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異世界でお菓子屋さんを開きました 第三章 本編(和菓子編 後半)
第16話 雛美火・紅という男②
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第16話 雛美火・紅という男②
………………………………………………………………
シリンヌ「呉紅店主…貴方は安全な場所へ
怪我をしている人々を手当てしてくれ
皆、貴方の助けを待っている」
呉紅店主「!!……シリンヌ王子…
『こんな男』の相手をするくらいなら…
町の仲間を助ける事が一番ですわ
ありがとうございます
目が覚めました」
シリンヌ「うむ、よろしく頼むな」
シリンヌ王子は翼を羽ばたかせ
地面に着地して、呉紅店主を下ろした。
呉紅店主「この御恩、一生忘れません
皆さん、どうかご無事で」
「呉紅店主こそ、もう、
無茶しないで下さいね!」
私の掛け声とともに
彼女は、にこって微笑むと
後ろを振り向くと
タッタッタッと走り出した。
やがて、呉紅店主が見えなくなると、
雛美火さんから
ダンッ!
…と足踏みの音がした。
雛美火「……シリンヌ王子…
何故…ここに俺がいると分かった」
シリンヌ「…いや、お前がいるとは
知らなかった だが、ダージリンから
桜貝町にいると連絡を受けて戻ってきた」
雛美火「…余計な事を…」
キッとダージリンさんを睨みつける
雛美火さんに対して、
ダージリンさんは
どこか吹く風、
ダージリン「間に合って…良かったぜ
シリンヌ王子がいなかったら
危なかった」
シリンヌ王子の存在が大きいのか
安心しきっていた。
ダージリン「変化!!」
そして、人間サイズになり、
ダージリン「シリンヌ王子!これを受け取れ」
シリンヌ王子に向かって、
何かを投げた。
パシッ!(取った音)
シリンヌ「これは…一体?」
ダージリン「それ、雛美火王子の弱点!
袋の中身を思いっきり投げろ!」
シリンヌ「ありがとう!義弟!!
さてと…」
シリンヌ王子は雛美火さん対し、
悲しげな表情をして こう言った。
シリンヌ「雛美火王子、お前は
一国の王子でありながら、
己の欲の為に人の命を簡単に奪い、
町を破壊するとは…
あまりにも身勝手過ぎないか?
さすがの俺でもそこまではしないぞ」
雛美火「……父上も従者も皆、邪魔するからだ
何故反対する?俺はただ真澄さんと
一緒に居たいだけなのに…
人間の彼女を好きになるのは
いけない事なのか?
お妃にして牡丹王国に留まらせる事が
何が悪い…」
……雛美火さん…私の事…
嫌いじゃなかったんだ。
『好き』…私がオキニス君を想う気持ちと
同じ…
……今までの不可解な行動は、
私を好きだから……
……でも…
シリンヌ「そうか…真澄さんが好きだから
このような騒動を起こしたのか
だが…真澄さんや町の人々の
言葉に耳を傾けたのか?
何故、欲の為だけに関係ない人々を
巻き添えに殺戮に走る
今のお前は、殺戮を楽しむ化け物みたいだ」
雛美火「……………」
町の人たちは関係ない…
お城の従者も関係ない人達だっている
シリンヌ王子の言う通り、
今の雛美火さんは破壊と殺戮を
楽しんでいる様に見えて本当に怖かった。
シリンヌ「雛美火王子…俺もお前と同じく、
少し前に気持ちを無視して、好きな人を
自国へ連れて行って妃にしようとしたんだ
でも…それは間違いだった」
ダージリン「……シリンヌ王子…」
シリンヌ「あの時、ダージリンや真澄さん、
クモード王国の役所の皆さんが
止めに入らなかったら、
俺が彼らの言葉を聞かなかったら、
好きな人…ピンキーは一生、
俺に心を閉ざしたままだったし、
クモード王国とシラトス王国の関係に
ヒビが入っていたかもしれない」
オキニス「えっ…そんな事があったんですか?!」
シリンヌ王子はオキニス君の方を振り向き、
両手をあわせ謝った。
シリンヌ「ここまで、言えば
俺がお前に対して伝えたい事は分かるよな
……だから、雛美火王子…
今からじゃ遅くない!もう暴れるのはやめろ、
人の言葉に耳を傾けろ!
