいがたった
おあけが鼻歌まじりに
おあけ「ふっふ~ん楽しみだな
ここから出れば私が
知らない世界が広がってるのね」
御代鯉「あれっまだ550年後の世界に
いってなかったけ?でもまあ、
今回俺も来れてよかった」
おあけ「へ?どうして?」
おあけは疑問に思い、首をかしげると
御代鯉「どうしてって
そんなの決まってるじゃねーか
未来へ行ったお前の知らない
一面がみれるかもしれねーしな」
予測をしていない答えが
かえってきた
おあけ「な…何言って…」
御代鯉「今度はみんなとではなくて
俺と2人で未来にいくか?」
御代鯉は笑いながら
おあけの顔を覗き込んだため
おあけは…
おあけ「あっあははは…
やだな…御代鯉君たらっ
面白い冗談を~」
自分の顔が赤くなってるのを
バレないよう顔をそむけ
平然なふりをして話を続けた
そんな2人の会話の様子を
勘太郎は後ろからみていた
珍しいなあ…滅多に
赤くならないおあけ殿が
赤くなってる
さすが御代鯉、普段は
規則や守り事を破るくせして
好きな人となれば積極的なんだな
対して俺は…
まつか殿とは今だに上下関係だ
呼ぶときも「まつか殿」だし、
まつか殿も俺のことを
「勘太郎様」って呼ぶしな…
何度も呼び捨てでいいと
伝えたが……
前よりかはまつか殿から
話しかけられるようになったし、
信用もされている
でも…
ちらっ
隣で歩くまつか殿を横目でみた
…もう少し先の関係に
進みたい
例えば上下関係から友達に
進むとか…
友達から恋人同士になるとか
ああ…そう考えると俺って
欲深い人間なんだなって思う
信用されているってことでも
充分嬉しいことなのに…
日に日に欲がふくらむばかりだ…
まつかを見た後
ため息をつく勘太郎だった
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