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異世界でお菓子屋さんを開きました 最終章

第1話 あの世とこの世の狭間②

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第1話 あの世とこの世の狭間②

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オーロラ・オリベ

彼女は、とある金持ちの家で
メイドとして、働いていたとの事。

が…金持ちの家は色々と
裏では危ない事をしていた事により、
後ほど、明るみになり一族は滅亡。

働く場所がなくなった彼女は、
別の場所で数年働いた後、

やがて、結婚して子供を1人でき、
家族と幸せな日々を過ごしていた。

だけど…彼女は人間、
老いには抗えず、

夫と一人息子を残し
…老衰でこの世をさった。

心残りは、夫と息子が気掛かり。
特に夫には自身の事は忘れて、
幸せになって欲しいと…
そう願って…

享年82歳。


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オーロラ「……と…言うわけです!
よろしくね!真澄さん」

オーロラさんの一生を聞き、
握手を交わした。

私も簡単な自己紹介をしようと
名前を言いかけたが…

「よろしくお願い致します
私の名前は……えつ?!
今、82歳と言いました?!」

そう…彼女は82歳と言ったのだ。

失礼だと思うけど、
彼女の全身を二度見してしまった。

うん、どう見ても10代後半しか、
見えない…こんなの年齢詐欺だ。

私に気を遣って…
本当はもっと若くお亡くなりに
なったんじゃ…

驚愕な表情にオーロラさんは気付き、 
見た目が若い理由を教えてくれた。


オーロラ「亡くなっている人の場合、
1番の思い出に残っている時の姿になるの

私の場合だと『17歳』が
思い入れがあったから…
見た目が若くなっているの」

「なるほど…そう言う事でしたか」
 
オーロラ「早死にした訳ではないし、
老衰でポックリ逝ってしまっただけ
だから、安心して!」

「………はっ…はい
長生きで安心しました?」

…人の死因を聞いた場合、
こんな答え方で良いんだろうか。

きっと…大丈夫だよね。


それより、まだ私の自己紹介を
オーロラさんに、していなかった。

「あのっ、途中で遮って失礼しました。
私の名前は新川真澄と言います。
異世界の日本という国の出身で、
今は、クモード王国に暮らしています。

趣味は『お菓子作り』です。
改めまして,よろしくお願い致します。
オーロラさん」

…自己紹介はこんな感じで良いかな?


オーロラ「まあ、異世界の方なんですね
クモード王国も懐かしい…
シラトス王国と仲が良かったわ

それに「お菓子」……
140年後の世界では、新しい料理が
あるのね。ねえ、真澄さん…」


「はい何でしょう?オーロラさん」

オーロラ「その…お菓子について
詳しく、教えて貰えない?」



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オーロラ「ご飯じゃなくて
…嗜好品の為に作られるのね…珍しい
『アップルパイ』と言うお菓子、
食べてみたいなぁ」

「はい、そうなんです!
もし、ここに材料と台所があれば、
オーロラさんにも、お作りしますね。
アップルパイ!」

オーロラ「うふふ、ありがとう
真澄さん。あ、それと『オペラ』と言う
お菓子も気になるわ」

お菓子の話に花が咲き、
次のお菓子の説明を

「ええっと…『オペラ』というお菓子は…」

始めた時に、


???「あっ!!いました!
オーロラ先輩!」

凛としたハスキーボイスが
聞こえてきた。

声をした方へ振り向くと、
赤茶色の短髪、黄緑色の作業着をきた、
美丈夫が手を振りながら、
駆け寄ってきた。


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