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異世界でお菓子屋さんを開きました 最終章
第9話 ゴールの手前②
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第9話 ゴールの手前②
……………………………………………………
「………手紙を読むだけなのに…
緊張してきたぁ~」
3人とも…どんなお返事を書いて
くれたのかな?
私が送った手紙は
3人の様子と私は大丈夫だよ的な感じで…
些細な事しか書いてないから、
きっと向こうも軽い感じのはずだ
うん…そうに決まってる。
ドギマギしながら、
お返事の付箋を読み始める。
カサッ
「…………ひぇっ……」
…が付箋に書かれている内容は
予想とは遥かに異なり、
初っ端から文字数の多さに
声を漏らしてしまった。
「…とりあえず…よっ読もうか…」
まずは、母さんが書いた付箋から…
…やっぱり母さんは、
私が無理をしていた事に怒っていた。
…ごめんさない母さん…
お互いに無理をしないって、
約束をしていたのに…
…私が母さんの性格を
受け継いでしまったばかりに…
あの世行きだなんて洒落にならないよね。
…と…まぁ…言い訳は置いといて
うん…わかった。
もう…無茶な行動はしない。
無理もしない。
動く前に必ず相談するよ。
…あぁ…なんだか母さんの声が
和菓子が恋しいな…
ねえ母さん…この世に戻ったら…
おかえり!頑張ったね真澄!って
言ってほしい。
頭を撫でて欲しい。
手作りお菓子を添えながら
母さんと一緒にお茶したいな…
旅行も黒夜ちゃんと3人で、
一緒に行こう。約束ね。
…ただ、1つ気になった点が…
「オキニス…『王子』?」
オキニス君の仕事は、
確か王国の騎士だったような…
…まさか…ね?
きっと、シリンヌ王子と
間違えたんだろう。
雛美火さんに追いかけられた時、
あの場にいた王族は
シリンヌ王子だけだったし…
そうだよね?きっと…
カサカサ…パタン
母さんの付箋が読み終わり、
続いては黒夜ちゃ……じゃなくて
父さんの付箋を読む。
父さんは…私を気遣い、謝る内容だった。
謝る事なんて1つもないのに…
私を最後まで守ってくれた。
狐姿の父さんと出会った頃、
初めから懐かれていたから、
てっきり、人間慣れしているのかなと
思っていた。
そうじゃなかった。
私と母さんが家族だから、
気に掛けてくれたんだね。
てっきり『あの人』が血縁上の父だと
今まで認識していたから…
色々と話を聞きたいな…
父さん自身について
母さんとの馴れ初めとか
…本当のお父さんかぁ
…会えるの楽しみだな。
カサカサ…パタン
黒夜ちゃんもとい、
父さんの手紙も読み終わり、
最後は…
「オキニス君の手紙かぁ
勇気がいるな…」
だって好きな人からの手紙だなんて…
見るのに勇気がいる。大丈夫っ
きっと他愛ない内容でしょ!
バッと勢いよく付箋を表にして
内容を見る
「…………」
あっ…クモード王国と牡丹王国の事が
書かれている。良かった…亀裂がなく
復興作業が行われているのね。
ヨーグルさんやピンキーさんの様子も
書いてくれてありがたい。
ヨーグルさん、旦那のダークさんと、
お互いに支えながら、お店を切り盛り
しているのね。彼女が作ったチーズと
ヨーグルトが恋しくなったな。
ふむふむ…ダージリンさんと
ココレットちゃんが
良い雰囲気に…ダージリンさん…
報われて良かったですね。
えっ?!ピンキーさんが妊娠?!
相手はシリンヌ王子!
ピンキーさん大丈夫かな?
今度、果物をふんだんに使った
お菓子を持って彼女に会いに行こう。
私がいない間、色んな事が
起きていたのね。
…ありがとうオキニス君
分かりやすく状況を教えて
くれて……えっ……
付箋の最後の部分の内容に驚き、
思わず目を閉じてから見直した。
…みっ見間違えじゃなかった////
言葉がストレート過ぎる…
あっ愛していますだなんて…
そう言えば、あの世に行く間際、
最後だと思って…彼に告白して
しまったよね。私…
うわっ恥ずかしい!!
思い出すだけで無理!!
穴があったら入りたい!!
……だけど…
ねぇ…オキニス君
……これは…期待していいのかな…
私も貴方に会いたいです…
貴方の声が聞きたいです。
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