【完結】異世界でお菓子屋さんを始めました!

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異世界でお菓子さんを開きました。第1章 本編

第7話 ばあやとバニラビーンズ(カスタードプリン)②

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ばあやさん宅へお邪魔して、
爆発により部屋の換気と掃除をしてから
未完成のカスタードプリンを4つ、
テーブルに並べた。

お供のコーヒーをつけて、

「では、皆さん食べてみて、
思った事を教えて下さい。」

ピンキー「待ってました!いただきまーす」

ダージリン「黄色い物体にかかってるソースが
気になるな」

ばあや「どれどれ、一体どんな味がするんだろうね」


パクッ と3人はカスタードプリンを口に入れた。

「……どうでしょうか?」

ピンキー「何この食感うまっ!!卵料理で
こんな甘いお菓子が出来るなんて、
信じられない」

ダージリン「ああたしかに、ソースの甘苦さにも合うぜ!真澄、このソースは何から作られてるんだ?」


「ダージリンさんソースは砂糖と水の二種類から
作りました。」

ダージリン「へっー…たったそれだけで
真澄のいた世界はすげーな」

ピンキーさんとダージリンさんは、
美味しそうに未完成のカスタードプリンを、
食べていた。

肝心のばあやさんは……

ばあや「うーん…たしかに美味しい…
だけど何か物足りないような?
2人はそう感じないのかい?」

微妙な顔をして、ピンキーさん達に
問いかけた。

……そう、私はこの言葉を待っていた。


お菓子の存在を知らない人達に、物足りなさを
気づいて貰えるか至難の事だったけど、
気づいて貰えて良かった。
さすが、バニラビーンズの職人さん!!

ピンキー「えっ?そうかしら、私はこのままで、
充分美味しいと思うけど…
真澄ちゃん、未完成って言ってたけど、
もしかして……」


「はい、ばあやさんの言う通り、
実はこのカスタードプリン、
材料が1つ足りないのです。」

ばあや「その足りない材料と言うのが…」

「ええ、ばあやさんが、作っている バニラビーンズです。その…この世界でのバニラビーンズの使用方法はたしか…」

ばあや「そうだね、香水や香り関係の物に使っているよ。まさか、バニラビーンズを食材に使用する世界があるとは…ふむ……」

私も食材にしない世界があるなんて、
びっくりしてます。

「…ばあやさん、いきなりで申し訳ございません。
実は、このカスタードプリン、 
クモード城で販売する事になりまして…
可能でございましたら、バニラビーンズを
私に分けていただけないでしょうか」

…と言い、深く頭を下げた。


……先刻の爆発はきっと、バニラビーンズを
作る為に起きたアクシデントだろう…

彼女は命がけでバニラビーンズを作っている

今更だけど…分けて貰えるのは、
難しいのかも知れない

諦めと不安が入り混じった、
感情でばあやさんを見た


ばあや「そっそんな畏まらなくていいんだよ!
頭をあげて!!
私が作っている物が何かの役に立つなら
いいよ。真澄ちゃんにあげる」

「本当ですか!!あっありがとうございます!」

ばあや「ただし、バニラビーンズをあげる代わり、
条件がある、…バニラビーンズを使ったプリンを
今、食べたいけど…作ってくれるかい?」

「もちろん!喜んで、今から作ります!
お台所借りますね。」


そう言って私は急いで、
本当のカスタードプリンを
作る為、作業に取り掛かった。



……………………………………………………




…………………………………………



……………………………




その後… 

完成した本当のカスタードプリンは、
未完成のプリンより、大好評だった。

ばあや・ピンキー「「美味!!おかわり!!!」」


ダージリン「2人とも、食い過ぎた……って
何でいる?!爺ちゃん!
というか、いつから来た?!」

アール「うまいのぉ わしこんな食べ物初めてじゃ」

バニラビーンズの甘い香りに誘われて、
住人の何人かがばあやさん宅にやって来て、
私が作ったプリンを食べてくれた。

その中にはラピスラズリの森の村長、
アールさんがいた事にはとても驚いた。


こうして、カスタードプリンを、
材料がなくなるまで、作り続け、


全員「「ご馳走様でした!!」」

「いえいえ、食べて下さいまして、
ありがとうございます。」


気づけば、終わる頃には夜になっていた。



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