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異世界でお菓子屋さんを開きました 最終章

間話 恋心と異なる認識②

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間話  恋心と異なる認識②

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武虎「……もしかしたら、
国王様のお兄さん夫妻
…亡くなっているかも知れません。」



えっ…亡くなっている…?!

この世界の妖怪は肉体的に強靭で、
ちょっとやそっとでは死なない。
1,500~2,000年ぐらい生きるって

以前、ピンキーさんに教えてもらった。

オーロラ「妖怪が死の多くは
確か『呪い』か『病気』…
でもそれは稀の場合。

普通の妖怪でも1%に満たないわ。
王族となると生命力や妖気も遥かに
あるから…任期中に死ぬなんて
本来あり得ないことよ…」

ありがとうオーロラさん!
妖怪の詳細内容を教えてくれて、
また1つこの世界の知識を得る事が
できました!

何故、武虎さんは
国王様のお兄さん夫妻が亡くなっていると
判断したんだろう。

教えて武虎さん!

オーロラさんも私と
同じ事を思っていたのか、
同じ動作で武虎さんの方をバッと見る。

その動作を見て武虎さんは、
ビクッと肩を振るわせた。

身長高いのに、その仕草は小動物みたいで
可愛い。


武虎「えっ…えーと…私が生きていた頃
国王様…花束と線香と蝋燭を
持っていたんですよ

それで、何処かへ行くんですか?
と聞いた所…」


聞いた所…
果たして焔火国王はなんて答えたのか?


ゴクっと息を呑む。

オーロラ「聞いた所…なんて答えたの?」

武虎「はい…国王様は『大切な人達の所へ
お参りしに行くんじゃよ』と言っていました。

月2回ぐらい…花束を持っていたので…
もしかしたら…」

一人称じゃなくて、複数人をさしている
『大切』と言っているし…

国王様のお兄さん夫妻の確率大!

オーロラ「もし、武虎ちゃんの見立てが
正しいなら…よしっ…あれを使いましょう!」

オーロラさんがバックから
ゴソゴソと『何か』を取り出した。

武虎「!!オーロラ先輩!
それは…『パンド国王の便箋』
たしか…天国の転生試練に
クリアした人だけ得られる…

もしかして…」


オーロラ「ええ…試練にクリアして、
ついに『転生』する機会を得たの

真澄さんはこの便箋の事は…
知らないよね」

「はい…『パンド国王の便箋』って
何ですか?」

便箋はキラキラした空色で、
とても綺麗…使うのが何だか勿体無い。

オーロラ「この便箋はね、パンド国王に3つまで質問できるの。これで牡丹王国関連の事を解決させるわよ!」

オーロラさんは一枚便箋を取り出した。


武虎「まずは「国王様のお兄さん夫婦の
生死について」ですよね。
あと2つはオーロラ先輩と真澄さんが」

オーロラ「じゃあ、私は
…慕えていたシルク様とシリンヌ王子は、
元気にしているかどうか…かな

残りの1つは真澄さんが決めていいよ」

「…ありがとうございます
私は…両親とオキニス君の様子を
教えてほしいですかね…」


オーロラ「わかったわ
さっそく、質問内容を書いて…と」

カリカリと便箋に質問内容を書き、


オーロラ「よしっ….これでOK!」

便箋に内容を書き終えると、
便箋を二つに折り封筒に入れる。

封をして、両手で封筒を空へ上げると…

 
封筒はふわっと浮かび上がり、
空へとだんだん上がっていく。


そして…


途中でふっと封筒は消えた。


オーロラ「後は…パンド国王から
返事を来るのを待つだけね

さてと…返事が来るまで…私達は」

武虎「はいっ足を進めましょう!
休憩は一旦終了ですね!

続きは歩きながら話します!」

「はいっお願い致します
オーロラさん、武虎さん」

お互いに頷き、
立ち上がり再び歩き出した。


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