【完結】めぐり逢い

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本編 めぐり逢い

第1話 八年間の月日①

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バキッ  ドカッ

バチン!!



母親に何度も何度も殴られ、叩かれ、蹴られ、
罵声を浴びせられる。


痛い、苦しい…
私が何したっていうの?

口の中が切れて血の味がする。

妹に彼女の暴力が当たらないよう、
抱きしめて、なけなしの勇気で、
キッ!!と母親を睨んだ。

母親「あんたの目は死んだあの男とあの女に
似て忌々しいのよ!!」

なんでっ…私を叩くの…
こんな事するなら、どうして私を産んだの…?


母親「もし、誰かに言ってみろ
今度はあんただけじゃなく(えまつ)も殴るわよ!」

…そうはいくもんかえまつだけは…
守ってやる!!

母親「ふんっれ行ってくるわほんとに
こんなクソガキ…
 

生むんじゃなかった」


バタン!


そう言って彼女は夜のお仕事をする為、
家を出た。





………………………………………………………



…………………………………


………………………



ひっく、ひっく


妹のすすり泣く声…
私は妹を悲しい思いをさせる事しか
できないのか……

えまつ「ごめんなさい お姉ちゃんが
また…私のせいでお姉ちゃんが…」


「そんなこと言わないの
ほらっおやつ、さめちゃうよ。」

不安にさせないように、
明るい声を出すが、内心はえまつに対して、
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

ごめん…ごめんね。えまつ
こんな辛い思いをさせて…
お姉ちゃん失格だよ。


私まで悲しくなって、
泣きそうになったので、目頭を抑えようとしたが、

 
「……………」

自分の手をなんとなく見たら、
傷だらけで、血が流れていた。

自分の手を見て思った。
私はこのままいて良いんだろうかと…

…このまま何もしないで、
虐待を受け続けていたら…



この家に居たら…えまつも私も
きっと…母親に殺されるんじゃないのかって…


でも…一体どうすれば…


えまつ「おじいちゃんすごーい!これ手品?」

ん?えまつは誰と話してるの?
今は私とえまつ しか…


?「神わざじゃ♪こんなの
お茶の子さいさいじゃよ☆」


「………?!」
男の人の声!!
…家にえまつ以外の人いたっけ?


えまつの方へ振り向くと、

「!!」

高級そうな着物を着た男性が、
えまつと談笑していた。

呆然としていると2人は私を見た。


それと、えまつが抱えてる鳩…
(まー)って変な奇声をはっしてるよ!!


おかしい…

どこから入って来たんだ?
窓や鍵は締めてあるはず!

絶対、家に侵入するなんて無理…


まさか…まさか、
ニュースでよくある……

……すう(息を吸い込む音)
「で、出たぁ!変出者!」



???「いや、激しく違う!
それにお嬢さん、そんな物騒な
もの出さないでおくれ(汗)」


「嘘おっしゃぁぁぁい!!
避けてえまつ!!!」



躊躇なく私は片手にフライパン持ち、
変質者に殴りかかった。








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