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異世界でお菓子屋さんを開きました 第三章 本編(和菓子編 後半)
過去話 黒夜と緑④※閲覧注意
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……………………………………………………………
過去話 黒夜と緑④※閲覧注意
※黒夜side
………………………………………………………………
それから数日間、
僕らは【契り】を交わし続けた。
緑が薬の効果で動く事が出来ないうちに
声が出せないうちに、
僕の熱を緑の中に何度も吐き出した。
『やっと緑に触れられた』
『これで緑は僕のもの』
『産まれてくる子供が楽しみだな』
あの時は、怒りと嫉妬にかられ
自分の事しか考えていなくて…
大切な彼女を傷つけた事に、
気付いたのは…薬の効果が薄れ…
緑「…….黒…夜君…君の気持ちは
充分…分かったから……」
「………っ!!」
か細い声で、
僕の手を弱々しく握った時だった。
緑「お願い……もう…やめて…」
緑はよろよろと起き上がり、
泣き腫らした瞳で僕をじっと見た。
気付いた時には既に遅く
身体を見ると僕が付けた噛み跡や鬱血痕が
びっしりあって…
……とても痛々しかった。
「みっ緑っ…僕、そんなつもりじゃ…
ごめんっごめんなさい!」
すぐに行為をやめ、
緑に着物をかけ、抱きしめた。
…謝ったって、抱きしめたって
もう遅いのかもしれない
…好きなのに…大切なのに…
傷を付けて…どうして僕は……
これじゃあ、緑の両親と変わらないじゃないか
……何やってるんだ僕は……
緑「よっ…良かった…いつもの黒夜君に
戻った…よかっ…」
彼女は笑みを浮かべ、そのまま…
ぽすんっ
緑「すぅ……すぅ……」
僕の腕の中で眠ってしまった。
安心しきった笑みを浮かべて…
「緑ぃっ…ぅぅ……」
穏やかに眠る彼女を見て、
ボロボロと涙が溢れた。
傷つけてごめん…
緑は僕の為に別れを告げたのに…
僕の未来を思って…
でも、僕…
緑と離れ離れになりたくない
僕じゃない男に触れられて、
その男と家庭を作るなんて
とても嫌だし…許せない
「……許して…緑」
……もう、僕は緑 無しじゃ
生きられないんだ。
ごめん…本当にごめん
緑を布団に横たわせ、掛け布団をかけ、
僕も同じ布団に入り目を閉じた。
……………………………………………………………
……………………………………………
………………………………
次の日、
目を覚ますと隣にいるはずの
緑が居なかった。
「緑っ!!」
…まさか逃げた?!
同意なく契りをしたから
……僕の事を嫌いになって…
やだ!僕を置いて行かないで!
急いで服を着替え、
緑を探し始めようと襖を開いた瞬間、
ふわりとご飯の香りがした。
「……えっ…これは?」
ちゃぶ台にはお味噌汁とおにぎりが
置かれていて、湯気がたって美味しそう
緑「おはよう黒夜君!お腹すいたでしょ
ご飯作ったから食べて」
「緑……」
緑「ほらっ冷めない内に……
どっどうしたの黒夜君?!
何で泣いているの?
