【完結】儚げな少年と思って助けたら魔界一最強の魔王様でした。

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本編

第14話 シラトス城の舞踏会②

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第14話 シラトス城の舞踏会②

………………………………………………………………

数刻前…魔王様の微笑みを見て、
少し前から私の脳裏にある方程式が
確実なものに近づいていった。


『魔王様=ルクシ君』


「……………………」

……いやいや、ありえない
何度も言うけど無理があるよ私、

確証がある訳じゃないのに、
勝手に決めつけたら駄目

それに…招待状に書いてあったじゃない、
魔王様は舞踏会に参加しないって…

うん、そうだ 
絶対そうに違いない 

第一、私と関わっても、
魔王様になんのメリットもないし
逆に時間が勿体ないデメリットだよ

………私の気のせいだ!

さっさぁーて…ルクシ君が来るまで、
豪華な食事を頂こうかな?

そうしよう!

うんうんと勝手に判断して、
私は一直線に食事が置かれている場所へと
歩き出した。

移動中、ふと辺りを見渡した。

みんな パートナーと楽しそうに、
ダンスを踊ったり、談笑したりしていて

アッサムさんもジンジャーさんと
お互いに照れながら、会話をしていて
2人だけの世界

「……いいな……(小声)」

……みんな…楽しそうだな

なんだか、私だけ心細くなってきた
…美味しい食事で気を間際らそう

トボトボ…と食事の場所につき
皿を手に取り、食事を装う

テーブルに着き、椅子に座り
手を合わせ…

「いただき……」

いただきますと途中で言いかけた所、
物凄い勢いで誰かに腕を引っ張られ
立たされた。

えっ…何事?!

びっくりして振り返ると、
知らない男性が2名いて
その内の1人が私の腕を掴んでいた。

捕まれた腕はギリギリと音を立て
とても痛い…

この力は人間じゃない…魔族かな…

それより私はこの2人を知らない
赤の他人なのに どうして?
怖いっ…誰か助けて!!

「誰かっ…もがっ」

助けを求め、大声を叫ぼうとしたけど、
相手の素早い行動により、
口に手を塞がれ、声が出せない

バイヤー①「この女だな 今回の奴隷として売るのは?」

バイヤー②「ああ、もう1人赤髪の妖精もそうだが、シラトス城のお偉いさんがずっと側にいて
攫う事が出来なかった
今回はこの女だけにしよう」

バイヤー①「そうだな、それにしても可哀想に…まさか使用人まで売るなんて…
あそこの夫妻は鬼畜だな…」

「…………………っ」

…2人の会話を聞いて、
寒気がした。

……売られるってどういう事?
奴隷…として売るって……私を…

……人身売買だ

私、奴隷として売られる

いや…やめて……

…また奴隷になりたくない

叩かれるのも ひもじい思いをするのも
嫌だ

誰かっ……助けて!!!

目をギュッと瞑り、
暴れようとした瞬間、

いるはずのない方の声がした。

魔王「汚い手で触るな オーロラは我の女だ」

声がしたと同時に、肩を抱き寄せられ

「まっ魔王様?!」


目を開くと私は魔王様の腕の中にいた。


魔王「……シルクって呼んで」

「えっと…はい…あっあの…シルク様?!」

今の状況に色々と聞きたい事があり、
魔王様の方へ振り向いたら…

魔王「…………」

整った顔が至近距離にあって…
カチッと視線が合わさった。

この瞬間、まずいっ!と思った時は
時は既に遅し…

私に顔を背ける隙を与えず、
ガッと勢いよく両手で私の頬は掴まれ、

「………へっ…あっ…んぅぅ…」



何を思ったのか 魔王様は いきなり
私の唇に自分の唇を押し付けたんだ。


ちゅっ…ちゅく…

角度を変え、リップ音を立てて
熱い口付けが交わされる。

舞踏会の中、みんなが見ている前で……

みんな…談笑やダンスをやめ、
こちらを凝視している。


「シッ…シルク……っ様……やめ…」

……あの予想は置いといて……

なんで?!私達、今が初対面ですよね!!
…私のファーストキスが……

そう、ファーストキス、
結婚式で好きな人に初めてを捧げるって
夢を見ていた……

いっ息ができない…
ごめんなさい魔王様っ…!!


バンッ!バン!!

呼吸がくるしくなり、
必死に抵抗しようと 手を魔王の胸に
叩いても、押してもビクともしない

顔を必死に背けようと力を入れるが、
動かない。

そればかりか、頬に触れられている手は
固定が強まり、否定は許さないと、
さらに口付けは激しくなった。

もう、我慢ができなくなり、
空気を入れようと口を少し開いたら

魔王「やっと…口を開いた」

「……!!…むぐっ……むぅぅ」

舌を入れられ、私の舌を絡め取る、
唾液も自分の口の中へと流されて
どちら物なんて分からない…

周りの人達に見せつけるように
クチュ…グチュと厭らしい音を立てて


「……………っ」

ガクンッ!


恥ずかしさと息の苦しさ

あまりに激しい口付けで、
目の前が真っ暗になった。


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