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本編 めぐり逢い
第4話 作戦実行④
しおりを挟む話をしているうちに
みるみる二人の顔が
曇っていった…
…きっとこんな話しても
信じてくれないかな
…と思っていたけど
おあけ「まつか…本当に辛かったね
私もわかるよ…
親に愛されなかった気持ち…」
おあけちゃんはボロボロと
涙をこぼしていた
泣かないで…私
おあけちゃんが泣かせる
ために話したんじゃないよ
けど…こんな私のために
涙を流してくれるなんて
初めて……だ
勘太郎「何っ?!まつか殿を殺そうと
したうえに親が子を
愛さないとは何事か!!
許せぬ!!!」
………えっ…と
かっ勘太郎様?
異様にメラメラしてる
ような気がしますが…
おあけ「あらま、気のせいじゃないよ
まつか勘太郎様は曲がった
ことが大嫌いな人だから」
要するに…
曲がったことが嫌い
┃┃
正義感が強い
…ってことね!
なるほど~
…て納得するんじゃない!!
勘太郎「許せぬ刀のサビにしてやる!!」
「だっ大丈夫です!その正義感の気持ちだけで
十分です!」
勘太郎「ぬ…それでいいのか?まつか殿」
はい…もうその気持ちだけで
充分ですから…
勘太郎様、おあけちゃん
こんな私を思ってくれて
心配してくれて…
私は真っ直ぐふたりを見て
おあけ「まつか、どうしたの?」
勘太郎「まつか殿?」
「二人とも私の話を聞いてくれて
信じてくれてありがとう!」
笑顔でいった
おあけ「…やだなぁ~礼なんて
言われると照れちゃうよ」
少し頬を赤らめ笑うおあけちゃん
何だかとても可愛い…
勘太郎様は真剣な顔をして
勘太郎「まつか殿!もし何かあった時
俺かおあけ殿に助けを
求めるんだぞ!」
勘太郎様…
弱い身分でも
手を差し伸べてくれるなんて…
「はっはいっ!」
勘太郎様の優しさに
嬉しさと何故だかわからないけど
勘太郎に対して胸がドキリとした
本当に二人は心が優しいな…
おばあちゃんやえまつ以外
にも優しい人たちがいたなんて
もっと周りを見なきゃいけないね…
タイムスリップして
見知らぬ地に落とされ
一時はどうなるかと
思ってたけど
今は周りにこんなに
暖かい人たちが
いるからきっと大丈夫…
ありがとう
おあけちゃんと勘太郎様に
出逢えたことに本当に感謝
私…一日、一日この地で
えまつと精一杯生きるよ
だからこれからも
私とえまつを見ててね
ねえ……おばあ…
「……………」
……あれ?
この女の人誰だっけ…?
何て呼ぼうとした?
さっきまでこの女の人のこと
覚えていたんだけどな…
…………………………………………
…………………………………………
(神様side)
まつか達の様子を神様は
上空から見ていた
「……ついに来てしまったか」
…恐れていたことが
ついに来てしまったのう
あれほど自分の正体や
未来のことをこの時代の
人たちに教えるなと
念をおしていったのに
一番大切な人を最初に
忘れるとは…
バサッバサッ
おっ!あっちも来たな
「えまつちゃんの様子は
どうだったかな?
ぽっぽちゃん…あ、いや…」
「メルセデじゃったな」
メルセデ「…ぽっぽちゃんと呼んでください神様」
「よっぽどその名を気に入ってるようじゃの」
ショックじゃ…
せっかく時間を掛けて
名前を考えたのに、ぽっぽちゃんに負けるとは
「まあ…いい、ぽっぽちゃん
えまつちゃんの様子は?
何か忘れてることはないかの」
メルセデ「いいえ、えまつは何も忘れていなく問題
ありません…ただ…」
「ん?なんじゃ?良くないことがあるのか」
メルセデ「大ありですよ!!えまつと
仲良くしてる時、空羅に毎回
邪魔されるんですよ!絶対、えまつに
ホの字ですよ!けどえまつは私が守りますがね!」
凄い姑っぽいこと
いっとるな
「まあまあ落ち着け…とりあえずこの調子で
えまつちゃんを見守るんじゃぞ」
メルセデ「分かりました!えまつが心配なんで私
戻りますねそれと神様!」
「何じゃ?ぽっぽちゃん?」
メルセデ「神様はもう年なんですから
無茶はしないで下さいね」
「ああ、心配してくれてありがとうのぉ
…てまだ年じゃないぞ!!」
まだ1000年も
生きておらんわっ!
メルセデ「この前ようやくギックリ腰
治ったばかりでしょう…
それでは失礼します」
バササッ
ぽっぽちゃんは飛び去って
いった
…まったくぽっぽちゃんは
鋭い所を言いおって
心にグサッときたわ~
でもまあ…
お嬢さんの顔を見た
お嬢さんの
幸せそうな笑顔をみたら
忘れてもいいことが
あるかもしれんの…
わしも、もう少し様子を
見たらいくかの…
(神様side終わり)
………………………………………
………………
…………
勘太郎「あっそれともう一つ…」
ごそごそと勘太郎様は
着物の袖から書物を出した
勘太郎「まつか殿、おあけ殿
今日一日働いてみて良い所、
悪い所を記してみたが…」
えっ本当に?!
何かいいこと書いてあるかな?
ワクワクして
私とおあけちゃんは
書物をみたけど…
「「…………」」
書物を見て私達は固まった
書かれた内容は
悪いところばかりだった
しかも上司のことについて
良い所なんて、ひと~つ、ふた~つ
うん…2つしかない…(涙)
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