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異世界でお菓子屋さんを開きました 最終章
第4話 ある鬼と従者の物語①
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第4話 ある鬼と従者の物語①
………………………………………………………………
あれから…
悪霊と目があったら、
すぐに逃げたり、
むやみにあの世の植物を
触らないと決めて、
問題を起こさない様に、
私達なりに気を付けた。
ガササッ!
武虎「…!!みんな息を潜めて
茂みに隠れてください。
悪霊が近くにいます(小言)」
オーロラ「わかったわ(小言)」
「ラジャー!(小言)」
武虎さん筆頭に抜足、差し足と、
少しずつ道を進めて…
そのお陰で私達3人は、
周囲の主に敏感になった。
…なんだか、こんな事思うのは
不謹慎かもしれないけど、
スパイ映画に出てくる主人公みたい…
色んな事に気を張って、
道のりを進めた事により、
全体の2/3まで進める事ができた。
オーロラ「はぁはぁ…結構、歩いたわね」
「……ぜぇ…ぜぇ……水」
武虎「ふっ2人とも大丈夫ですか?!
ごめんなさい、私のスピードで
進めてしまって…
休憩にしましょう!!真澄さんは
さっき、道の駅で買った飲み物で
喉を潤してください。」
「あっ…ありが…とうございます…」
武虎さんから飲み物を受け取り、
ごくごくと勢いよく飲む。
いっ…生き返ったー…
オーロラ「ふー…運動の後の冷たい水は
美味しいわねー…」
「はい…最高です…
ここは飲食できて良かったです。」
さすがに歩き続けるのは、
生きている人間も幽霊も疲れるので、
休憩する事に…
こんなにすぐ疲れてしまうなんて…
…あまりの体力の無さに落胆する。
クモード王国に戻ったら、
体力作りの為、ジョギングをしようかな。
…それにしても…
ちらっと武虎さんの方を見た。
武虎さんは涼しい顔で、
オーロラさんに食べ物を
渡していて、疲れの色が一切見えなかった。
オーロラ「武虎ちゃん…貴方とても体力が
あるのね…羨ましいわ…」
武虎「…実は…生きていた頃は、
男装をしていまして…男性になりきる為、
体力をつけていました。」
「……………」
男性になりきる為…
武虎さんは女性なのに…
男装しなければならない理由が
あったのかな?聞きたいけど…
何か訳ありだし、
別の話題に変えた方が良いよね。
そう思い、口を開こうとした時、
武虎さんの方が一足早かった。
武虎「…ちゃんと、私の過去を話さないと
いけないですね…」
「武虎さん…あのっ…」
武虎「2人はご自身の事を話したのに…
私だけ話さないなんて、狡いじゃないですか…それに…」
彼女はじっ…と私を見据えて、
こう言った。
武虎「真澄さんにはこの世に戻って、
雛美火様に伝えて欲しいんです。
私の【想い】を…
だから、お願いします。
私の話を聞いて下さい」
「……武虎さん…」
「真澄さん…折角だし、
お話を聞きましょう!
雛美火さんの考え方を変えさせる
良いヒントが得られるかも
しれないわ」
雛美火さんの考え方を…
変えるチャンス…
彼が考え方を変えたら、
きっと、桜貝町の残状が二度と
起きないかもしれない…
それなら…!!
「……武虎さん、お願いします。
貴方の事を知りたいです。
私、貴方の【想い】を必ず雛美火さんに
伝えます。」
武虎「ありがとう…真澄さん
じゃあ…」
武虎さんは口をつぐみ、
目を閉じて、大きく息を吸い込んだ。
武虎「少し長くなりますが、聞いて下さい
…私が雛美火様と出会ったのは
25年前です…
まだ、雛美火様が人間嫌いの頃でした」
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