【完結】悪兎うさび君!

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第6章 ラビット・ビットの夢

第3話 決意①

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第3話 決意①

…………………………………………

ビットちゃんの告白に
うさび君は…





うさび[なん…なんで人間に
なりたいんだ…
動物でいることが嫌になったのか…
それか…俺が原因?]ぶる ぶる…

肩を震わせて不安そうな表情を
していたけど


きっ!!

うさび[でも!お兄ちゃんは
結婚以外なら妹を
応援する!!]

真っ直ぐビットちゃんを
見据えた…

ビット[…ありがとう
お兄ちゃん…てっきり
人間になりたい事も反対
されるかと思って
中々言えなかったの…]

…ビットちゃん…
今まで不安と闘ってたんだね…

勇気を出して言ってくれて
ありがとう…

ビット[……お兄ちゃんが
応援してくれるなら全部言うね…

私が人間になりたいのは
私の夢の為でもあって…
お兄ちゃんの為でもあるの!]

うさび[へ…?俺のため?
どういう事だ…
人間になるのと俺って…?] 

ビットちゃんが
人間になる事とうさび君…
何か関連があるのかな

…うーん…


いくら考えても
分からない…なので…
ビットちゃん!説明お願いします!


ビット[……突然お兄ちゃんの為って
言っても分からないよね…
順に説明するね

まず、私の夢が植物学者になる事って
これは…お兄ちゃんは分かるよね…]

うさび[ああ、ビットの夢ぐらい分かるぞ
…って…まさか……人間になるのって…
お前…ここで知識を得るんじゃなくて…]





ビット[…そう、
メチル森で学ぶんじゃなくて
ちゃんとした専門の高校…
大学に 通って学ぶの…

両親や村長さんには
ちゃんと了承を得たわ]


…そんな…じゃあ …
ビットちゃんは
あと2年たったら
メチル森を 出ることに …

悲しいけど
植物学者になる事が
ビットちゃんの夢だよね…

応援しないと!

…でも…この話を聞いた
うさび君が…どんな反応か…


ちらっ

うさび[……わかった…それが
ビットの進みたい道なんだな
俺も応援する]

良かった!…うさび君も応援
してくれる…

てっきりメチル森にいろ!と
反対するかと思ったから
安心した。


うさび[ただ…なんでメチル森を
出てまで人間のいる場所で学ぶのか
理由を教えてくれ…] 

ビット[…わかった…
私が人間のいる場所に行く理由は

植物学者になるのと
もう一つは…








……お兄ちゃんの呪いを解くため] 

うさび[…俺の呪いを解くため…]



ビット[そう…お兄ちゃん
呪いの影響で吐いたり
特に最近家にいても寝込んで
苦しんでいるから…]


…………!!
学校で会う時は元気に
笑ったり遊んだりしてるのに…

[えっ!
今まで体調悪かったの?!]

……好きな人が苦しんでいたのに
気付かないなんて…バカだ私…





うさび[今は超元気だぞ!
ほらっ!手も上げれるし
それとビット!心配しすぎだ
俺様が薬で抑えればいいじゃねーか!]

…とゲラゲラ笑ってる
うさび君に対して


ビットちゃんは…

ビット[…心配するわよ!!
何で自分の体を大切に
しないのよ!

私はお兄ちゃんの苦しんでる
姿を見たくないの!

助けたいの!! ]


声を荒げた。


うさび[ご…ごめん……]

ビット[…本当はね私だって
今のお兄ちゃんのままで
いたかった 

けどっ…!

この前フィックスさんに
言われたの!

このままだとお兄ちゃんは…]



………………………………………………………



………………………………………………



…………………………………………


1ヶ月前… 





 

フィックス[まだ…呪いを解いてない…]

ビット[はいそうですが…
何かまずい事でもあるんですか?
フィックスさん?]

フィックス[…うん…呪いを掛けられて
2年は経つよね…

呪いを解く方法は

今の姿でも好きになってくれる人と
両思いになる事…だけど…

ビットちゃん…うさびは
今どうかな…]


ビット[はい…Miさんに 
恋してるんですが…

…でも告白して成功したら
お兄ちゃん…元に戻るんですよね… 

正直、私は今のお兄ちゃんの方が
好きです…

今のお兄ちゃんとお別れなんて…
…したくないです………] 


フィックス[……っすまない!
俺があの時、怒りや憎しみに任せて
バカな事しなければ…


 
今のうさびは苦しまずに済んだ
ビットちゃんも…] 




ビット[いいえ!フィックスさんは
何も悪くありません! 

今のお兄ちゃん から話を聞きました。
元のお兄ちゃんの記憶を
共有できるって…

それで…元のお兄ちゃんが



 
殺したんですよね….
フィックスさんのお兄さんを…

悪いのは…元のお兄ちゃんです
理由がどうあれ…殺すなんて…!
本当にごめんなさい!!] 


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