【完結】異世界でお菓子屋さんを始めました!

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異世界でお菓子さんを開きました。第1章 本編

第10話 久しぶりの元の生活(アップルパイ)①

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前回のあらすじ

ルビーさんと三日月さんのお陰で、
元の世界に戻る事ができた。


そして…

緑「………真澄! 貴方今までどこに行ってたの?!」

「母さん…」

二ヶ月ぶりに母さんと再会。


緑「メールでは警察に連絡するなとか、
私は大丈夫だからって、見たこともない景色の
写真とか送って……

本当に心配したんだからっ!!」

ガバッ!!

思いっきり母さんは私を抱きしめてくれた。

あたたかい…
母さんのぬくもり…
夢じゃないんだ…本当に……

じわ……

気付けば涙が目尻から溢れでた。

「………っ母さん!ごめんなさい
心配かけてっ ぅ…うわぁぁん…」

緑「……無事で良かった…」

久しぶりに声をあげて泣いて

母さんは ぽん ぽん ぽん と、
私の背中を叩いてくれた。

「……ありがとう…母さん…」


落ち着いた所で…

「……私がいなかった2ヶ月間…
ちゃんと話すね…」

緑「……うんっ…」


今までの事を全て話した。



仕事最終日に異世界に転移した事


森に迷っていた所…オキニスさんに助けられた事


生活も異世界の住人達のお陰で、
楽しくやっている事


お菓子を異世界に広めている事


そして、今回 元の世界に戻って来れた理由も
一つずつ説明した。

「という事なの…ごめんね…突然いなくなって、
寂しかったよね…」

緑「寂しかったよ。……でも、
真澄が突然いなくなったと同時に、
この子と出会ったのよ。ねっ黒夜ちゃん」

母さんの視線の方向を見ると
黒い狐がきゅーんと鳴きながら、
こちらに向かってきた。

「かっ…可愛い…毛並がオキニスさんよりふさふさ…」

狐の頭を撫でると私の手にすりっと
頬ずりしてくれた。


緑「何故か、家の前のゴミ捨て場にいたのよ。
ダンボール箱の中に入っていて…
最初は犬かと思ったわ。

……それで、今に至るという感じです。」

「……へぇ よく2ヶ月間もバレなかったね
ここのアパートの管理人さんだったら
すぐに気づくはずなのに…」

緑「まあね!黒夜ちゃんがお利口だから
……って真澄~。オキニスさんって誰?
男?貴方の口から男の人の名前が出るなんて…
ついに真澄にも春がっ…」

「……母さん…いや、あの……
オキニスさんと言うのは……」

母さん…何か勘違いしている。
私と恋愛関係なんてオキニスさんに失礼よ!

弁解しなくちゃ!!

「あのねっ母さ…」

次の言葉ををはっしようとした所で、


シュルシュルル…


急にリュックサックが開き、
中から封筒が飛び出した。

飛び出した封筒はふわふわと空中を舞い、
母さんの手元に落ちてきた。

緑「何かしら?私宛の手紙?」

カサッと手紙を開くとこんな内容が
書かれてあった。


……………………………………………………


真澄ちゃんのお母様へ


初めまして、私はオキニスの母ルビーと申します。

真澄ちゃんは、お菓子と言う食べ物を
多くの人々に教え、無料で私達にお菓子を渡し、
クモード王国に貢献をしており、
感謝の気持ちでいっぱいです。

しかしながら、この度は私の息子オキニスが
彼女に無理矢理口付けをしてしまった為、
彼女を混乱させてしまいました。

このような事態となり、誠に申し訳ございません。

そのため、今回真澄ちゃんには、
元の世界に戻す事にしました。

なお、彼女にもお伝えしておりますが、
1週間後に彼女が持っている魔法道具が
光だします。

その魔法道具を首にかけると、
再びクモード王国に転移するので、
首にかけるか かけないかは、
真澄ちゃん、お母様で決めていただけないでしょうか

ご迷惑をお掛け致しますが、
よろしくお願い致します。




                                           ルビーより
………………………………………………………

緑「…………」

手紙を読み終えた母さんは、
付箋を二つ折りにして

緑「……私の知らない所で大人の階段登ったのね
おめでとう真澄!」

…母さん…なんでそんなに嬉しそうなの
狐ちゃんもパタパタと尻尾振ってるし…

…ルビーさんとは正反対…
……さすが、母さん。

緑「まっ!せっかく元の世界に戻れたんだし、
1週間、元の生活を楽しみましょ!
それから、真澄はどうしたいか
ゆっくり考えればいい事だし

あっ…そうだアップルパイ作り途中だった
真澄、手伝ってくれるかな?」


「母さん…うんっ!わかった」

……そうだ、1週間も時間があるんだ…
私は…どうして行きたいか、
考えよう。

後悔がないように……
でもその前に…

「母さん、パイは冷凍のパイシートかな」



久しぶりの元の生活を楽しもう。

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