どこか痛いの?」
「起きたら……隣に居なかったから
僕の事…嫌になって
帰ったかと思った……
一昨日と昨日は本当にごめん…」
情けなく、緑の目の前で
泣いてしまった。
すると緑は優しく笑い、
緑「好きな人を置いて行くわけないじゃん
私もごめん…黒夜君の気持ちを
勝手に決めつけて」
僕の涙をやさしく手で拭ってくれた。
触れた手はまだ少し震えがあり、
薬の作用が残っている…
緑の症状に対して
…心が痛み、罪悪感が湧いた。
「緑は謝んないでよ 僕が悪いのに…
ご飯作ってくれてありがとう」
こんな僕を見捨てないでくれて、
好きって言ってくれてありがとう
薬を盛られ無理矢理 行為をされたら
普通、嫌いになる筈なのに…
震えている手を僕は
自分の頬にあて頬擦りをした。
ああ、やっぱり緑の手は温かいな
「……ねえ、緑…ご飯食べながらで
いいから…今後について話をしない?」
緑「うん…分かった
でも、まずは腹ごしらえ
先にご飯を食べようか」
緑はニコッと笑い、
僕をご飯がある ちゃぶ台に座らせた。
過去話 黒夜と緑④※閲覧注意
※黒夜side
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それから数日間、
僕らは【契り】を交わし続けた。
緑が薬の効果で動く事が出来ないうちに
声が出せないうちに、
僕の熱を緑の中に何度も吐き出した。
『やっと緑に触れられた』
『これで緑は僕のもの』
『産まれてくる子供が楽しみだな』
あの時は、怒りと嫉妬にかられ
自分の事しか考えていなくて…
大切な彼女を傷つけた事に、
気付いたのは…薬の効果が薄れ…
緑「…….黒…夜君…君の気持ちは
充分…分かったから……」
「………っ!!」
か細い声で、
僕の手を弱々しく握った時だった。
緑「お願い……もう…やめて…」
緑はよろよろと起き上がり、
泣き腫らした瞳で僕をじっと見た。
気付いた時には既に遅く
身体を見ると僕が付けた噛み跡や鬱血痕が
びっしりあって…
……とても痛々しかった。
「みっ緑っ…僕、そんなつもりじゃ…
ごめんっごめんなさい!」
すぐに行為をやめ、
緑に着物をかけ、抱きしめた。
…謝ったって、抱きしめたって
もう遅いのかもしれない
…好きなのに…大切なのに…
傷を付けて…どうして僕は……
これじゃあ、緑の両親と変わらないじゃないか
……何やってるんだ僕は……
緑「よっ…良かった…いつもの黒夜君に
戻った…よかっ…」
彼女は笑みを浮かべ、そのまま…
ぽすんっ
緑「すぅ……すぅ……」
僕の腕の中で眠ってしまった。
安心しきった笑みを浮かべて…
「緑ぃっ…ぅぅ……」
穏やかに眠る彼女を見て、
ボロボロと涙が溢れた。
傷つけてごめん…
緑は僕の為に別れを告げたのに…
僕の未来を思って…
でも、僕…
緑と離れ離れになりたくない
僕じゃない男に触れられて、
その男と家庭を作るなんて
とても嫌だし…許せない
「……許して…緑」
……もう、僕は緑 無しじゃ
生きられないんだ。
ごめん…本当にごめん
緑を布団に横たわせ、掛け布団をかけ、
僕も同じ布団に入り目を閉じた。
……………………………………………………………
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次の日、
目を覚ますと隣にいるはずの
緑が居なかった。
「緑っ!!」
…まさか逃げた?!
同意なく契りをしたから
……僕の事を嫌いになって…
やだ!僕を置いて行かないで!
急いで服を着替え、
緑を探し始めようと襖を開いた瞬間、
ふわりとご飯の香りがした。
「……えっ…これは?」
ちゃぶ台にはお味噌汁とおにぎりが
置かれていて、湯気がたって美味しそう
緑「おはよう黒夜君!お腹すいたでしょ
ご飯作ったから食べて」
「緑……」
緑「ほらっ冷めない内に……
どっどうしたの黒夜君?!
何で泣いているの?
どこか痛いの?」
「起きたら……隣に居なかったから
僕の事…嫌になって
帰ったかと思った……
一昨日と昨日は本当にごめん…」
情けなく、緑の目の前で
泣いてしまった。
すると緑は優しく笑い、
緑「好きな人を置いて行くわけないじゃん
私もごめん…黒夜君の気持ちを
勝手に決めつけて」
僕の涙をやさしく手で拭ってくれた。
触れた手はまだ少し震えがあり、
薬の作用が残っている…
緑の症状に対して
…心が痛み、罪悪感が湧いた。
「緑は謝んないでよ 僕が悪いのに…
ご飯作ってくれてありがとう」
こんな僕を見捨てないでくれて、
好きって言ってくれてありがとう
薬を盛られ無理矢理 行為をされたら
普通、嫌いになる筈なのに…
震えている手を僕は
自分の頬にあて頬擦りをした。
ああ、やっぱり緑の手は温かいな
「……ねえ、緑…ご飯食べながらで
いいから…今後について話をしない?」
緑「うん…分かった
でも、まずは腹ごしらえ
先にご飯を食べようか」
緑はニコッと笑い、
僕をご飯がある ちゃぶ台に座らせた。
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