欲だけを追い続けると何もかも失うぞ」
自身の経験の元を必死に説得する
シリンヌ王子、彼の言葉で雛美火さんが
改心するように心の中で祈った
……が、
雛美火「……だからどうした?」
雛美火さんには全然響いていなかった。
雛美火「他がどうなろうが、
俺には関係ない、どうでもいい
真澄さん さえ居れば何も要らない
真澄さんがどんな気持ちでも
俺には知った事ではない」
シリンヌ「……………」
雛美火「だから、邪魔するな!!」
そう言うと雛美火さんは、
シリンヌ王子に向かって
炎を出して走り出した。
シリンヌ「だめだ…これは…
戦うしかないのか…なら
俺も容赦はしないぞ」
第16話 雛美火・紅という男②
………………………………………………………………
シリンヌ「呉紅店主…貴方は安全な場所へ
怪我をしている人々を手当てしてくれ
皆、貴方の助けを待っている」
呉紅店主「!!……シリンヌ王子…
『こんな男』の相手をするくらいなら…
町の仲間を助ける事が一番ですわ
ありがとうございます
目が覚めました」
シリンヌ「うむ、よろしく頼むな」
シリンヌ王子は翼を羽ばたかせ
地面に着地して、呉紅店主を下ろした。
呉紅店主「この御恩、一生忘れません
皆さん、どうかご無事で」
「呉紅店主こそ、もう、
無茶しないで下さいね!」
私の掛け声とともに
彼女は、にこって微笑むと
後ろを振り向くと
タッタッタッと走り出した。
やがて、呉紅店主が見えなくなると、
雛美火さんから
ダンッ!
…と足踏みの音がした。
雛美火「……シリンヌ王子…
何故…ここに俺がいると分かった」
シリンヌ「…いや、お前がいるとは
知らなかった だが、ダージリンから
桜貝町にいると連絡を受けて戻ってきた」
雛美火「…余計な事を…」
キッとダージリンさんを睨みつける
雛美火さんに対して、
ダージリンさんは
どこか吹く風、
ダージリン「間に合って…良かったぜ
シリンヌ王子がいなかったら
危なかった」
シリンヌ王子の存在が大きいのか
安心しきっていた。
ダージリン「変化!!」
そして、人間サイズになり、
ダージリン「シリンヌ王子!これを受け取れ」
シリンヌ王子に向かって、
何かを投げた。
パシッ!(取った音)
シリンヌ「これは…一体?」
ダージリン「それ、雛美火王子の弱点!
袋の中身を思いっきり投げろ!」
シリンヌ「ありがとう!義弟!!
さてと…」
シリンヌ王子は雛美火さん対し、
悲しげな表情をして こう言った。
シリンヌ「雛美火王子、お前は
一国の王子でありながら、
己の欲の為に人の命を簡単に奪い、
町を破壊するとは…
あまりにも身勝手過ぎないか?
さすがの俺でもそこまではしないぞ」
雛美火「……父上も従者も皆、邪魔するからだ
何故反対する?俺はただ真澄さんと
一緒に居たいだけなのに…
人間の彼女を好きになるのは
いけない事なのか?
お妃にして牡丹王国に留まらせる事が
何が悪い…」
……雛美火さん…私の事…
嫌いじゃなかったんだ。
『好き』…私がオキニス君を想う気持ちと
同じ…
……今までの不可解な行動は、
私を好きだから……
……でも…
シリンヌ「そうか…真澄さんが好きだから
このような騒動を起こしたのか
だが…真澄さんや町の人々の
言葉に耳を傾けたのか?
何故、欲の為だけに関係ない人々を
巻き添えに殺戮に走る
今のお前は、殺戮を楽しむ化け物みたいだ」
雛美火「……………」
町の人たちは関係ない…
お城の従者も関係ない人達だっている
シリンヌ王子の言う通り、
今の雛美火さんは破壊と殺戮を
楽しんでいる様に見えて本当に怖かった。
シリンヌ「雛美火王子…俺もお前と同じく、
少し前に気持ちを無視して、好きな人を
自国へ連れて行って妃にしようとしたんだ
でも…それは間違いだった」
ダージリン「……シリンヌ王子…」
シリンヌ「あの時、ダージリンや真澄さん、
クモード王国の役所の皆さんが
止めに入らなかったら、
俺が彼らの言葉を聞かなかったら、
好きな人…ピンキーは一生、
俺に心を閉ざしたままだったし、
クモード王国とシラトス王国の関係に
ヒビが入っていたかもしれない」
オキニス「えっ…そんな事があったんですか?!」
シリンヌ王子はオキニス君の方を振り向き、
両手をあわせ謝った。
シリンヌ「ここまで、言えば
俺がお前に対して伝えたい事は分かるよな
……だから、雛美火王子…
今からじゃ遅くない!もう暴れるのはやめろ、
人の言葉に耳を傾けろ!
欲だけを追い続けると何もかも失うぞ」
自身の経験の元を必死に説得する
シリンヌ王子、彼の言葉で雛美火さんが
改心するように心の中で祈った
……が、
雛美火「……だからどうした?」
雛美火さんには全然響いていなかった。
雛美火「他がどうなろうが、
俺には関係ない、どうでもいい
真澄さん さえ居れば何も要らない
真澄さんがどんな気持ちでも
俺には知った事ではない」
シリンヌ「……………」
雛美火「だから、邪魔するな!!」
そう言うと雛美火さんは、
シリンヌ王子に向かって
炎を出して走り出した。
シリンヌ「だめだ…これは…
戦うしかないのか…なら
俺も容赦はしないぞ」
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