【完結】儚げな少年と思って助けたら魔界一最強の魔王様でした。

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本編

第15話 ダジュナール家の悪事③

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第15話 ダジュナール家の悪事③

………………………………………………………………

※坊っちゃまside


3年前に死んだと思っていた
彼女が生きていた。

俺の目の前でボロボロと涙を流して…

シロガネ「お願い…死なないで…」

そうして、呆然とする俺を
優しく抱きしめた。

「シロガネ…」

抱きしめられた瞬間、
彼女の温もりと甘くて優しい香りがして…
生きている事を実感した。

彼女が生きている…死んでない…
俺の願望や幻じゃない
本当の事なんだ
シロガネ…シロガネ!!

「………ぅぅ」

ついに…俺の涙腺は崩壊した。

「生きてて良かったぁぁ!
あの時、死んだかと思ったじゃんか
馬鹿野郎!!無茶しやがってぇぇ」

子供みたいに泣きじゃくり、
シロガネを力強く抱きしめた。

シロガネ「ごめんっ…本当にごめん
う…うわぁぁん」

シロガネもボロボロと涙を
流して続け、俺たち2人は
周りなんて気にせず大声で泣き続けた。

3年…どれだけ長かったか
どれだけ…シロガネを思ったか…

泣き続けて数分後、
思いっきり泣き続けた俺たちは
やっと落ち着いて…

俺は再び、ジンジャーさん、
魔王様達に向けて頭を下げた。

「…馬鹿な真似をしようとして、
申し訳ございませんでした」

…よくよく考えたら
ここにいる全員が俺たちを
見ているんだよな…

今更ながら恥ずかしくなってきた…

そう思うと頬がカアァと熱くなり、
自分の手で頬を抑え

シロガネ「見苦しい姿を失礼致しました…」

シロガネも俺と同様…
顔を真っ赤にして頭を下げた。


ジンジャー「間に合って…良かった
コバルトさん もう、こんな事しないで
下さいね」

ジンジャーさんはホッとした笑みで
地面に落ちたナイフを広い、

ジンジャー「これは没収します
さあ、2人とも折角の再会ですし…
別室でお話してはいかがでしょうか

後は俺たちに任せて下さい
執事さん!お2人を別室に
案内して下さい!」

パン パンと手を叩き、
執事さんを呼んだ。

シラトス城の執事「承知しました
では、コバルト様、シロガネさん
別室へ案内します」

シロガネさん?何で俺だけ様呼びなんだと
思ったら、理由はすぐに分かった。

シロガネ「ありがとうございます
先輩」

シラトス城の執事「いえいえ
良かったですね シロガネさん!
仕事の合間をぬって探していた方が
見つかって!」

…そういう事か!
シロガネはシラトス城で働いているのか

ビックリして、シロガネの顔を見ると…

シロガネ「詳しい事は別室でちゃんと話すね」

意図を取り、俺だけ聞こえるぐらいの
小声で話してくれた。

シラトス城の執事「ささっ2人とも行きましょうか」

執事の声と共に別室へ向かう…



けど、その前に……

俺は顔面蒼白になっている
両親を見てこう言った。

「お前達の過ちにより犠牲になった人々や
不幸になった人々に対して…
ちゃんと罪を償えよ  
俺も…ちゃんと自分自身の罪を償うから」

言葉を聞いた両親は、
俺に対して何かを叫んでいたが、

俺は口答えをせず、振り向きもせず
シロガネと執事さんと一緒に広間を
退出した。





……これが、俺にとって
両親との最後の会話となった。



坊っちゃまside終わり
         
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