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異世界でお菓子屋さんを開きました 最終章
番外編 何もかも失った哀れな鬼②
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…………………………………………
番外編 何もかも失った哀れな鬼②
…………………………………………
※焔火と雛美火の会話が続きます。
…………………………………………
雛美火「………他人の気持ちを聞き入れる……」
焔火「分かったな…それがお主が足りなかった物だ」
雛美火「ははっ…そういう事か…
だからシリンヌ王子も…あんな風に
言っていたんだな…後悔するって…」ガクッ
焔火「………雛美火……」
雛美火「…本当に…後悔と懺悔しか
残っていない…俺に…こんな日が来るとは…
ふっ…ふふぅ…グスッ…」
焔火「やっと…気づいたか…
その気持ち…一生忘れるではないぞ」
……………………………………………
…………………………………………
………………………………
嗚咽をあげながら、泣き続ける雛美火を
焔火はジッと見つめていた。
けれど見つめる表情は
最初と打って変わって、
穏やかに笑みを浮かべていた。
そんな時…
パァァと焔火が首にかけている
ペンダントがいきなり光りだした。
雛美火「なんだ…この光は?」
焔火「…おっと…時間のようじゃな
雛美火…別れの時じゃ…」
雛美火「……っ父上…いやだ…」
焔火「…今度は誤った道に行くんじゃないぞ。
さようなら雛美火…」
雛美火「父上っ!!」
引き止めようする雛美火と反対に
焔火は笑顔のまま、
ペンダントの光と共に
瞬間移動の様に消えていった。
シーン…
焔火がいなくなり、
辺りが静まり返る牢獄。
雛美火「……あーあ…
俺…一人ぼっちだな…
あの頃に戻りたい……」
ぼそっと呟いた後、
雛美火は膝を抱えこみ咽び泣いた。
…………………………………………
………………………………
……………………………
……………………
一方、焔火はペンダントの力で、
牡丹城の最上階へ瞬間移動をした。
そう…武虎が眠っている部屋に。
焔火「………武虎…」
ゆっくりと近づき、
彼女が閉じ込められたガラス瓶に
手で触れる。
焔火「………全て終わったぞ
もう…脅かす者はいない…
後は…お主の目覚め……!!……」
ビシッ!!
言葉を遮る様に突然、
ガラス瓶にヒビが入り、
パリンッ!!!
…と音をたてながら粉々に割れた。
焔火「武虎!!」
ガラス瓶から飛び出た武虎を
慌てて焔火は受け止める。
ポスッ!
焔火「…ふぅ…危ない所だった…」
武虎「………うぅ………」
焔火「………えっ…武虎…?」
微かにうめき声が聞こえ、
武虎の顔をみると、
武虎「………国王…様…?」
ゆっくりと目を覚まし、
開いた薄紫の瞳は焔火を捉えていた。
18年の長い年月…
焔火が待ち望んでいた事が
やっと、現実になった。
焔火「武虎っ…
戻ってきてくれてっありがとうっ…
ありがとう…」
ガバッ!
もう2度と離さない。
そんな想いで焔火は武虎を
力強く抱きしめた。
→次回、最終話へと続く。
番外編 何もかも失った哀れな鬼②
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※焔火と雛美火の会話が続きます。
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雛美火「………他人の気持ちを聞き入れる……」
焔火「分かったな…それがお主が足りなかった物だ」
雛美火「ははっ…そういう事か…
だからシリンヌ王子も…あんな風に
言っていたんだな…後悔するって…」ガクッ
焔火「………雛美火……」
雛美火「…本当に…後悔と懺悔しか
残っていない…俺に…こんな日が来るとは…
ふっ…ふふぅ…グスッ…」
焔火「やっと…気づいたか…
その気持ち…一生忘れるではないぞ」
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嗚咽をあげながら、泣き続ける雛美火を
焔火はジッと見つめていた。
けれど見つめる表情は
最初と打って変わって、
穏やかに笑みを浮かべていた。
そんな時…
パァァと焔火が首にかけている
ペンダントがいきなり光りだした。
雛美火「なんだ…この光は?」
焔火「…おっと…時間のようじゃな
雛美火…別れの時じゃ…」
雛美火「……っ父上…いやだ…」
焔火「…今度は誤った道に行くんじゃないぞ。
さようなら雛美火…」
雛美火「父上っ!!」
引き止めようする雛美火と反対に
焔火は笑顔のまま、
ペンダントの光と共に
瞬間移動の様に消えていった。
シーン…
焔火がいなくなり、
辺りが静まり返る牢獄。
雛美火「……あーあ…
俺…一人ぼっちだな…
あの頃に戻りたい……」
ぼそっと呟いた後、
雛美火は膝を抱えこみ咽び泣いた。
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一方、焔火はペンダントの力で、
牡丹城の最上階へ瞬間移動をした。
そう…武虎が眠っている部屋に。
焔火「………武虎…」
ゆっくりと近づき、
彼女が閉じ込められたガラス瓶に
手で触れる。
焔火「………全て終わったぞ
もう…脅かす者はいない…
後は…お主の目覚め……!!……」
ビシッ!!
言葉を遮る様に突然、
ガラス瓶にヒビが入り、
パリンッ!!!
…と音をたてながら粉々に割れた。
焔火「武虎!!」
ガラス瓶から飛び出た武虎を
慌てて焔火は受け止める。
ポスッ!
焔火「…ふぅ…危ない所だった…」
武虎「………うぅ………」
焔火「………えっ…武虎…?」
微かにうめき声が聞こえ、
武虎の顔をみると、
武虎「………国王…様…?」
ゆっくりと目を覚まし、
開いた薄紫の瞳は焔火を捉えていた。
18年の長い年月…
焔火が待ち望んでいた事が
やっと、現実になった。
焔火「武虎っ…
戻ってきてくれてっありがとうっ…
ありがとう…」
ガバッ!
もう2度と離さない。
そんな想いで焔火は武虎を
力強く抱きしめた。
→次回、最終話へと続く。
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