上 下
40 / 59
本編

第12話 お別れと約束

しおりを挟む
…………………………………………………………

第12話  お別れと約束

……………………………………………………………


ルクシ君ととお別れまで…

ううん……
もう…数える日数なんてない…

ついに…今日、お別れの日になった。

前回と違って、
お別れまでに期間があるので
今度は笑って見送る事ができると思っていた

…でも、ここ2週間…色々あって…

色々とは…

ルクシ君が急に大人っぽくなったとか…

接触もドキドキするようになって…

私がルクシ君にときめくようになって…

最後は保護者としてあるまじき感情を
抱いてしまって…


素直に笑って見送る事が、
出来なくなってしまった。

何やっているの私…

でも!!私は立派な大人!!!
ちゃんと保護者の責任を全うしないと!


坊っちゃま『あの餓鬼は
人間じゃないし、お前より歳上だ
だからお前は可笑しくない!!安心しろ』

坊っちゃまは私に本当の事?を
言ってくれたけど…

たとえ…ルクシ君が人間の子供じゃなくても…彼には彼の人生があるから…

「……ルクシ君…今日でお別れだね
今まで楽しかったよ!
新しい住処では幸せになってね
私、ルクシ君の事応援しているから」

私は何も知らないふりをする
ルクシ君は人間の子供だと思い込み
会話をする

いいの これで…

ルクシ「おねえちゃん…」


「だからっ…最後に
抱きしめても良いかな?」

これで触れるのは最後、
ルクシ君の声を聞くのも姿を見るのも…
二度とない

なんだか名残惜しいな…

ルクシ「うん いいよ おねえちゃん」

ルクシ君の了承を得て、
私はそっと彼を抱きしめる…

いつもの様に頭を撫でて、
背中を擦る

うん…あったかいな


これで、私は頑張れる
思い出もこの温もりも
忘れない…

充分抱きしめて、
ルクシ君から離れて…

「ありがとう!ルクシ君!」

不安にさせない様に、
出来る限り笑顔を作った。

「さっ、外にジンジャーさんが
待っているから 行こうか」

手を差し出したが
ルクシ君は動かない

じとっとした目で
私に何かを訴えかけている

…えっ…どうしたんだろう?

ルクシ「おねえちゃん…忘れている事ない?」

「忘れている事……あっ!!
もしかして…」

思い出した…お願い事!!

11日前…たしか…
ルクシ『……じゃあ、願い事
最後の日に言うから……楽しみにして』

…って言っていたっけ…
すっかり…忘れていた…


ルクシ「思い出した? 
僕、前にお願い事は最後に言うって
約束したよね」

「そうだったね ルクシ君
…私ができる事なら叶えるよ!
お願い事を教えてくれる?」

ルクシ「言ったね、おねえちゃん
取り消しは無しだからね
じゃあ お願い事を言うね
お願い事は2つあって…

じゃあ、1つ目は…

『おねえちゃん 僕のお嫁さんになって…』」

……え?!今なんて言った?
お願い事の内容に一瞬、思考が停止した。

お嫁さんになって
…誰が誰のお嫁さんに?

私がルクシ君のお嫁さんに……

「ルルル ルクシ君!今なんて…
およお嫁さん?!」

ルクシ「そうだよ 僕のお嫁さんになってよ
おねえちゃん…

それと、もう一つ……」

「えっ…あの……」

ルクシ「僕もね シラトス城で開催する
舞踏会に参加するんだ、

だからおねえちゃんを僕に
エスコートさせて?」

そう言って私の手を取り、
恋人繋ぎのように指を絡ませ、

ルクシ「それに気づいているんでしょ
僕が人間じゃなくて…
『オーロラ』より歳上だって?
…子供が言う憧れ的なアレじゃないからね?
忘れたら許さないから」

「……………」

私に向けてにっこりと笑った。



ルクシ「そろそろ行こっか?『オーロラ』
ジンジャーも待ってる事だし」





しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

異世界で王城生活~陛下の隣で~

恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。  グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます! ※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。 ※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。

ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人

花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。 そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。 森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。 孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。 初投稿です。よろしくお願いします。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます

刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。

処理中です...